《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》

25《はやくたおせ》

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舐めておった……

考えが甘かった。

まさか、現役とはまだ遠いとはゆえ、この儂が──

♢

とても深い森、地面には紫色した毒の沼。
生き物達はその身を犯され骨と化し、その身を森の栄養へと変えてゆく。
踏み込むなかれ、触れる事許さず。
それが、ゲームの設定でも言われる吸血の木から零れる毒沼である。

ばしゃーーん!! どばーーん!! ばっしゃばしゃーー!!

だだだだだだだ!! どどどどどどどど!!

「とっとことことことことことことことーーーー!!!!!」

「まーーてーー!!! まてまてまてまて!! このばかねこー!!!!!!!」

なんでこの猫!! 毒沼に入っても、毒沼の水しぶきを浴びても平気なんだよ!!!???

「へ?」

ずさーーーーー!!!! 多分俺の声に反応したのだろう。
ものっすごいスピードの最中、突如の急ブレーキ。

そして何故だろう「にゃ」そんなやっちまった、みたいな反応の声が聞こえたのだが……どうして俺は──

「《ウィンドアクセル》!!!!! 全っっっ開!!!!」

ぼふんっ!!!!! っと風が壁にぶつかる音がした。

……この世界来て初めてかも、本気で死ぬって思ったの……目の前には壁、地面には毒沼。

「おーまーえーはーばかかぁーーーーー!!!!!!」
叫ばずには居られなかった。
遠く離れたねこのこ、絶対聞こえてるはずだよな。

耳をぴくぴくっとさせ、鼻をくんくんさせ、まったく俺の事を眼中にないような態度をしている。

やばい、さすがに今回は我慢の限界だ。
言ってやる!! 言ってやるぞ!!

「お前なんて………大っ……へ?」
叫ぼうとした直後、ねこのこは俺の方を指さしている。

「ちち、うしろ」

「?」よく分からんが指をさされると気になる背後、俺は振り返ってみた。

「………………………………ノーーーーー!!!???」
なにこれもういや!! 心臓幾つあっても足りないんだけど!?

そーっと振り返る俺の視界、緑色した何かの足が見えた。
更に上を見上げてゆくと、なんでだろう……やたら見覚えのある巨大な生物がそこにいた。
「それで殴るの?」
巨大な二本足で立つ生物が、そんなものあなたには必要ないでしょ? と、言いたくなる狂気じみた巨大な棍棒を振りかざしている。

そしてそれは、ビビる俺を嘲笑うかのように振り下ろされた。

「《ウィンドアクセル!!!!》」

ミリ、いや……掠ったな。
ばっしゃーん!!! と振り下ろされた棍棒により毒沼は噴水のように弾けた。

「《ウィンドウェア》」
風の護りにより、毒沼を吹き飛ばす。

……ていうか「なんでオーガが居るの?」

と、ねこのこに訪ねてみたんだけどな。

「ねこのこ知らない、はは、心配してた、ちち、早く倒せ」

……こいつ、美少女だからって調子乗りやがって!! いつか絶対泣かせてやる!!!

突然の対面で驚きはしたが、所詮はオーガ、ゴブリンでかくした程度の魔物に負ける気は無い。

手を前にかざす。
「……この、微妙なかすり傷が1番風呂の時とか痛いんだからな!!!」怒りを叫び、叩き込む!!

「《ウィンドガン!!》」

怒りの一撃。ちょっとやりすぎたかもしれない。
オーガ諸共、俺の直線上にあった木々は吹き飛び、森に1本の道を作り上げてしまったようだ。

「ちち、ださい」

「なっ!? なんだよ!! たったしかに……魔力は使いすぎたけど……倒せたんだしいいだろ!」

「だめ、ださい、ちゃんとしろ」

「……はっはい?」何故俺が怒られてんだろ……

いつの間にか俺の付近に立つねこのこ、確か……地面は毒沼だった様な……

「えっと、まさかそれ……ウィンドウェア?」

「うみゅ、ねこのこ、ちちより凄い」

「……ぐぬぬ、たったしかに……」反論の余地なし。

「ちち、強くあれ」どこから目線!?

でも確かに、ねこのこは毒沼の上に僅かに浮いている。
そして毒沼の水しぶきも完全に防げるように、全身に皮膜程度の薄さにした濃い風の魔力を纏っている。

……俺、さすがにあれは真似出来ない気がする……

勇者より才能豊かなサポートキャラって、なんだろ……ユグシルトオンラインにはガチャ要素でも追加されたのかな?

そして俺は見事に最高レアを引き当てたって事か……

「へ?」「ちち、おそい」「!? やっやめろーー!!!」
俺の両足を再度がしっと捕み、容赦なく毒沼の森を駆け抜ける。

……いやこれ、絶対最高じゃなく、最凶レア当てたと思うわ。

なんせこいつ……俺にこんな扱いしてるけど、俺の事心配して来てくれたのかなーなんて可愛げがあればまだいいが……

たぶん、俺を心配してたら料理を作れないだろう母さん、だからこれは……自分の飯のことを考えて最速で依頼終わらそうとしてるだけっぽいからな。


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