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第三章 大陸冒険編
空間魔法
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「みんな! ワイン、ヤッちゃってる? 良かったね、ちゃんリヴィ! ずっと気にしてたもんね」
「はい。私達の今があるのは、王のお陰でございます」
「やめなって! 同族でしょ!」
この人達、本当にこの会話を理解して聞いているんだろうか……。
「さっきの、小型の拡声器も女王が開発したんですよね?」
「うん、そうだょ。昔から、アイデアだけはどんどん浮かぶんだ。昔のアイデアでも、やっとここ数百年で実現できたってのも、結構あるね」
「技術的なことですか?」
「それもあるけど、一番は動力源だね。ウチの発明品の動力は、そのほとんどが魔力だから」
魔法具の動力と言えば、魔石や魔晶石だ。
「狩猟者協同組合を設立したのも、この二人だ」
「うん。魔物を倒した時に出てきた魔石を見て、『これだ!』って思ったょね。魔物を倒してお金を稼げる職業ができれば、防具の元になる体皮や、魔石、魔晶石が増える。武具を作る職人が増えれば、さらに狩猟者も増えるし、生活を豊かにする燃料も増える。狩猟者って仕事は、この世の中の潤滑油なんだょ。狩猟者カードと、銀行システムとの相性も良かったしね」
人族の世の、ほとんど全てを手掛けているらしい。とてつもない大物だ。
「そういえば、ユーゴっち。その右眼は、生まれつきなの?」
「いえ、今日の朝、起きたらこうなっていたんです。そうだ、王にお尋ねしようと思っていました。一体何なんでしょうか、これ」
「んー、見たことないな、バイオレットは。ちゃんボク達は緑色だし」
元仙族である王二人の眼は、元々は青色だったはずだ。王でも分からないとなると、ますます謎が深まるばかりだ。
「お二人は、仙人になって、何か損をすることはなかったんですか?」
「いや、体感では特にないな。ただ、眼が緑色になっただけだ。人族は子ができやすいけど、仙人になると、少しできにくくなるようだ」
「んだね。空間魔法も使えなくなるかと思ってビクビクしたけど、今じゃ普通に昇化した仙人も使ってるしね」
ん……? ということは?
「僕も、空間魔法が使えるんですか!?」
「へ? 昇化してるじゃないか。なら、使えるよ」
それを聞いて、トーマスはジュリアに、空間の開き方を教えてもらっている。オレは、それを羨ましげに眺めるだけだ。
「本当だ! 開いた! とうとう僕も空間魔法デビューか……。すごく羨ましかったんだ」
「いいなぁ……。使えないのは、オレだけか……。さすがに、この青紫の眼は関係ないだろうしな」
オレは、一応ジュリアがトーマスに教えていた通りに意識を集中させてみた。
「え!? 開いた! オレにも空間魔法が!」
「え……? なんで……?」
「その眼、仙族と何か繋がりがあるということ?」
「本当に、一体何なんだろうね、その眼は……」
「アタシ、仙人が空間魔法を使えるなんて知らなかったよ……。そういえば、気にしたこともなかった……」
「ウチらは、空間魔法って呼んでるけど、魔力なんてほとんど使わないょ。これは眼の力だからね」
晴れて、全員が空間魔法デビューを果たした。
「……私の天下が、終わってしまった……」
「いや、エミリーには、これまで世話になったからな。これまで通り、移動の見張りはオレ達が請け負う」
「あら、そうなの? じゃあ、頼むわね!」
「僕は、ユーゴと『契約』しようかな」
「あぁ、相互契約をしよう」
方法を教えてもらい、トーマスと相互契約を結ぶ。エミリーとジュリアから、オレ達の荷物を受け取った。例の革袋に入った宝玉が、オレの手に戻ってくる。エミリーが中身を知らないまま持っていたことを、少しだけ気に掛けていたんだ。
「いやぁ、本当に楽だな、これは」
「人生が豊かになるね」
話は、アレクサンド達の話題に移った。
「お二人は、アレクサンドが魔人と龍族とつるんでいることを、ご存じなのですか?」
「うん。ラファちゃんと、試験通信をした時に聞いたょ」
「奴らは、魔、仙、龍、三種族の戦闘法を習得している。あの三人は、相当強いぞ。アタシ達も、龍族と仙族の戦闘法を掛け合わせただけで、戦闘能力が跳ね上がった。今は、魔族の戦闘法も習得したがな」
「そうなのね。王国内の騎士団には仙人も多いけれど、そのほとんどは人族だょ。人族は、仙術を扱うのがかなり厳しいらしいんだ。気力が持たないみたいでね」
「龍族の錬気術を習得すれば、人族も仙術を使いこなせるようになるはずですよ」
「レンキジュツ? 指導してくれるのかい?」
「あぁ。お前達や、王都の幹部も覚えて損はない。とんでもなく戦闘能力が上がるぞ」
「十日後に軍事演習があるんだょ。そこで、指導してくれないかな?」
「えぇ、オレ達は構いません。ここは、他国の抑えです。奴らが動き出したら、相手をするのは王都の騎士団でしょうから、強くなってもらいましょう」
「そんな良いものがあるなら、是非頼むょ!」
「じゃあ、十日後に、シクヨロね!」
王二人は、他の来賓達の所へ行ってしまった。本当に話しやすい王達だ。何でも気兼ねなく話せる。
「十日後か。だったら、一度レトルコメルスに行ってこようかな。その後、里長に通信機を届けに行こう。仙族と魔族の戦闘法を教えておけば、万一奴ら三人が来ても、抑えになるだろうしな。里長が、自然エネルギーを取り込んだらどうなるのか、見てみたいというのもある」
「アタシも仙神国に帰って、皆に指導してこようかな。じゃあ二手に分かれるか?」
「そうだな」
「いつも、男と女で分かれているが、たまには男女ペアで行動してみないか? 前にトーマスと一日過ごしたんだが、いい刺激になったんだ。トーマス、一緒に仙神国へ行かないか?」
「うん、僕は構わないよ」
「じゃあ、私はユーゴと一緒に行く! 奥様に治療術の新術を見てもらいたいし、魔力障害のことも聞かないと」
レトルコメルスまでは皆一緒だ。今のオレ達なら、夜明けに出れば、夕方には着くだろう。全力で飛べば、もう少し早く着くかもしれない。
「じゃあ、明日は早起きだな!」
「とりあえず、今は、この美味い料理とワインを楽しもう」
正装して参加した、珍しいパーティーを、オレ達は心ゆくまで楽しんだ。
「はい。私達の今があるのは、王のお陰でございます」
「やめなって! 同族でしょ!」
この人達、本当にこの会話を理解して聞いているんだろうか……。
「さっきの、小型の拡声器も女王が開発したんですよね?」
「うん、そうだょ。昔から、アイデアだけはどんどん浮かぶんだ。昔のアイデアでも、やっとここ数百年で実現できたってのも、結構あるね」
「技術的なことですか?」
「それもあるけど、一番は動力源だね。ウチの発明品の動力は、そのほとんどが魔力だから」
魔法具の動力と言えば、魔石や魔晶石だ。
「狩猟者協同組合を設立したのも、この二人だ」
「うん。魔物を倒した時に出てきた魔石を見て、『これだ!』って思ったょね。魔物を倒してお金を稼げる職業ができれば、防具の元になる体皮や、魔石、魔晶石が増える。武具を作る職人が増えれば、さらに狩猟者も増えるし、生活を豊かにする燃料も増える。狩猟者って仕事は、この世の中の潤滑油なんだょ。狩猟者カードと、銀行システムとの相性も良かったしね」
人族の世の、ほとんど全てを手掛けているらしい。とてつもない大物だ。
「そういえば、ユーゴっち。その右眼は、生まれつきなの?」
「いえ、今日の朝、起きたらこうなっていたんです。そうだ、王にお尋ねしようと思っていました。一体何なんでしょうか、これ」
「んー、見たことないな、バイオレットは。ちゃんボク達は緑色だし」
元仙族である王二人の眼は、元々は青色だったはずだ。王でも分からないとなると、ますます謎が深まるばかりだ。
「お二人は、仙人になって、何か損をすることはなかったんですか?」
「いや、体感では特にないな。ただ、眼が緑色になっただけだ。人族は子ができやすいけど、仙人になると、少しできにくくなるようだ」
「んだね。空間魔法も使えなくなるかと思ってビクビクしたけど、今じゃ普通に昇化した仙人も使ってるしね」
ん……? ということは?
「僕も、空間魔法が使えるんですか!?」
「へ? 昇化してるじゃないか。なら、使えるよ」
それを聞いて、トーマスはジュリアに、空間の開き方を教えてもらっている。オレは、それを羨ましげに眺めるだけだ。
「本当だ! 開いた! とうとう僕も空間魔法デビューか……。すごく羨ましかったんだ」
「いいなぁ……。使えないのは、オレだけか……。さすがに、この青紫の眼は関係ないだろうしな」
オレは、一応ジュリアがトーマスに教えていた通りに意識を集中させてみた。
「え!? 開いた! オレにも空間魔法が!」
「え……? なんで……?」
「その眼、仙族と何か繋がりがあるということ?」
「本当に、一体何なんだろうね、その眼は……」
「アタシ、仙人が空間魔法を使えるなんて知らなかったよ……。そういえば、気にしたこともなかった……」
「ウチらは、空間魔法って呼んでるけど、魔力なんてほとんど使わないょ。これは眼の力だからね」
晴れて、全員が空間魔法デビューを果たした。
「……私の天下が、終わってしまった……」
「いや、エミリーには、これまで世話になったからな。これまで通り、移動の見張りはオレ達が請け負う」
「あら、そうなの? じゃあ、頼むわね!」
「僕は、ユーゴと『契約』しようかな」
「あぁ、相互契約をしよう」
方法を教えてもらい、トーマスと相互契約を結ぶ。エミリーとジュリアから、オレ達の荷物を受け取った。例の革袋に入った宝玉が、オレの手に戻ってくる。エミリーが中身を知らないまま持っていたことを、少しだけ気に掛けていたんだ。
「いやぁ、本当に楽だな、これは」
「人生が豊かになるね」
話は、アレクサンド達の話題に移った。
「お二人は、アレクサンドが魔人と龍族とつるんでいることを、ご存じなのですか?」
「うん。ラファちゃんと、試験通信をした時に聞いたょ」
「奴らは、魔、仙、龍、三種族の戦闘法を習得している。あの三人は、相当強いぞ。アタシ達も、龍族と仙族の戦闘法を掛け合わせただけで、戦闘能力が跳ね上がった。今は、魔族の戦闘法も習得したがな」
「そうなのね。王国内の騎士団には仙人も多いけれど、そのほとんどは人族だょ。人族は、仙術を扱うのがかなり厳しいらしいんだ。気力が持たないみたいでね」
「龍族の錬気術を習得すれば、人族も仙術を使いこなせるようになるはずですよ」
「レンキジュツ? 指導してくれるのかい?」
「あぁ。お前達や、王都の幹部も覚えて損はない。とんでもなく戦闘能力が上がるぞ」
「十日後に軍事演習があるんだょ。そこで、指導してくれないかな?」
「えぇ、オレ達は構いません。ここは、他国の抑えです。奴らが動き出したら、相手をするのは王都の騎士団でしょうから、強くなってもらいましょう」
「そんな良いものがあるなら、是非頼むょ!」
「じゃあ、十日後に、シクヨロね!」
王二人は、他の来賓達の所へ行ってしまった。本当に話しやすい王達だ。何でも気兼ねなく話せる。
「十日後か。だったら、一度レトルコメルスに行ってこようかな。その後、里長に通信機を届けに行こう。仙族と魔族の戦闘法を教えておけば、万一奴ら三人が来ても、抑えになるだろうしな。里長が、自然エネルギーを取り込んだらどうなるのか、見てみたいというのもある」
「アタシも仙神国に帰って、皆に指導してこようかな。じゃあ二手に分かれるか?」
「そうだな」
「いつも、男と女で分かれているが、たまには男女ペアで行動してみないか? 前にトーマスと一日過ごしたんだが、いい刺激になったんだ。トーマス、一緒に仙神国へ行かないか?」
「うん、僕は構わないよ」
「じゃあ、私はユーゴと一緒に行く! 奥様に治療術の新術を見てもらいたいし、魔力障害のことも聞かないと」
レトルコメルスまでは皆一緒だ。今のオレ達なら、夜明けに出れば、夕方には着くだろう。全力で飛べば、もう少し早く着くかもしれない。
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番外編①~2020.03.11 終了
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