《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ススム編、第二章。《Lv255の赤ちゃんギルド》

69《???》

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ふゆふゆ~ふゆふゆふゆ~

ひなりがなんか拗ねてしまったので、抱っこして貰えず宙を浮き移動する俺である。

なんせ……「まさか、レイナがこんな数の魔玉集めてたなんてな……」

「団長だけだよぉ~レイナ、こそこそするの得意なのにバレたのぉ~」

まぁお化けだしな、こそこそするのは得意だろうが……他所のギルドの奴ら……馬鹿すぎるとしか言いようがないな。

ここはレイナの家(仮住まい)らしい、穴の空いたおおきな木だな。
黒い魔玉を集めすぎて……なんかもう、Gの卵にも見えてきて気持ち悪いわ……

「収納っと」

「ひぇ~団長はマジックなんてできるんだぁ~」

「いや、これはマジックじゃなくて魔法な、異空間収納って言って……あれ?」
ちょっと待て、今のレイナの発言おかしくないか?

「ふふん、お化けには分からんじゃろう、すすむ殿はわらわが認める殿方、マジックの一つや二つじゃな」
……あっ、ようやくレイナに慣れてきたのか?

じゃなかった……ん?

「なぁお前ら、マジックってどういうものか知ってるのか?」
おかしいんだ、なんでこいつら……突然魔法のことをマジックなんて言い出したんだ?

この世界には魔法がある、つまりマジックなんて存在するかもしれないが……わざわざ、俺のしたことをマジックなんて……

ていうか、ひなりに関しては俺は1度……いや、何度も説明……あれ?

「なぁひなり、俺はお前と出会ったのはいつだっけ?」

「突然何を言っておる、そんなもの遥か…………? おかしいのぅ……何故、わらわはそなたのことを知って」

「ひぇぇ~すすむ~遊ぼ~よぉ~」

「……は?」

ちょっとまて、ぜんっぜん状況が呑み込めない。

俺は確か、こいつらと出会ったのはついさっきで……で、イノセント・ロアーにこいつらは……なんでこいつらはイノセント・ロアーに入るなんて言ってるんだ?

そもそもひなりとレイナはイノセント・ロアーの一員……

「なんだこれ……なんなんだよ!!!!」

ギルドには今、シルマ……シルマ、なんでアイツはあんな高齢になって……ていうか、ラルフとハピナは人間程度にやられるはず……

「すすむ殿、どっどうしたのじゃ!?」

「すすむ? 頭痛いの~?」

なんで俺の手は小さい? なんで俺の身体は……俺は、俺は確か……ハルと共に……「ハル!?」

頭が痛い……記憶がまるで混濁している。

ハルはたしか……なんでハルを思い浮かべると……

「そうだ……お前ら、ねこのこはどうしたんだ、確か俺達は……決戦に出たはずだ……」

魔力のコントロールすらままならず、地に落ちる身体。

「ねこのこ……? それってすすむが言ってた、魔王になった女の子の事だよね?」

「そなたは何を言っておるんじゃ? ねこのこと言う娘はそなたがトドメを刺したであろう?」

「………!? なっ!! そっそんなのありえねぇ!!! なんで俺がねこのこを殺すんだ!!! 俺はアイツを……アイツを救うために……………あれ? 俺……何言ってんだ? ねこのこってあのうざい……勇者をサポートする為の……」

もう訳が分からない。
そんな折にそれは聞こえてくる。

──警告、警告、世界に歪みが生じました。

──警告、警告、魔王の魂を確認しました。

──警告、警告、再び世界をリセットし、再構築します。

「………………思い出した……」

まだ頭の中に激痛が生じている。だけど俺は思い出したよ。

「まさか……俺の身体の中にいるなんてな」

世界がまるでノイズの走るテレビ画面のように崩壊を始めた。

そんな中、トンっと音もなく現れるのは小さな青髪の少女。

俺はこいつのことをよーく知ってるよ。

「ちびねこ、まだまだかかりそうなのか?」

「……うん、ごめんなさい……」

「はは、お前が謝ることじゃねぇだろ、それに……1番辛いのはお前だしな」

「……でも、少しは上手く行き始めたの、だって……今回、初めてだよ……すすむがねこのこのこと思い出したの……」

ぽろぽろと涙を零しながら、小刻みに震える身体を小さな手を握り必死に立たせている。

「そうか、なら……こうして喋るのはいつぶりになるんだ?」

「……分からない、わかるのは……」

──間もなく30224回目のリセットを開始します。

「……俺にも聞こえたわ、お前……こんな回数、人生を……俺達のために繰り返してるのか……」

こくりと、ただ下を向いて頷くねこのこ。

そしてねこのこは言った。

「ごめんなさい……ごめんなさい……ねこのこ、ねこのこ馬鹿だから、すすむも、はるるも、イノセント・ロアーのみんなも、何回も何回も……死んで、一杯辛い想いをさせちゃってごめんなさい……ねこのこ、悪者なのに、みんな良い人なのに!!」

こればかりは俺も怒鳴ることが出来ないな。

たった一度の人生でも大変だってのに、こいつはそれを……そりゃ自分を責めたくもなるってもんだ。

だけどな………

「にゃ!!?」

俺は小さく震える身体を、ただ黙って見てられるほど漢じゃないからな。

「お前が辛いのは分かってる、もうやめたいって気持ちも痛い程わかる!! 俺はお前が好きだ!! 大好きだ!!」

「……!? す……すむ!? そっそんなのはじめてきい……」

「いいから今は黙ってきけ!! 時間が無いんだ!!」

世界の崩壊はねこのこ以外の全てをデリートする。

そして……俺はわかってしまった。
だから……この想いを、ねこのこに対して重荷になってしまう、けれど……伝えてしまったんだ。

「俺だ……」

「ふぇ?」わかってない様子のねこのこの肩をガシッと掴み、俺は目をしっかり見つめて言う。

「歪みは俺だ……俺の中に、禍々しい魔力を感じる。魔王達はどうやら、俺の中に居れば大丈夫だと考えたんだろう、それはつまり、お前にとって……俺が、1番殺せない……そう判断されたってことだ」

「!? 何言ってるの!? ダメだよ!! ダメ!! そんなの嘘!! 嘘だもん!! ねこのこ……絶対見つけるから、絶対……すすむじゃないから……そんなの……やだよぉ……」

俺の目の前で膝から崩れ落ちるねこのこ。

「……ねこのこ、俺は……お前の事が好きだ、それは何回生まれ変わっても変わらない……だからこそ、俺はお前に幸せになって欲しいんだ……」

「…………やだ、やだ……もう言わないで!!!」
座ったまま、俯いたまま怒鳴るねこのこ、けれどこれは俺の使命なんだろう。
こんな辛い人生なら生まれてこなきゃ良かった。

とは俺は思わない。

なんせ……お前に出逢えたからな、そしてこの記憶もきっとこの世界がリセットされた時……お前の中へ──

でも、だからこそ……はっきりと口に出して伝えたい。

「俺を殺すのはお前だ!! 絶対にだ……俺は……お前以外には殺されたくない、せめてお前の中で眠らせてくれ……今は無理かもしれない、次も無理かもしれない……でも、いつか……必ず、お前が俺の事に飽きる程、俺の事を見た後でいい……たのんだ……ぞ……」

「ふぇ……」

俺は最後にキスをした。

柔らかな唇には熱い水がこぼれ落ちてきた。

ハルの言った通りだったよ……ねこのこは、俺がキスをむりやりしたってのに怒らず、むしろ抱きしめてくれた。

それだけで俺は、この生にもう……悔いはない。

ねこのこの腕の中、霧散し消えていく肉体。

本当にごめんな。
また俺は、お前を泣かせたままお前の元を離れてしまう。

こんな出来の悪い男のことなんてさっさと嫌いになって、お前はお前の幸せを……見つけて……くれ。

「……すすむ……そんなの、嘘、すすむの心、すすむの気持ち、すすむの想い、すすむの……変な……えちな欲望、全部全部貰ったよ、貰ったから……だから大丈夫、ねこのこはまた何度だって、すすむとはるると、イノセント・ロアーのみんなと、幸せに生きられる世界を見つける!!!」

広がったノイズは世界を飲み込み、崩れ落ちた世界はねこのこへとまた帰って行った。

そしてまた

「今度はすすむと……仲良しの世界がいいな」

世界は構築されていく。


♢


《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語。

これにて一旦完結です。

ちなみにまた別の小説にて、本編であるねこのこ編、様々な仲間達の話しも書く予定ですので、見かけましたら、ブクマ、感想などなどよろしくお願いしますm(_ _)m

こちらにて続編を出した際ご報告致しますので、続きが見たい方はブクマを外さない、もしくは作者フォローにてお待ちください。

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