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ススム編、第二章。《Lv255の赤ちゃんギルド》
おまけ《カフェオレ》
しおりを挟むミーン……ミンミンミンミンミー。
ミーーーーン……ミンミンミンミンミー
アスファルトが焦げ付くような暑い日差し。
流れる汗は留まることを知らず、憂鬱な心を加速させる。
これで何度目……ねこのこにはわからない……もうやだ……。
何度見てもわからない、ここはいつも出会う場所。
自動で開くドア、涼しい風が身体にそよぐ。
けれどそこには入らない。
入ってしまうと出会う事が出来なくなってしまうってこと、あの時間軸で……出会ったように、今回もまた同じ様に……繰り返す。
「ジュース……どして出てこない」
知ってる。何度も教えて貰ったから──
これは自動販売機、この世界の通貨を入れる、ボタンが光る、押したらジュースがでてくる。
ねこのこはちゃんと覚えた……でも、繰り返さないと行けないから言う。
……きた、相変わらず、凄く……変な顔。
辺りをキョロキョロと見渡してる。
この体制、結構きついから早くしろ、背伸びしてる足がプルプル……もう限界。
「喉乾いたんだぞ、飲みたいーー」
必死に背伸び、1番上の列にある、カフェオレを押してる。限界……無駄に顎に手を当てて悩んでる暇無い。
ぐぬぬ~はーやーくーしーてー!!
限界の限界を迎える頃、ススムは言う。
「ねこのこか」
うん、ねこのこはねこのこって言いたい、けどだめ。ねこのこはこの瞬間が1番好き、我慢。
約束を破って……全部忘れるススム。
ススムがねこのこの名前を呼ぶ。嬉しい。
だからねこのこは、それだけで──
またこうして……ススムの方を向けるだけで……頑張れる──
じーっとカフェオレに載る。
ねこのこそっくりなの見てる。今のうちにこそっと近寄る。
そしたら目が合う。
「ふぇ?」やぱり、照れる……
「ん?」鈍感ススムは気付かない。むぅ……
にゅぅ……とにかく! 今から、すっごい大切なこと言う、だから……ちゃんと聞く!
「ねこのこ、好き?」
すごく恥ずかしい……でも、ススムに再確認出来る、これも好き。あと……
「好きに決まってんだろ」
えへへ、私も好き!
そういって抱きつきたい気持ちを抑えるの大変。
でも……今回こそ、絶対上手くする、だから我慢。
じっと見てくる、ススムの目……相変わらずなんか卑猥。
「ねこのこ?」
けどこの時のねこのこ、まだ子供、だから子供の振りをする。
「にゅ? ねこのこはねこのこ」
コクコクと頷く。
「えぇと、ユグシルトの?」
「ねこのこはユグシルトから来たねこのこ」
コクコクと再度頷く。あとはススムにおねだりするだけ。
これはいつもしてたから得意。
自動販売機の方を向く、そして欲しいボタンを押すだけ
「あれ飲みたいのか?」
優しいススムは言ってくる。
だからコクコクと頷く、もちろんススムはジュースを買ってくれる。
ガコンッ!
♢
近くに椅子、ベンチっていう座るやつ。
ススムに案内され座る。
凄い暑い太陽、白いもわもわに隠れてくれた、いまはとても涼しい。
となりにはススム、もうねこのこのことなんて覚えてない。
でも……ねこのこのことを見てる。
なんか恥ずかしい……つい椅子の下に足をぶらぶらさせて緊張を解す。
カシュッて音がする、ススムがジュースを空けてくれた、でもこのジュース……ねこのこ、すっごい嫌い。
でも繰り返す為、ねこのこ飲まないとだから……1口だけ。
「にゅ!! ……まずい……」
やぱ無理これ……
「って……まじに出てきたよ……」
なんか言ってるけど、ねこのこはそれどころじゃないのだ!!
口の中ににがーい味が、あまーい味と交じって、ねとーーっと口いっぱいに広がってくる……無理。
なんでねこのこが嫌いなのにねこのこの絵を描くのだ!!
「こっち飲むか?」
それでこそススム!! 早く口直ししたい!!
「にゅ……! いいのか!」
訪ねながらも急ぎ取る。
「ああ、こっちのが甘くて美味しいし子供向けだからな」
知ってるなら飲む前に注意して欲しい……すすむはそういうとこ分かってない!!
ねこのこ、このせいでなんども飲んでる!!
でも
「……甘い……美味しい……じゅるり」飲めるから許す。
カチャッ!
すすむはジュースの蓋を開け、ねこのこに渡してくれる。
喉乾いてた、まずいの飲んだ、我慢の限界!!
これはすぐ飲んじゃう。じゅるり。
コクッコクッコクッ
「ぶはぁ~」うままー!!! でも……足りぬ
「無くなた」
「そか」
「足りない……」
「あっうん……」
・
・
・
ガコンッ、カチャッ!、コクッコクッコクッ
「うまかた!」喉潤った! まずい無い!
「あっうん、それはお粗末さまです?」
で、ここでススムはじっと見てくる。
いつも思う、すすむって……この時、ねこのこのこと、なんて思って見てる? もう好きなのか?
でも……それは無い。すすむはそういうの無い。
「ふぅ、じゃあ俺はそろそろ帰るな、お前は余りねこのこの振りして大人をからかったりしたらダメだぞ? 変なおっさんにでも当たったら危ないからな」
すすむ……ねこのこのこと、ねこのこって信用してない。
ばか、鈍感、ロリコン。
「にゅ?」
「ねね」
「ん?」
「……ねこのこ、みんな違うって言う」
「そりゃそうだろ、猫耳とかしっぽがあるならまだしも、ただねこのこに似てるだけの女の子が、ねこのこなわけ無いからな」
……むぅ、毎回これ恥ずかしいから、やっ!! ……でもススムだから我慢する。
帽子とる。
「耳としっぽ、これ?」
パンツ履いてない……でも仕方ない。ローブもめくる……子供のねこのこ、すごく無防備。
「……しっぽ」
……恥ずかしい、はやく信じろ!!
「ママーあれ、なにしてるのぉー?」
「シッ! 行くわよ!」「どーしてなのー!」
「もしもし……警察ですか?」
「あれやばくね?」「うっわー最低じゃん」
にゅぅ、恥ずかしい。
「って、やめ!!」やとだ……
「にゅ!?」
ようやくねこのこって認めてもらえる……
これ、すすむの記憶あったら……ぶっ飛す。
……ねこのこのこと、忘れてるって事の再確認にもなるから、すっごい悲しい。だから、叩くぐらいしたい。
♢
「……痛い……」
この世界のねこのこ……魔力がない、弱い。
ススムに引っ張られるだけで痛い。
「ごめん!! わざとじゃないんだ!!」
これは土下座、すすむが1番謝る時に使うやつ。
怒ってない、ねこのこ……手を繋げて嬉しい。
「にゅ? どしたの?」
わがまましてるのねこのこ、謝る必要ない……
「なぁ、両親とかと来たのか?」
両親……こんなことも忘れてる、仕方ないけど
「にゅ?」教えてあげたい。ねこのこの好きな人、ねこのこが生まれた理由、ねこのこの存在。でも、言えない……言ったら壊れる──
ススムに指を指す。
「……ん?」
「うにゅ」
「……まじかよ……」ねこのこ、すすむと出会う為にまた産まれた。
「って、そうじゃない。」嘘なんかつかない。
「すりすり、ちちの匂い、臭いけど好き」
こんなに好き、でもすすむは知らない。
「ってなんでやねん!!」恥ずかしい顔してる。もうねこのこ分かる。
「すりすり、臭い、けど良い」ずっと一緒にいたい。
「よしよし」でもこのススムはねこのこのこと忘れた。
でも……ねこのこはすすむ覚えてる、すすむは狡い…嘘つき
「ふにゅ~」でもいいの、今すぐに抱きつきたくなるぐらい、ねこのこは、すすむが大好きだから!!
何度も繰り返してわかった。
この世界線はたぶん正解、間違いは全部直す必要がある。
この世界線だと……ねこのこ、すすむに嫌われる……だから、怖くて、この世界は諦めていた。
でも……もうやめにする。
ねこのこ、すすむ信じる……だから──
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すごく読みやすいく楽しいです。
これからもよろしくお願いします。
ご感想ありがとうございますm(_ _)m
こちらの作品はまた作者のスキル不足で途中で断念してる作品です、いずれは続きを書きたいと思ってますので、その際はまた是非ともよろしくお願いします
新たな作品も書いてますので、良ければそちらもお読みいただけたら幸いですヾ(*´∀`*)ノ
退会済ユーザのコメントです
ご感想ありがとうございます!
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ご意見、ご報告ありがとうございます!!
一応調べて来ました、確かに役不足だと言葉として間違ってそうでした……ありがとうございます!!
調べたところ、役者不足は造語と言った形らしいので、更にほかの方の気に留まる可能性があると判断しました
なので改めて、役不足→力不足に返させていただきました!
こういった作者では気付かない細かな点、とても参考になります、これからも何かありましたら報告頂けたらとても嬉しいです
ご愛読ありがとうございます!!作者は常に全力で書いてます、褒められると凄く嬉しいです\( ˙꒳˙ \三/ ˙꒳˙)/
読者様のお気持ちにお答えできるようこれからも全力で挑みますので、よろしくお願いしますm(_ _)m