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おまけ 眠り姫を起こすには ※
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とん
軽い音を立てて、竜の背から飛び降りた。
ゴツゴツとした岩場に着地すると、俺の到着を待っていたのであろうレイが、手をぶんぶんと振りながら走り寄ってきた。
「ライ! おかえりなさい!」
「あぁ」
そう告げた吐く息が、微かに白く染まった。肌に感じる温度も、引き締まるように冷たい。もうじきこの山間にも白い雪の訪れがあるだろう。
ここほどではないが、昨晩までいた王都にも例年にない寒気が流れてきていた。
常春のように年中を通じて温かかったアルストロメリアはもうない。あの国には、これまで経験したことのない冬が来るのだろう。
「セラはどうしている?」
「あぁ、また寝てる。今回は3日前から」
竜の背に着けていた荷物を降ろしながら、レイはどこか気まずそうに、そう言った。思わず自分の眉間に皺が寄ったのを感じる。
「今回は?」
「わっ! 俺に殺気向けないでくれよ! ……ライがいない間に、眠り姫になるのは2回目かな。前回は2週間くらい前だよ。その時は丸2日間くらいだったけれど」
「――そうか」
「ずっとリンがついてるよ。俺もリンが休む時に交代でついてる。変わったことはなかったよ。そっちはどうだった? 相変わらず落ち着かない?」
「収束には程遠いな」
女神の加護を失ったことに、民衆も気づき始めている。気候が乱れ始めてるからなおのことだ。穏便になんて生ぬるいことを言っていた革命軍側が悪い。
「あれ? ライ、里長への報告はー? また怒られるよー!?」
そして俺はレイの声を無視して、そのまま自分の邸へと急いだ。
◇◇◇◇◇
「――あぁ、戻ったんですね。ライ」
俺の姿をみとめると、寝台の脇に置いた椅子に腰掛けているリンが微笑んだ。
赤茶色の髪を頂きに丸くまとめ、レイによく似た大きな丸い目を細めていた。
こうして出迎えてくれるのが、愛しいセラではないことに、胸のなかに渋い思いが広がる。
「あぁ。セラは?」
「よく眠っています。息しているのか心配になるくらいに、深く。でもさっき寝返りを打ったから、そろそろ起きるのかもしれません。ライが帰ってきたのが分かるのでしょうね」
そう言ってリンは、やっとライが帰ってきてくれて良かったですね、などとセラに声を掛けた。
セラの眠る寝台からは返事がない。そしてリンは寝台の傍らで広げていたひざ掛け程の大きな刺繍をしまい、部屋を後にした。
俺は羽織っていたローブを、長椅子にバサッと音を立てて投げると、セラの眠る寝台へと腰かけた。
「セラ」
セラの身体の上に体重をかけないように馬乗りになり、その表情を覗き込む。
寝台の脇に置いた燭台の明かりに照らされて、セラの顔が白く浮かび上がる。
頬に確かに体温は感じるものの、微かに感じる寝息は小さく、唇にのった血色は薄い。閉じられた睫毛は、どこか濡れたように艶目いてはいるが、それはまるで魂の入っていない脱け殻のようだ。
セラはあの塔から逃れここにたどり着いた後、一月程ずっと眠り続けていた。
そして目が覚めてからも時折、こうして不定期に眠りにつくことがある。
それは最近では、決まって俺が不在にしている時だった。
――まるで魂が、どこかへ旅に出ているかのように。
眠り続けているという実感はセラにはないようだ。本人にとっては、刺繍の手を休めてちょっとうたた寝したはずが、朝だった程度のことらしい。長い夢を見ていた気がする、と。
目を覚ました時に、二日や三日も経っているということにセラは気づいていない。
ふと、鼻を花の香りが掠めた。
視線を向けると、リンが生けたのであろう白い花が寝台の横に置いてあった。
そこには、いつセラが目覚めてもいいように、水差しが。そして、セラの好きな花酒と砂糖を固めた菓子も置かれていた。
――以前、花酒を土産にした時、珍しく酔いがまわったセラが話していた違う世界の記憶。
こことよく似た体験をしたという、ゲームという箱庭の世界の話。
セラは前世の記憶、と言っていた。――それは果たして本当に前世なのか?
あの日セラの語りだした世界の話に、俺は心臓に杭を打たれたかのように衝撃をうけていた。
――言い伝えとは違う、赤い星のもとに生まれた巨大な力を宿した白銀の娘。そして恐らく、輪廻を終えた最後の月の乙女。
そんなセラが語る、別の世界の話はただの夢物語だとは考えにくかった。
酔ったセラはそんな俺の様子にも気がつかぬまま、酔いに任せてそれは愉快そうに話をしていたが。
セラの少し乾いた唇に口づける。
その閉じられた唇に、そっと舌を差し入れると、セラのいつもよりは少し低いが、甘い体温を感じて、安堵する。
水音がたつほどに、深く交わらせても、未だセラからの応えはない。
そうして唇を離すと、心臓の動きを確かめるように、胸のふくらみに手を伸ばした。こうして俺が触れているにも関わらず、乱れることもなく一定の鼓動しか刻まないことが、歯痒い。
「セラ、戻ってこい」
俺には、そのセラの前の生は未だ終わりを告げていないのではないかと思える時がある。ここにこうしてあるのは、セラの形をしたただの入れ物で。セラの魂はあちらの世界とこちらの世界を自由に行き来しているのではないかと。
セラの手に委ねられていた、数多の選択肢。この世界での様々な出会いも別れも、気の赴くままに自由に体験をして、そしていつかはこちらから消えてしまうのではないか。
「セラ」
纏っていた寝衣をすっかり開けさせると、セラの肌が少しだけ粟立った。
その強張りをほどくように、滑らかな肌に口づけを落としながら、一つ一つ俺の痕を残していく。
――こんなに長い間、離れなければならないのが悪い。
ひと月も離れたりしなければ、セラもこんなに眠ることもないだろう。次は必ずこの痕が残っている間に帰ってこなければならない。そう固く誓う。
いつもは恥じらって、易々とは受け入れはしない茂みへと顔を寄せても、セラはピクリとも動かない。
「早く起きろ。――早く起きないと、何をされるか分かっているだろう?」
セラの秘部を舐め上げ、舌を差し入れる。その柔らかな感触と甘い芳香に、己自信が、じんと熱を持つのを感じる。そうしてセラの蕾を飴玉を舐めとかすように、舌でころがし続けると、次第にとぷりと俺の唾液以外の蜜が溢れ出してきた。
それをまた丹念に舐め上げ、きつくしまった蜜口をほぐすように、その隘路を指で拡げていく。
「んっ……」
あぁ、やっとセラの吐息が聞こえた。
徐々に意識が覚醒してきているのだろう。いつもより低い温度の身体も、徐々に温もりを取り戻し、次第に赤みを帯びてくる。
その意思を持った吐息の一つで、心が安堵と歓喜で震えるのを感じる。自分の服を脱ぎ捨てて、体温を分け与えるように素肌でセラをきつく抱きしめた。
セラの足の間に自身の身体を沈めると、まだ俺自身を受け入れるには固く閉じたままのそこに怒張をこすりつける。
「セラ……、早く起きろ。俺を屍を暴く哀れな墓守りにでもさせるつもりか?」
「ん、ぅ……?」
「俺がおとなしくお前の墓守などすると思うか? お前が俺を残して死ぬというのなら、その肌を食み、血肉を一滴残らず啜り食らいつくしてやろう」
「……ライ……?」
「そうしてお前をこの体内に取り込んだ後に、必ずそれがどこであってもお前を追う。逃げられるなどと思うな」
そして力なく横たわる腰を抱き寄せると、一息に腰を押し進める。未だ強張り、押し返すように固まる媚肉を、無理にわり拓いていく。
若干の苦痛を感じながらも、抉じ開ける愉悦に口角が上がる。
「ん……っ!、て、ラ、イ!?」
「くっ……!」
セラが目を覚ました途端、楔を飲み込んだ媚肉がぐちりっと音をたてんばかりに、締めあげた。
そして意識の覚醒と共に、その先端を甘やかし、より内部へと深く導こうと蠢きはじめる。
俺はその急激に背筋を駆け上がる快楽を、詰めていた息を浅く吐き出して堪えた。
「はっ……、お前、食いちぎるつもりか?」
「やぁッ! あぁあ……! な・に……!? ライ……?」
「すぐに起きないお前が悪い」
「……ッ、なんで、こんな起こし方……ぁ、やぁん……! 普通に、……っ起こしてくれ、ればいいのに……」
そして眠りから覚醒したばかりで、状況をいまいち把握しきれていないだろうその細い身体に、深く己自身を打ち付け始めた。
「ひ、ぁ……!! ぁああ!」
突然の快楽に戸惑い喘ぎ、すがりつくようにセラの手が、俺の首に回される。
律動に身を揺らし、潤んだアメジストの瞳で俺を恨めしそうに見上げながらも、必死に寄せてくる唇を重ねる。
熱を帯び、汗ばみ始めるセラの肢体。
あぁ、その温度が、甘さが、今のお前が躯などではないと教えてくれる。
そうしてセラの嬌声をこの身に浴びながら、ひときわ大きな蜜音を立てて突き上げると、欲望のままにその最奥に白濁を吐き出した。
「ラ・いぃ……」
荒い息でこちらを窺うセラを、繋がったまま抱き起こして、胡坐をかいて座った上に乗せると、その身体を抱きかかえた。
「……まだ、だ」
にやりと口角を上げて見せれば、向かい合ったセラの表情が僅かに青ざめたように見える。それを無視して、未だ昂ぶりの収まる兆しのみえない楔を深く埋め込んだ。
この身体に胎内にもっと俺という存在を刻みつければ、お前をこの世界に留める枷となりえるだろうか。
お前のいく末がどの世であったとしても、お前が誰であったとしても決して離しはしない。俺から逃げられると思うなよ? セレーネ。
軽い音を立てて、竜の背から飛び降りた。
ゴツゴツとした岩場に着地すると、俺の到着を待っていたのであろうレイが、手をぶんぶんと振りながら走り寄ってきた。
「ライ! おかえりなさい!」
「あぁ」
そう告げた吐く息が、微かに白く染まった。肌に感じる温度も、引き締まるように冷たい。もうじきこの山間にも白い雪の訪れがあるだろう。
ここほどではないが、昨晩までいた王都にも例年にない寒気が流れてきていた。
常春のように年中を通じて温かかったアルストロメリアはもうない。あの国には、これまで経験したことのない冬が来るのだろう。
「セラはどうしている?」
「あぁ、また寝てる。今回は3日前から」
竜の背に着けていた荷物を降ろしながら、レイはどこか気まずそうに、そう言った。思わず自分の眉間に皺が寄ったのを感じる。
「今回は?」
「わっ! 俺に殺気向けないでくれよ! ……ライがいない間に、眠り姫になるのは2回目かな。前回は2週間くらい前だよ。その時は丸2日間くらいだったけれど」
「――そうか」
「ずっとリンがついてるよ。俺もリンが休む時に交代でついてる。変わったことはなかったよ。そっちはどうだった? 相変わらず落ち着かない?」
「収束には程遠いな」
女神の加護を失ったことに、民衆も気づき始めている。気候が乱れ始めてるからなおのことだ。穏便になんて生ぬるいことを言っていた革命軍側が悪い。
「あれ? ライ、里長への報告はー? また怒られるよー!?」
そして俺はレイの声を無視して、そのまま自分の邸へと急いだ。
◇◇◇◇◇
「――あぁ、戻ったんですね。ライ」
俺の姿をみとめると、寝台の脇に置いた椅子に腰掛けているリンが微笑んだ。
赤茶色の髪を頂きに丸くまとめ、レイによく似た大きな丸い目を細めていた。
こうして出迎えてくれるのが、愛しいセラではないことに、胸のなかに渋い思いが広がる。
「あぁ。セラは?」
「よく眠っています。息しているのか心配になるくらいに、深く。でもさっき寝返りを打ったから、そろそろ起きるのかもしれません。ライが帰ってきたのが分かるのでしょうね」
そう言ってリンは、やっとライが帰ってきてくれて良かったですね、などとセラに声を掛けた。
セラの眠る寝台からは返事がない。そしてリンは寝台の傍らで広げていたひざ掛け程の大きな刺繍をしまい、部屋を後にした。
俺は羽織っていたローブを、長椅子にバサッと音を立てて投げると、セラの眠る寝台へと腰かけた。
「セラ」
セラの身体の上に体重をかけないように馬乗りになり、その表情を覗き込む。
寝台の脇に置いた燭台の明かりに照らされて、セラの顔が白く浮かび上がる。
頬に確かに体温は感じるものの、微かに感じる寝息は小さく、唇にのった血色は薄い。閉じられた睫毛は、どこか濡れたように艶目いてはいるが、それはまるで魂の入っていない脱け殻のようだ。
セラはあの塔から逃れここにたどり着いた後、一月程ずっと眠り続けていた。
そして目が覚めてからも時折、こうして不定期に眠りにつくことがある。
それは最近では、決まって俺が不在にしている時だった。
――まるで魂が、どこかへ旅に出ているかのように。
眠り続けているという実感はセラにはないようだ。本人にとっては、刺繍の手を休めてちょっとうたた寝したはずが、朝だった程度のことらしい。長い夢を見ていた気がする、と。
目を覚ました時に、二日や三日も経っているということにセラは気づいていない。
ふと、鼻を花の香りが掠めた。
視線を向けると、リンが生けたのであろう白い花が寝台の横に置いてあった。
そこには、いつセラが目覚めてもいいように、水差しが。そして、セラの好きな花酒と砂糖を固めた菓子も置かれていた。
――以前、花酒を土産にした時、珍しく酔いがまわったセラが話していた違う世界の記憶。
こことよく似た体験をしたという、ゲームという箱庭の世界の話。
セラは前世の記憶、と言っていた。――それは果たして本当に前世なのか?
あの日セラの語りだした世界の話に、俺は心臓に杭を打たれたかのように衝撃をうけていた。
――言い伝えとは違う、赤い星のもとに生まれた巨大な力を宿した白銀の娘。そして恐らく、輪廻を終えた最後の月の乙女。
そんなセラが語る、別の世界の話はただの夢物語だとは考えにくかった。
酔ったセラはそんな俺の様子にも気がつかぬまま、酔いに任せてそれは愉快そうに話をしていたが。
セラの少し乾いた唇に口づける。
その閉じられた唇に、そっと舌を差し入れると、セラのいつもよりは少し低いが、甘い体温を感じて、安堵する。
水音がたつほどに、深く交わらせても、未だセラからの応えはない。
そうして唇を離すと、心臓の動きを確かめるように、胸のふくらみに手を伸ばした。こうして俺が触れているにも関わらず、乱れることもなく一定の鼓動しか刻まないことが、歯痒い。
「セラ、戻ってこい」
俺には、そのセラの前の生は未だ終わりを告げていないのではないかと思える時がある。ここにこうしてあるのは、セラの形をしたただの入れ物で。セラの魂はあちらの世界とこちらの世界を自由に行き来しているのではないかと。
セラの手に委ねられていた、数多の選択肢。この世界での様々な出会いも別れも、気の赴くままに自由に体験をして、そしていつかはこちらから消えてしまうのではないか。
「セラ」
纏っていた寝衣をすっかり開けさせると、セラの肌が少しだけ粟立った。
その強張りをほどくように、滑らかな肌に口づけを落としながら、一つ一つ俺の痕を残していく。
――こんなに長い間、離れなければならないのが悪い。
ひと月も離れたりしなければ、セラもこんなに眠ることもないだろう。次は必ずこの痕が残っている間に帰ってこなければならない。そう固く誓う。
いつもは恥じらって、易々とは受け入れはしない茂みへと顔を寄せても、セラはピクリとも動かない。
「早く起きろ。――早く起きないと、何をされるか分かっているだろう?」
セラの秘部を舐め上げ、舌を差し入れる。その柔らかな感触と甘い芳香に、己自信が、じんと熱を持つのを感じる。そうしてセラの蕾を飴玉を舐めとかすように、舌でころがし続けると、次第にとぷりと俺の唾液以外の蜜が溢れ出してきた。
それをまた丹念に舐め上げ、きつくしまった蜜口をほぐすように、その隘路を指で拡げていく。
「んっ……」
あぁ、やっとセラの吐息が聞こえた。
徐々に意識が覚醒してきているのだろう。いつもより低い温度の身体も、徐々に温もりを取り戻し、次第に赤みを帯びてくる。
その意思を持った吐息の一つで、心が安堵と歓喜で震えるのを感じる。自分の服を脱ぎ捨てて、体温を分け与えるように素肌でセラをきつく抱きしめた。
セラの足の間に自身の身体を沈めると、まだ俺自身を受け入れるには固く閉じたままのそこに怒張をこすりつける。
「セラ……、早く起きろ。俺を屍を暴く哀れな墓守りにでもさせるつもりか?」
「ん、ぅ……?」
「俺がおとなしくお前の墓守などすると思うか? お前が俺を残して死ぬというのなら、その肌を食み、血肉を一滴残らず啜り食らいつくしてやろう」
「……ライ……?」
「そうしてお前をこの体内に取り込んだ後に、必ずそれがどこであってもお前を追う。逃げられるなどと思うな」
そして力なく横たわる腰を抱き寄せると、一息に腰を押し進める。未だ強張り、押し返すように固まる媚肉を、無理にわり拓いていく。
若干の苦痛を感じながらも、抉じ開ける愉悦に口角が上がる。
「ん……っ!、て、ラ、イ!?」
「くっ……!」
セラが目を覚ました途端、楔を飲み込んだ媚肉がぐちりっと音をたてんばかりに、締めあげた。
そして意識の覚醒と共に、その先端を甘やかし、より内部へと深く導こうと蠢きはじめる。
俺はその急激に背筋を駆け上がる快楽を、詰めていた息を浅く吐き出して堪えた。
「はっ……、お前、食いちぎるつもりか?」
「やぁッ! あぁあ……! な・に……!? ライ……?」
「すぐに起きないお前が悪い」
「……ッ、なんで、こんな起こし方……ぁ、やぁん……! 普通に、……っ起こしてくれ、ればいいのに……」
そして眠りから覚醒したばかりで、状況をいまいち把握しきれていないだろうその細い身体に、深く己自身を打ち付け始めた。
「ひ、ぁ……!! ぁああ!」
突然の快楽に戸惑い喘ぎ、すがりつくようにセラの手が、俺の首に回される。
律動に身を揺らし、潤んだアメジストの瞳で俺を恨めしそうに見上げながらも、必死に寄せてくる唇を重ねる。
熱を帯び、汗ばみ始めるセラの肢体。
あぁ、その温度が、甘さが、今のお前が躯などではないと教えてくれる。
そうしてセラの嬌声をこの身に浴びながら、ひときわ大きな蜜音を立てて突き上げると、欲望のままにその最奥に白濁を吐き出した。
「ラ・いぃ……」
荒い息でこちらを窺うセラを、繋がったまま抱き起こして、胡坐をかいて座った上に乗せると、その身体を抱きかかえた。
「……まだ、だ」
にやりと口角を上げて見せれば、向かい合ったセラの表情が僅かに青ざめたように見える。それを無視して、未だ昂ぶりの収まる兆しのみえない楔を深く埋め込んだ。
この身体に胎内にもっと俺という存在を刻みつければ、お前をこの世界に留める枷となりえるだろうか。
お前のいく末がどの世であったとしても、お前が誰であったとしても決して離しはしない。俺から逃げられると思うなよ? セレーネ。
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お楽しみ頂けると嬉しいです😊
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