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ススム編、第二章。《Lv255の赤ちゃんギルド》
67《透明化》
しおりを挟むなんだかんだで中位ランクアップクエストも最終日。
俺は正直、なーーーーーんにもしてないが……こいつらが無駄に戦いまくって魔玉を集めまくった結果、確実に今回のクエスト1位だろう量が集まっている。
「本当にいいのか?」
「はい! これはすすむ様がお持ちください、我らは皆、今回のクエストが終わり次第すすむ様のギルドへ移動しますので、むしろ受け取ってもらった方が今後の為になります」
てなわけなので、俺ってば今回のランクアップクエスト、何もせずとも1位の座を手に入れられそうだ。
念の為と魔玉を中央に森の中でも広く設けられたスペースに拠点を構えている。
ここなら見通しがいいから、どこから敵が来ようとも対応できるってもんだからな。
それに俺達には占い師がいる。
先を読めるのは正直かなり上手く立ち回れるから、もう勝ち確ってもんだ。
どれ「ひなり、1度占ってくれないか?」ここでしっかり勝利の確信を得ていようと思う。
「そなたの頼みとあれば、何度でも占うのじゃ!」
あっちなみに俺以外からは金とるらしい、赤ちゃんの俺ってば母さんから貰う小遣いぐらいしか持ってないから、正直助かるってもんだよ。
「ぬぬ……ぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」
俺思うんだけど、なんで占いする人ってやたらぬを並べんだろうな? これって占いに関係あったりするのか?
「……見えたのじゃ!!」
えっと……あれ???
「それって俺にも見えるんだな……」
「何を当たり前のことを言っておるんじゃ? 水晶に特殊な魔力を通し見えるようにしてしまえば、誰でも見ることが出来て当然じゃろう?」
いや、俺の前にいた世界だと、基本的に占ってる人がなんにも写ってない水晶みて独り言ボヤき出すんだよな。
……まぁ嘘か本当かは知らん、ちなみに俺は信じないタイプ。
でもここは異世界、未来を見通す力なんて普通は眉唾物だが……魔力なんて意味わからんものもある、ありえてもおかしくはないって訳だな。
「んーと、これは俺か?」
「なにか探してるみたいじゃの~」
「まぁそれは見たらわかるが……なんで俺、1人なんだろ」
「んー……………………………」
と、ここでご報告があるのか、女狐親衛隊の団長さんがササッと現れ膝を着いた。
「すすむ殿!! 大変です!! 魔玉なのですが……いつの間にかなくなっており……盗まれてしまいました!!!!」
「…………………………あっうん、そういうことだったのね……」
これまた早い回収で……占いって遥か先まで見通すイメージだったが……
「1人のが動きやすいから、俺は1人で探しに出たってわけね」
「うむ、流石は妾の認める殿方!」
「はぁ……」ため息が出るわ。「仕方ない……」
「我らも探します!! すすむ様にはお手を煩わせてすみませんが、時間もありません、お力添えお願いします!! ではっ!」
「あっ……」
行ってしまった……
「どうしたのじゃ、そんな手を伸ばして」
「いやさ、あいつら……犯人の目星はつけて出てったのかって思ってさ」
「犯人の目星とな? いつの間にか盗まれていたと申しておったし分からぬのではないか?」
はぁ……唯一まだ頭の方がマシそうな、ひなりでこれだと……多分あいつら全員に期待するのはやめた方が良さそうだな。
何故犯人の目星、なんて思うやつもいるかもしれないが、考えてみ……魔玉は開けた場所のど真ん中、数十人が見張る拠点にあったってのに……いつの間にかなくなったなんて、普通は有り得ないだろ?
だからまぁ、普通はまず現場検証からするもんだよな。
「ここに置いてたのか?」
「うむ、妾にそう嬉しそうに黒い玉を見せてきておったが、あれが魔玉というものだったのじゃな」
……こいつ、何しに来たんだろ? まぁいいけど……
「んーでも」
もしかしたら地面から。なんて思ったんだが違うな。地面に穴は空いてないし柔らかくなってる節もなし。
「このギルドって感知系の魔道士はいるのか?」
「あやつらは自身の能力を何故か妾に晒すのじゃが、そういった特技は聞いたことも見た事もないのぅ」
「あっそうなのね」
……強さの誇示をしてるんだろうが、ひなりの心には届かずなんだな……どんまいとしか言い様がないわ。
まぁ今はそんな事より、これで盗んだやつの能力は分かったな。
「相手は透明化能力の持ち主なんだな……まぁ念の為に聞いておくが、ひなり……透明化能力を持つ団員は?」
「聞いたことないのぅ」
「そうなのね……つまり」
俺はそう言いつつ足元へ魔力を集中する。
そして指さして言う。
「そいつが犯人だな」
「……? 誰もいな……なっなんと!?」
驚くひなりだが無理もない。どうやらこいつらは近くすら魔力で感知が出来ないみたいだからな。
透明化能力、たしかにすごい能力であるがこれには欠点がある。
それは常時感知を行なっている奴には全く意味をなさないし、更に言うなら……透明化してるだけであって、匂いや存在はそこにあるってことだな。
あとはまぁ……
「ひっひゃわわわわわぁああーー!!!」
地面から魔力を這わさせ、足を掴み一気に突き上げ宙ずりにし捕獲した。
透明化能力の最大の欠点は、透明化中……魔力と名乗つく全ての行動が抑止されてしまうとこだよな。
「でっできごころだったのぉーー!!! 殺さないでぇーーー!!!!」
「いや、殺したら失格なるし……別に殺さないが……」
なのでまぁ、透明化を解除する間を与えず、突然仕掛けるとあっという間に退治可能って訳だな。
ちなみにこれは、イタズラお化けって言う、ゲームの序盤に出てくるイベントで培った技術、人間に使うのは初なのだが……
「透明化って……よく考えたら、人間が使えんのか?」
「そっそなた!! その者は……」
何故かぶるぶる震えているひなり、今胸に飛び込んだらいい感じかもしれない……そうじゃない。
「……おかしいな、なんで透明化は解除されてるはずなのに……まだ半透明化してんだ?」
「ひぇぇ~わっわたしは、レイスと人間の間に産まれた、半霊体だからぁ、これはわざとじゃないからおろしてぇーー!!」
ん? 半霊体……えっと、レイスと人間の間に産まれた子供?
「なんでお化けと人の間に子供が出来んだよ!?」
「しっしらないよぉーー!!!」
またなんか、変な奴出てきたなぁ……
にしても
「ひなり」
「なっなんじゃ!! わっわらわはなにも悪いことしてないのじゃ!! 食べないでたもぉーー!!!」
こいつ、お化け苦手属性でもあったんだな──
……うん、なかなかいいじゃないか
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