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第二章 リーベン島編
弟子に託す 2
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昼食を済ませた後、オレたちは近くの茶屋でお茶をしていた。この里の茶は、大陸のものとは全く違う、心を落ち着かせる香りがする。甘い菓子と、この茶の渋みが口の中で絶妙に混ざり合うのがたまらない。
「そう言えばエミリー、休みにはギャンブル行ってるのか?」
オレが尋ねると、エミリーは両手で湯呑みを上品に持ちながら、平然と言い放った。
「ん、行ってたよ? お金半分くらいになったけどね」
「凄い普通に言ってるけど、エミリー相当お金持ってたよね……?」
「うん、奥様に怒られたんだよ。賭場は『イカサマ』ってのが当たり前だから、ここでは賭博はするな! ってね。だからここを出るまでは我慢することにしたよ。でも、こうして経験を積むことは、私のギャンブル人生にはプラスになる事なんだよ。今はジッと我慢だよ」
「なんか……いい話風に言ってるけど、格好良くはないぞ……」
「私は日々成長してるよ。ルナポートではボートレースで大勝ちだね」
「おぅ……まぁ程々にな……」
彼女のギャンブルへの情熱は、ここを出るまで内に秘め続けるらしい。本当に我慢できるのかは知らないけど。
オレたちは里を散策しながら、他愛もない話に花を咲かせた。
「そう言えば、メイファさんの診療所に行ったことないな。エミリーは行ったことあるのか?」
「いや、無いね。私は屋敷で働いてるだけ。ランさんはそこでも働いてるらしいけど」
「あぁ、巨乳で有名なランさんか」
「え、有名なの……?」
「あ……いや、エミリーに聞いただけだけど……行ったら邪魔になるかな?」
「いいんじゃないかな?」
邪魔になったら帰ればいい。軽い気持ちで、オレたちは診療所を訪ねてみることにした。
「おじゃましまーす!」
「あれ、エミちゃん! どうしたの? どこか悪いのかい?」
出迎えてくれたのが、噂のランさんだった。
ミオンさんとはまた違う、可愛らしい雰囲気の巨乳だ。脇にボタンのある白衣が、その豊かさを強調している。
「いや、休みだから奥様の職場に行ってみようって。忙しいかな?」
「ううん、一段落したよ。奥様は診察室にいらっしゃるよ」
「ちょっと、入ってもいいかな?」
「所長! エミちゃん達が来ましたよー!」
すんなりと奥に通されると、そこには白衣をラフに羽織り、脚を組んで椅子に座るメイファさんの姿があった。
「何だ? 珍しいなエミリー。賭場に行くなって言ったのが堪えたか?」
「いや、休みで服や防具作ってもらって、奥様の職場を見たことなかったなーって。邪魔じゃなければ見学したいなって」
「そうか、診療所は暇であればそれに越したことは無いからな。今は患者が居ないから丁度いい。それに、また渡そうと思ってた物があるんだ」
メイファさんは奥の部屋から一冊の分厚い本を持ってくると、それをエミリーに手渡した。
「メイリン姉さんの研究を引き継いで、私が纏めたこの世界の病気の特徴や症状の全記録だ。治療術の全ても記してある。お前は私の弟子の中でも特に医術の才能がある。頭が悪そうに見えて実は凄く頭が良く、尚且つ理解力もある」
メイファさんの言葉に、エミリーはきょとんとしている。
「……えぇっと……褒められてるのこれ?」
「あぁ、勿論褒め言葉だ。本当はここの後継者にお前が欲しい。でも、出ていくんだろ?」
「はい、私の冒険はまだ始まったばっかり。やりたいことがいっぱいあります。でも、ここまで強くなれたのは奥様のお陰。いずれは奥様に恩返ししなくちゃいけない。いつか私はここに帰ってくる、約束します。でも、里長さんは他国の者の移住を許してくれるんですか?」
「心配するな、私が認めさせるよ。必ず帰ってこい」
「はい! 分かりました!」
「あと、これもやるよ」
メイファさんがエミリーに渡したのは、手のひらより少し長い、特殊な形をした刃物だった。
「この武具は『苦無』と言う。お前は基本的には補助役だ。この苦無に練気を纏い投げたりと、中距離攻撃にいい。二本もあればいいか。リンドウ兄さんの息子が作った物だ。ヤンガスの師匠で名工だ」
「いいんですか? ありがとうございます!」
エミリーは嬉しそうに二本の苦無を手にするが、どう持てばいいのか分からない様子だ。
「また扱い方は指南しよう。よし、患者が来たな。ここまでだ」
「お邪魔しました!」
「ランさん! また夜ね!」
「うん、お休み楽しんでねエミちゃん。お友達もね」
「ありがとうございます。ランさん」
診療所を後にすると、エミリーがじろりとオレたちを睨んだ。
「あんた達、やっぱりおっぱいに目が行くんだね……」
「エミリーそれはね、男の性なんだ……」
「あぁ、そうなんだ。あまり責めないでくれ……」
オレとトーマスは、そう言って顔を見合わせるしかなかった。
「そう言えばエミリー、休みにはギャンブル行ってるのか?」
オレが尋ねると、エミリーは両手で湯呑みを上品に持ちながら、平然と言い放った。
「ん、行ってたよ? お金半分くらいになったけどね」
「凄い普通に言ってるけど、エミリー相当お金持ってたよね……?」
「うん、奥様に怒られたんだよ。賭場は『イカサマ』ってのが当たり前だから、ここでは賭博はするな! ってね。だからここを出るまでは我慢することにしたよ。でも、こうして経験を積むことは、私のギャンブル人生にはプラスになる事なんだよ。今はジッと我慢だよ」
「なんか……いい話風に言ってるけど、格好良くはないぞ……」
「私は日々成長してるよ。ルナポートではボートレースで大勝ちだね」
「おぅ……まぁ程々にな……」
彼女のギャンブルへの情熱は、ここを出るまで内に秘め続けるらしい。本当に我慢できるのかは知らないけど。
オレたちは里を散策しながら、他愛もない話に花を咲かせた。
「そう言えば、メイファさんの診療所に行ったことないな。エミリーは行ったことあるのか?」
「いや、無いね。私は屋敷で働いてるだけ。ランさんはそこでも働いてるらしいけど」
「あぁ、巨乳で有名なランさんか」
「え、有名なの……?」
「あ……いや、エミリーに聞いただけだけど……行ったら邪魔になるかな?」
「いいんじゃないかな?」
邪魔になったら帰ればいい。軽い気持ちで、オレたちは診療所を訪ねてみることにした。
「おじゃましまーす!」
「あれ、エミちゃん! どうしたの? どこか悪いのかい?」
出迎えてくれたのが、噂のランさんだった。
ミオンさんとはまた違う、可愛らしい雰囲気の巨乳だ。脇にボタンのある白衣が、その豊かさを強調している。
「いや、休みだから奥様の職場に行ってみようって。忙しいかな?」
「ううん、一段落したよ。奥様は診察室にいらっしゃるよ」
「ちょっと、入ってもいいかな?」
「所長! エミちゃん達が来ましたよー!」
すんなりと奥に通されると、そこには白衣をラフに羽織り、脚を組んで椅子に座るメイファさんの姿があった。
「何だ? 珍しいなエミリー。賭場に行くなって言ったのが堪えたか?」
「いや、休みで服や防具作ってもらって、奥様の職場を見たことなかったなーって。邪魔じゃなければ見学したいなって」
「そうか、診療所は暇であればそれに越したことは無いからな。今は患者が居ないから丁度いい。それに、また渡そうと思ってた物があるんだ」
メイファさんは奥の部屋から一冊の分厚い本を持ってくると、それをエミリーに手渡した。
「メイリン姉さんの研究を引き継いで、私が纏めたこの世界の病気の特徴や症状の全記録だ。治療術の全ても記してある。お前は私の弟子の中でも特に医術の才能がある。頭が悪そうに見えて実は凄く頭が良く、尚且つ理解力もある」
メイファさんの言葉に、エミリーはきょとんとしている。
「……えぇっと……褒められてるのこれ?」
「あぁ、勿論褒め言葉だ。本当はここの後継者にお前が欲しい。でも、出ていくんだろ?」
「はい、私の冒険はまだ始まったばっかり。やりたいことがいっぱいあります。でも、ここまで強くなれたのは奥様のお陰。いずれは奥様に恩返ししなくちゃいけない。いつか私はここに帰ってくる、約束します。でも、里長さんは他国の者の移住を許してくれるんですか?」
「心配するな、私が認めさせるよ。必ず帰ってこい」
「はい! 分かりました!」
「あと、これもやるよ」
メイファさんがエミリーに渡したのは、手のひらより少し長い、特殊な形をした刃物だった。
「この武具は『苦無』と言う。お前は基本的には補助役だ。この苦無に練気を纏い投げたりと、中距離攻撃にいい。二本もあればいいか。リンドウ兄さんの息子が作った物だ。ヤンガスの師匠で名工だ」
「いいんですか? ありがとうございます!」
エミリーは嬉しそうに二本の苦無を手にするが、どう持てばいいのか分からない様子だ。
「また扱い方は指南しよう。よし、患者が来たな。ここまでだ」
「お邪魔しました!」
「ランさん! また夜ね!」
「うん、お休み楽しんでねエミちゃん。お友達もね」
「ありがとうございます。ランさん」
診療所を後にすると、エミリーがじろりとオレたちを睨んだ。
「あんた達、やっぱりおっぱいに目が行くんだね……」
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オレとトーマスは、そう言って顔を見合わせるしかなかった。
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