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第3章

南関東大会。そして。

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南関東大会は10日後、県営大宮球場で行われた。
県営大宮球場は大宮氷川神社の隣にある。
試合当日の朝、球場に入る前に、私はひとりお参りに行った。朝の神社は普段以上に厳かで静かだった。
「ベストを尽くせますように。」


南関東大会は開会式から始まる。
ここでもマネージャーがプラカード嬢になる。硬式野球と違い、観客席はガラガラだ。
それでも、プラカードを持って選手を先導するのは気持ちの良い体験だ。


初戦は千葉県代表、拓大紅陵高校だった。
甲子園でもお馴染みの名前の学校で少し怯んだが、試合はどちらも譲らず0―0のまま6回表。我がチームの攻撃だ。
四球のランナーを犠打で送り、2年生会本くんがタイムリー二塁打で貴重な1点をあげる。
この1点を最後まで守り抜き、1―0で完封勝ち。
テンポの良い投手戦で試合時間2時間、投球数107球という鮮やかな勝利だった。

埼玉大会の優勝校である浦和南高校は神奈川代表の横浜商業に大差で負けてしまったので、翌日はこの「Y高」の呼び名で全国的に有名な横浜商業と決勝戦を戦うことになった。
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