《ユグシルト・オンライン》最強データから始める俺の異世界最強伝説!!──ではなく、Lv255の赤ちゃんに転生した俺の異世界物語

散歩道 猫ノ子

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ねこのこ編予告、第一章《偽りのねこのこ》

01《幼き日の記憶》

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今でも思い出す。
ちちと出会ったあの日、ねこのこはまだねこのこじゃ無かった。

どこにでも居る普通の人間の女。

小さな私の目の前には、私と同じ赤ん坊だろう。
泣き喚く1人の人間の男が居た。

同じ日に産まれたらしい。

ただそれだけ、それだけの事だと言うのに……私とその子は毎日毎日楽しく暮らしたんだ。

「ねね、ススム、ススムって勇者なの?」

「ゆーしゃ?」

成長速度の違いは明らかだった。
ススムは勇者の家系、私は……魔王と呼ばれる家系。

私は生まれながらに過去の魔王達の記憶があって、勇者であるススムにはそういったものが無かったから当然。

でも、私はそれでも毎日が楽しくて仕方なかった。
だって……たとえ魔王達の記憶があっても、私はまだ産まれたばかりの子供で、同い年の男の子とこうして、他愛のない生活を送るのがつまらない訳が無かったんだからね。

けれど、楽しい毎日というのは……過ぎていくのはあっという間だった。

「ススム、おままごとしよ!」

「えーやだ! 僕は勇者ごっこがいい!」
4歳にもなれば、ススムは女の子の遊びを嫌がったっけ……

「ススム、遊ぼー!!」

「ぼっぼくは男の子なんだから、女の子とは遊ばないよ!」
6歳ぐらいで私を拒み出した、ショックだったのは今でも覚えてる。

「ススム、私よりもおっきくなってる!」

「ふふん、なんだって僕は勇者だからね! 沢山食べて大きくなってみんなを守れるように強くなるんだ!」
8歳、ススムに身長抜かされたっけ……このぐらいから、なんか意識しちゃったんだよね。

「ススム、どこに行くの?」

「学校だよ? 僕は勇者になるからね、魔法を習って悪者をやっつける強さを身につけないとなんだ!」

…………ススムは何も知らない。私だけが知っていたんだ。
けど、私は言えなかった。だから聞いた──

「ねぇススム、もしも……私が、怖い想いしてたら……ススムは助けてくれる?」
言えない秘密、遠回しに聞くしか無かった。

「……?」どういう意味だろ? 悩んだ後ススムは言ってくれた。

「何言ってんだ? 僕は勇者だぞ! 友達が怖い想いしてたら助けるに決まってんだろ!! 変なこと言ったら怒るよ!」
その優しい言葉に……つい泣きそうになって、でも泣くのを誤魔化そうとついこぼした本音。

「……じゃ……じゃあね、もし……私がすっごい悪い子になって、でも……悪い事はしたくなくて、でも……悪い事しなくちゃ行けなくて……」
どう言葉にしたらいいか分からない。
熱くなる目柱、思考が渦を巻き何も定まらない質問。

でも、そんな私に、ススムは言った。

「僕は勇者だぞ! 何があっても助けるったら助ける!」
とても優しいススムの言葉、けど魔王達の記憶がある私にとっては……そんなのもう……子供の言う夢物語にしか聞こえなくなっていた。

「……無理だよ、もし私が……ススムより強かったら、ススムは負けちゃうもん……」
なんか悲しくなってきて、ボロボロと零れる涙と共に本音がこぼれ落ちてしまう。

けど、そんな私の肩をガシッとススムは掴んできた。

「大丈夫!! そしたら僕はもっと強くなるから!!」

「それでも勝てなかったら?」

「大丈夫!! 負けても勝つから!!」
……全く意味がわからない。でも……これがススム。

「なら、私がススムの足を壊したらどうするの? もう……私の元には辿り着けないよ……」

「そんなの簡単だよ! 身体うねうねさせて近付くもん!」

「なら手を壊したらどうするの? もう剣を握れないよ?」

「大丈夫! 口で剣を咥えてでも助けるから!」

「なら……目を壊されたら……」
どこまでも、魔王達の記憶が私を不安な気持ちにさせた。

けど、そんな私に……ススムは──

「ふぁ!?」抱きついてくれたんだ──

「もううるさいうるさい……うるさーーい!!! 助けるったら助けるの!! 僕が勇者になるのは……えと、その……あれ、あれだ!! 大好きな友達をねこのこを守りたいから……なんだから!!!」

「!!!」
2人で真っ赤に染ったあの日、私はあの日……ススムの事、本当に大好きになった。

でも……時と言うのはとても残酷で、時と言うのはとても上手くいくものでは無い。
それは、魔王達の記憶があった私は分かってたことで……でもその日が来るまで、どうして私は……
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