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涙のハトぷっぷ〜
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しおりを挟むでも育児は始まったばかり。
オムツを裏表反対に着けておしっこでびしょ濡れになったり、ミルクを飲ませてゲップをさせる背中ポンポンを忘れて吐かれたり。
四苦八苦していると、2件のバイト先から電話があり、このまま休み続けたらクビにするしかないと言われた。
残りのバイト先も同じ理由でクビになるだろう。
クビになったら新しい面接とか手間がかかるし、子連れじゃ無理。
頭を抱えていると、玄関から激しいノックの音がした。
ドアを開けると、紫色のスーツに太いゴールドのネックレスをしたスキンヘッドが立っていた。
大柄で眉毛の無いイカツイ顔をした、昔のヤクザ風の男。
「おい、お前んところのユリコは何処へ行った!」
「え? 何でユリコがいないことを知ってるんですか?」
「返済がねェんだよ! ホストクラブの! 今直ぐ払え!」
「ホストクラブ?」
「お前が旦那の川谷康輔(かわたに こうすけ)だな」
「は、はい、そうですが」
「これを見ろ」
ヤクザ風の男が紙を広げて俺に見せる。
紙は借金の借用書だった。
借主であるユリコの印鑑と連帯保証人として俺の実印まで押印してある。
日付は3か月半前。
ユリコがパーツモデルを始めた少し後。
更にもう1枚紙を見せられ、ここ4ヶ月近くの間、ユリコがツケでホストクラブで飲んだ際の債権をこのヤクザ風の男が引き受けたという。
債権の金額は、トータル二千万。
何い!?
ムリムリムリムリムリ!!
何でこうなる?
ただでさえピンチなのに!
考えろ考えろ考えろー!
べ、弁護士だ!
「二千万なんて無い! 払わん!」
「ダメだ! 許さん!」
「どうせ闇金だろ! 出るところに出ればアンタの負けだ。弁護士立てるぞ!」
「ああウチは闇金だ、弁護士立てたきゃ立てろ! なるべく優秀な弁護士を選べよ!」
「は? ヤミ金は違法だぞ、アンタ裁判に勝てる訳ないだろ!」
「仮に負けても必ず取り立てる。何が何でも! 絶対に! キッチリと! 全額な!!」
ええ? ウソ~ん!?
ユリコのデンジャラスな行動は普通の地球人じゃもはや太刀打ちできねェ。
赤子と俺を捨て、借金まで作って蒸発。
最後の最後に超新星爆発(星の死)を喰らった。
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