《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ススム編、第一章。《Lv255の赤ちゃん爆誕》

27《キビトの洞窟》

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そういや俺ってば……今回の依頼、ゴブリンの洞穴に攫われた人達の救出に来たんだよな??
さっきからゴブリンも確かに出てくる……けど、このオーガの異常な量はなんなんだ??

そもそも、ここは洞穴でなくオーガが普通に歩き回れる程に大きな洞窟、それも数時間進んでも攻略できないほどに深い。
……これって、依頼内容と違い過ぎてるし、破棄可能だよな? なんでおれ……

「ちち、はやくすすめ」

「あーはいはい」

うん、俺にそんな権利はなさそうだな。有無を言わさず依頼しろって言われるのが目に見えてる。諦めよう……

♢

洞窟の形状、俺ここ見覚えあるなーと進んでいる。

んーまさかとは思うが、ここって……キビトの洞窟? 
確かストーリーの中編ぐらいに出てきた気がするけど……大体がクエスト連打のオートプレイで倒せてたせいで、あまり覚えてないんだよな~
中編の終わりぐらいの敵は手動も必須だったもんだが、まぁどのゲームも最初はこの程度、だから気にしてもいなかったが……もしここがキビトの洞窟だとするなら、もう少し真面目にプレイしてたら良かった……

それに、一つ気になることもある。

……予想が当たらなければいいけど

嫌な予感を胸に、やはり思ってる通りの出来事が次々起こる。

広い部屋に無数のゴブリン兵士が居たり、突然空いた天井からオーガが不意を付いてきたり、更には毒矢のトラップ、偽宝ギミック、トドメにはわざわざこの洞窟をクリアしたあと、オートプレイだと取り逃す魔導書《エスケープ》が見つかった。

……間違いないな、完全にここ……キビトの洞窟じゃん。

つまり、もしかしたら俺のこの嫌な予感が当たるかもしれない。
なのでねこのこに相談してみる。

「ねこのこ」

「どした?」

「この洞窟、もしかしたらヤバい奴が出てくるかもしれないんだが……やっぱり引き返さないか?」
と、進みながら後ろを歩くねこのこに訪ねる俺だったんだけどな。

ねこのこは俺の方へ指を指す。

「もう手遅れ、やばいやつ居た、ちち、頑張っ」

「へ?」

ねこのこが指を指す方向、何故か開かれた大扉はボス部屋の証なのはユグシルトオタクなら誰だって知っている。
違うとこがあるとしたら、扉前にある筈のセーブポイントが無いくらいだろう。なんせこの世界にセーブなんて機能は無いからな。死んだらバッドエンド、それで終わり。

「……って、まじかよ……」
先程手に入れた《エスケープ》洞窟等から脱出できる魔法なんだがな……ねこのこはまぁ、残して逃げても、多分余裕で出てくるからいいとしてだな。

俺の目の前の開かれた大扉向こう。

俺の視界に映るのは、何体いるんだ? ってぐらいのゴブリンどもどもと、更にオーガがたっくさん。

でまぁ……そのど真ん中だな、何故あのおじいさん……あんなとこに居るんだよ!!
1人なら無視して逃げてもいいが……さすがにねこのこの前でそれしたら一生なんか言われるじゃねぇか……ていうか、おじいさんの向こう側、やたらと豪華な椅子に座るあれ……絶対あれだよな。

「ねこのこさん?」
手伝ってくれる? あわよくば倒してくんないかなぁ~なんて淡い気持ちを込めてお願いしようと思ったんだがな。

「ちち、勇者、いけ」
そんな事言う暇もないほど、ねこのこの言葉は早く手厳しい。
つまり……お前は勇者だろ、倒してこいやって言いたいんだな。
でもさ……勇者っていうなら、もう少しこう……勇者さま~って、どこかのグルグルしてるアニメ見たいに、性格も可愛いヒロインになってくんね? モチベぜんっぜんあがんないよ?

あっねこのこって、勇者のサポートキャラであってヒロインではないのか……俺のヒロインって存在するのかな?

なんて、現実逃避してる俺の背中に感触がした。

「ちち、おそい」

「へ!?」

ずっさーーーーーー!!!!

「…………………………うん。」

流石サポートキャラ背中を押してくれたのね?
おかげさまで俺、現在おじいさんの横にドサッと転んでます。

ギロりと睨む視線、周りの魔物共が襲ってこないことからして、魔物を支配する存在なのは明らか……

「お前、何者だ?」

はい、かんっぜんに嫌な予感的中ッスね!

紫色の髪、魔物特有の真っ赤な瞳、見た目は人間の青年ってぐらいだが……身体から漏れ出てる異様な魔力が物語っている。

このお方はアレです、魔王の幹部様ですね……うん。

……名前は確か、魔王の幹部、鬼を率いる者《キビト》……そう、この洞窟の名前……この魔王の幹部の名前だったりする。

ちなみにだけどな、ゲームだとな、ここ……確定で負けるイベントなんだよなぁ~俺、死んだかも、うん。

「……お主は……先程の、まさかわしを助けに……」
いや違う、あわよくば逃げようとか考えてるから、そんな俺を救世主みたいな目で見るのはやめてくんない?
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