《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》

26《きもい!》

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俺は思ったんだ。

ずどーーん!! どかーーん!! だだだだだーーーん!!

この出てくるオーガ共が次々に飛んでいく姿を見てさ。


……これ、俺って必要?

まさに駆けぬけるを体現してるねこのこ、止められる者なんているのだろうか、オーガどころか木々すら吹き飛ばしただ一直線に走っている。

……これが、同じ魔法とは思いたくないな。

自身の身体と俺の身体を最低限の魔力で練り上げたウィンドウェアで護りつつ、更に最低限の魔力で倒す為だろう、出てくるオーガ、邪魔な木々、毒沼に至るまで、ウィンドガンを圧縮し、まるで水鉄砲から出て来たような豆粒な魔力で撃破していく。

……これはもう才能でしかどうにもならないだろ。

「うぁ!?」

ずっさーーーーー!!!! この突然の急ブレーキ……本当に心臓に悪いからやめて欲しい。
でもまぁ今度はしっかり俺を離さなかったことは褒めてやろう。

「えらいえらい」

「にゅ!?」ん? 珍しいな……ねこのこが驚いた?

と、思いきや「ぽい」「いてっ……なっなぜ投げた!?」結局投げられたという……全く意味がわからん。

「……すす……む……ちっちち、が!! きもいから!!!」

「……!?」ガーーーーーーン……どうしよう、なんか普通にショックなんだけど……
普段のあの素っ気ないねこのこならともかく、なんか本気で嫌なのか顔を赤くして泣きそうな顔で言われると流石に傷付くんだけど!?

「えっと……まじで?」

こくこくと頷くねこのこ。

……この、美少女の無言の返事ほど辛いものはないと思う。

「……ちち、さっさと依頼、する!!」
さっき大嫌いとか言いかけた俺だが、もしかしたら俺ってば意外とねこのこが好きなのかもしれない。

なんせ、洞窟を指さすねこのこだが、俺はなんか今、すっげぇ無気力になってるんだからさ。

「あのさねこのこ……ほんとにきもいか?」

こくこくと、2度聞こうがこの返事しか帰ってこない。

まぁ確かに、2歳の赤ちゃんがこうもぺらぺら喋って、空飛んで、しかも生意気だったらキモイだろうけど……
あーー傷付いた、もうこれはあれだ……さっさと依頼終わらせて、絶対俺をキモがらない美女、母さんの胸で泣くことにしようそうしよう。

「……そうと決まれば、本気で行くかな」

俺はねこのこに連れてこられた洞窟へと足を踏み入れる。

♢

ここからは俺にやれって言うのか?
ねこのこは俺の後ろからついては来るが、魔物が出ようが罠があろうが手を貸してくれる様子はない。

……ほんと、何考えてんのか全然分からないんだよな

猫は自由奔放な性格と言うが、本当その通りだと思うわ。

そういやねこのこの魔力の使い方、上手かったよな~
ちょっと真似しよ。

常時発動してるウィンドウェア、少しずつ魔力を削いで……
と、何となく試していると、ねこのこが気付いたのか言ってくる。

「ちがう、小さくしない、おっきいまま」
ん? ……もしかして、これってアドバイス?
いつも憎まれ口しか叩かないねこのこが? ……なんか似合わねぇ~
とかおもいつつも、アドバイスはしっかり取り入れる。

たぶん小さくしないってのは魔力の事、俺はウィンドウェアを維持する風を削ろうとしてたんだが……おっきいまま、つまりこのサイズのウィンドウェアをどうにか魔力を削らず小さくしろって事なんだろ。

「あれ……?」

「ちち、できた、えらい」
をを、珍しく褒められた。
ていうかなんで出来たんだ? 身体が覚えてるような感じ、普通にできてしまったから驚きだな。

「あっありがと……」どうしよ、ねこのこに素直に褒められるとなんか照れくさい。

「ちち、まえ」「ん? ……!?」
何故こいつはこうギリギリになってようやく言うんだよ!!

浮かれて気付かなかった俺も悪いが、目の前にはオーガが4匹、俺に向かって遠くから棍棒をぶん投げていた。

飛んでくる棍棒、避けられる……が、どーせなら……やってやる!!

どーせやり方は同じなんだろ? 
ウィンドウェアが出来たからだろうか? なんとなくその感覚がウィンドガンにも適応すると感じたんだよな。

だからオーガ達の出現、なんだろう。驚きよりも少しワクワクした自分を感じた。
あの、ゲームで新しい技を手に入れた時の感じ、魔物相手にぶっぱなしてみたい、そう感じる気持ち。

「魔力は多く、けど小さく留め……ぶっぱなす!!」

《ウィンドガン!!》

ドゴン! ドゴンドゴンドゴン!!

洞窟が崩れるんじゃね? と一瞬音に焦ったもののだ。
パラパラパラパラと、音を立て岩壁に突き刺さる4つの棍棒。

「すっすげぇこれ!!」

「ちち、下手」……こいつ、喜んでるってのにまたしても憎まれ口を……
と思ったらぴょーんとねこのこが飛んでくる。

「なっ何するつもりだ!!」
条件反射で焦る俺にねこのこは頭にさっと手を伸ばしてくる。

「でも、じょうでき、えらいえらい」

「なっ!?」くっそ!! 不意打ちは卑怯だろ!!
顔が真っ赤になってるかもしれない。……いつも無表情の奴が、いきなり笑顔は反則だろ!!

「みてて」「へ?」

ねこのこはそういって指を前にかざす。
そしてタイムロスも無く放たれるウィンドガン。
音もなく殆ど無動作、だと言うのに遠く離れたオーガのど真ん中をいとも容易く貫き吹き飛ばした。

「…………にゅ!?」「へ?」なぜ驚く?? 見てろって言ったのは……ねこのこ……!?

「がっがぶ!!!!」「ぎゃぁああーー!!!!」
いや、確かに見てろって言われてかなり至近距離に近付いた俺も悪いかもしれない。けどさ!!

「鼻を噛むのは反則だろ……!!」

「ちち! きもい! わるい!!!」

いや、言葉は言葉で傷付くからやめて!?

どうやらねこのこ、ねこのこから近寄るはいいけど、俺から近寄るはNGらしい。
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