38 / 39
おまけ 花酒の夜
しおりを挟む
窓から指すのは月明かりだけ。
私は薄暗い室内で、手元の明かりを頼りに、一心に刺繍を刺していた。
こんな静かな夜は、一人でいるのが心細くなる。こうして何か熱中できるものがあるのは、正直助かる。
キィ……
「あ……! おかえりなさい!」
私は刺繍の手を止めて、声を掛けた。振り返らなくとも、こんな時間にこの部屋にノックもなしに入ってくるのは一人しかいない。
扉の方へ振り返ると、机の上の小さな明かりに照らされて、その赤い髪が浮き上がった。大好きな彼の久々の姿に、思わず頬が緩む。
出迎えるため勢いよく椅子を立つと、小走りに私はライの胸に抱きついた。久々に感じるライの香りに、胸の奥から安堵の気持ちが湧き出すのを感じる。
「あぁ……、ただいま」
「――どうしたの? 疲れている?」
溜めた息を吐きだすようなその声に、ライの顔を見上げるとその金色の瞳は幾分疲れに陰ってるようだった。
最近ライはどこかへ出かけていくことが多い。
数日で戻ってくることもあれば、一か月近くかかることもある。一族の名代として出向かなければならない用事があるということだけれど、その用事というのは私に教えてくれることはない。
ライは一族のなかでも強い魔力を持っているため、次期の長になることが決まっているらしく、色々と忙しい。
……まぁ、私に言えないような危険なことをしているだろうとは、察しがつくけれど……。
「あぁ、今回はなかなか戻れなかったからな」
私の肩に鼻をうずめるようにして、ライがぎゅっと抱きしめてくる。
「忙しいのね……。まだ落ち着かなさそう?」
「そうだな……、しばらくはかかるだろう、な。お前はどうだった? 何か変わったことはなかったか?」
「えぇ、大丈夫。レイとリンが良くしてくれるから」
ライに限らず、里のひとにライが何をしているのか尋ねても曖昧に濁されるだけなので、もう尋ねるようなこともしなくなっていた。
ただ、ライがいない間に危険がないように、私には護衛を兼ねて二人の里の少女と少年がつけられていた。
二人はそれぞれライ程ではないけれど、鮮やかな赤い髪を持っていて、どこかライに似た雰囲気をしていた。何故、安全なはずの里のなかで護衛が必要なのかわからないけれど……。
ライが少年を私の傍におくことを許すだなんて意外だったけれど、その二人は幼くして出会った番同士らしい。一族のなかで出会える、まして幼いうちに出会えることはとても稀らしく、片時も離れず仲睦まじくしている。
そして二人はお互い生き写しのようによく似た容姿で、私の世話を細々と焼いてくれていた。
「見て、これリンが教えてくれた模様なのよ。リンはとっても刺繍が上手だから、すごく勉強になるの」
そう言って私はつい先ほどまで刺していた刺繍をライに向かって広げて見せた。
里に伝わる伝統的なものであるらしいその特徴的な文様は、大輪の華とそれを彩る唐草のような模様で構成されていて、色彩もとても鮮やかだ。
「そうか」
そうして胸元を乱暴に緩めたライがいつもの椅子に腰かけると、脇机にゴトッと何かの瓶を置いた。透き通った瓶のなかで、何かの液体が明かりを反射してたぷん、と揺れた。
「それは? お土産?」
「あぁ、珍しいものを見つけたからな。花酒といって、蜂蜜と花の酵母を発酵させて作られた酒だそうだ。たまにはいいかと思ってな」
「えぇ……! お酒!?」
私は思わずその瓶を手に取った。瓶の中で白く薄く濁ったお酒が揺れている。
前世ではお酒をほぼ毎日のように飲むくらい大好きだったけれど、今世では教会育ちだったこともあって、何か特別なお祝いの時くらいしか口にすることはなかった。
しかもこちらのお酒は、アルコール度数が高い蒸留酒が多くて、私の好きな醸造酒というのはあまり目にすることはなかったのだ。
それでも、お菓子作りのためにと言って、こっそりと教会で果実を漬け込んだ果実酒を自作していたくらいには、お酒が好きだ。多分マキアにはバレていなかったはず。多分。
「……そんなに喜ぶとは、思わなかった」
「え、そう? 学園に行っていたし、お酒なんてずーっと飲んでなかったから嬉しい。これ、今飲んでもいい?」
「あぁ、構わん」
「嬉しい! 今用意するわね」
私は我ながら弾んだ声で、酒器を用意するために、台所へと向かった。
◇◇◇◇◇
「……だからぁ、わたしはがんばったのよぉ……! だって、監禁とか死ぬのとかぜっったい嫌だったからぁ!」
「ほぉ、そうか」
「そうよぉ……、すっごくすっごく怖かったんだからぁ……、ぐすっ……」
「なるほどな」
私は寝台に肘をつき、寝そべるようにしてグラスを傾けるライに背中をあずけて、またグラスをあおった。
背中に感じるライの体温が嬉しい。ふ、と背中越しに覗くと、ライは何か思案気な表情をして、あまりグラスが進んでいないようだった。
こんなにおいしいのになー。私は身を起こすと、またテーブルの上に置いた瓶から手元のグラスに花酒を注ぐ。
この花酒は花の芳しい香りが強く、とろりと甘くて、それでいて水のようにぐびぐびと飲めてしまう、美味しいお酒だった。
前世の日本酒に似た舌ざわりで、大変私の好みだ。あぁ、美味しい。
また一口、花酒を口に含んだところで、背後のライが私を抱き寄せた。
「んにゃ? ライ?」
「それで? お前の前世のげーむの話とやらを、もっと聞かせてくれないか?」
「ん、そう?」
ライがこんなに私の話を興味深く聞いてくれるなんて、あまりないから嬉しいなー。背後にいるから表情まではわからないけれど、きっと楽しいんだろうな。
だって私もこんなに楽しいから。うふふ。
「それで、ライのことは、当然入学する前から知ってたけど、絶対近づいちゃいけないって思ってたのよ。だからライのことはずっと避けてたの」
「ほぉ」
「だって、ライとうまくいくならいいけど、嫌われちゃったり、他のひとのルートに入ったりしたら、殺されちゃうかもしれないでしょ?」
「あぁ」
ライはそう相槌を打っているけど、本当にわかってるのかなぁ。このゲームをプレイしてもらうことが出来たらわかってもらえると思うのに。
本当に、ライは大好きで、格好良くて、そして怖いんだから。
「確かオーランドと逃げる時に、追ってくるのがライだったと思うのよねー。顔は隠してたけど金色の目が見えていたし」
「オーランドと……?」
「そう、オーランドと恋に落ちて逃げるルートもあったのよねぇ。割とオーランドは好きなルートだったなー。ライの次にオーランドの話が好きだったかなぁ、切なくて。それにオーランドはこう、あんまり変なことしないし、一途に甘い感じの話、で……?」
調子よく話していた私の背筋をゾクッと寒気が走った。
――ん? これは……?
突然感じた寒気に困惑していると、酔いの回った頭に、地の底から鳴るような低音の声が背後から響いた。
「ほぉ……、もっと聞かせてくれないか? セレーネ」
「……え……?」
――ナンカ怒ってらっしゃる?
恐る恐る背後を振り返りながら、そう気が付いた時には遅かった。僅かな灯を映して揺れる黄金の瞳は、確かに怒りの色を濃く揺らしていた。
「お前が、俺を避け、他の男と恋をした話を、もっと聞かせてくれないか、と言ったのだ」
そうして口元だけ笑んだ形を作ったその表情は、全く目が笑っていなかった。
そこで私の上気した頬から血の気が引くのをはっきりと感じた。
「……んー? なんだか、眠くなっちゃったカナー」
そう言って寝台から立ち上がろうとした腰を、ぐっと力強く抱き寄せられた。
「きゃっ……、あ、あ、あの……!」
「ほら、聞かせてみろ。まだ夜は長いだろう?」
「えぇっ!? いえいえ、その、ライも疲れてるでしょ? 私も眠いなー、なんて……。明日リンと約束もあるし……」
「眠気など感じてる暇があると思うか?」
そう言うや否や、吸血鬼が首筋に牙を立てるかのような力強さで、背後からガブリと首筋に噛みつかれた。
その突然の痛みに、勝手に筋肉がびくんっと収縮して身体が震えた。
「いた……ッ」
「ほら、聞かせてみろ、セラ……。オーランドと、なんだって?」
「えぇえ……」
――私は、ここに、ライの前では酔っぱらわないことを誓います。
ライのいう長い夜が、一晩で終わってくれることを願いながら、私は心の中でそう誓った。
私は薄暗い室内で、手元の明かりを頼りに、一心に刺繍を刺していた。
こんな静かな夜は、一人でいるのが心細くなる。こうして何か熱中できるものがあるのは、正直助かる。
キィ……
「あ……! おかえりなさい!」
私は刺繍の手を止めて、声を掛けた。振り返らなくとも、こんな時間にこの部屋にノックもなしに入ってくるのは一人しかいない。
扉の方へ振り返ると、机の上の小さな明かりに照らされて、その赤い髪が浮き上がった。大好きな彼の久々の姿に、思わず頬が緩む。
出迎えるため勢いよく椅子を立つと、小走りに私はライの胸に抱きついた。久々に感じるライの香りに、胸の奥から安堵の気持ちが湧き出すのを感じる。
「あぁ……、ただいま」
「――どうしたの? 疲れている?」
溜めた息を吐きだすようなその声に、ライの顔を見上げるとその金色の瞳は幾分疲れに陰ってるようだった。
最近ライはどこかへ出かけていくことが多い。
数日で戻ってくることもあれば、一か月近くかかることもある。一族の名代として出向かなければならない用事があるということだけれど、その用事というのは私に教えてくれることはない。
ライは一族のなかでも強い魔力を持っているため、次期の長になることが決まっているらしく、色々と忙しい。
……まぁ、私に言えないような危険なことをしているだろうとは、察しがつくけれど……。
「あぁ、今回はなかなか戻れなかったからな」
私の肩に鼻をうずめるようにして、ライがぎゅっと抱きしめてくる。
「忙しいのね……。まだ落ち着かなさそう?」
「そうだな……、しばらくはかかるだろう、な。お前はどうだった? 何か変わったことはなかったか?」
「えぇ、大丈夫。レイとリンが良くしてくれるから」
ライに限らず、里のひとにライが何をしているのか尋ねても曖昧に濁されるだけなので、もう尋ねるようなこともしなくなっていた。
ただ、ライがいない間に危険がないように、私には護衛を兼ねて二人の里の少女と少年がつけられていた。
二人はそれぞれライ程ではないけれど、鮮やかな赤い髪を持っていて、どこかライに似た雰囲気をしていた。何故、安全なはずの里のなかで護衛が必要なのかわからないけれど……。
ライが少年を私の傍におくことを許すだなんて意外だったけれど、その二人は幼くして出会った番同士らしい。一族のなかで出会える、まして幼いうちに出会えることはとても稀らしく、片時も離れず仲睦まじくしている。
そして二人はお互い生き写しのようによく似た容姿で、私の世話を細々と焼いてくれていた。
「見て、これリンが教えてくれた模様なのよ。リンはとっても刺繍が上手だから、すごく勉強になるの」
そう言って私はつい先ほどまで刺していた刺繍をライに向かって広げて見せた。
里に伝わる伝統的なものであるらしいその特徴的な文様は、大輪の華とそれを彩る唐草のような模様で構成されていて、色彩もとても鮮やかだ。
「そうか」
そうして胸元を乱暴に緩めたライがいつもの椅子に腰かけると、脇机にゴトッと何かの瓶を置いた。透き通った瓶のなかで、何かの液体が明かりを反射してたぷん、と揺れた。
「それは? お土産?」
「あぁ、珍しいものを見つけたからな。花酒といって、蜂蜜と花の酵母を発酵させて作られた酒だそうだ。たまにはいいかと思ってな」
「えぇ……! お酒!?」
私は思わずその瓶を手に取った。瓶の中で白く薄く濁ったお酒が揺れている。
前世ではお酒をほぼ毎日のように飲むくらい大好きだったけれど、今世では教会育ちだったこともあって、何か特別なお祝いの時くらいしか口にすることはなかった。
しかもこちらのお酒は、アルコール度数が高い蒸留酒が多くて、私の好きな醸造酒というのはあまり目にすることはなかったのだ。
それでも、お菓子作りのためにと言って、こっそりと教会で果実を漬け込んだ果実酒を自作していたくらいには、お酒が好きだ。多分マキアにはバレていなかったはず。多分。
「……そんなに喜ぶとは、思わなかった」
「え、そう? 学園に行っていたし、お酒なんてずーっと飲んでなかったから嬉しい。これ、今飲んでもいい?」
「あぁ、構わん」
「嬉しい! 今用意するわね」
私は我ながら弾んだ声で、酒器を用意するために、台所へと向かった。
◇◇◇◇◇
「……だからぁ、わたしはがんばったのよぉ……! だって、監禁とか死ぬのとかぜっったい嫌だったからぁ!」
「ほぉ、そうか」
「そうよぉ……、すっごくすっごく怖かったんだからぁ……、ぐすっ……」
「なるほどな」
私は寝台に肘をつき、寝そべるようにしてグラスを傾けるライに背中をあずけて、またグラスをあおった。
背中に感じるライの体温が嬉しい。ふ、と背中越しに覗くと、ライは何か思案気な表情をして、あまりグラスが進んでいないようだった。
こんなにおいしいのになー。私は身を起こすと、またテーブルの上に置いた瓶から手元のグラスに花酒を注ぐ。
この花酒は花の芳しい香りが強く、とろりと甘くて、それでいて水のようにぐびぐびと飲めてしまう、美味しいお酒だった。
前世の日本酒に似た舌ざわりで、大変私の好みだ。あぁ、美味しい。
また一口、花酒を口に含んだところで、背後のライが私を抱き寄せた。
「んにゃ? ライ?」
「それで? お前の前世のげーむの話とやらを、もっと聞かせてくれないか?」
「ん、そう?」
ライがこんなに私の話を興味深く聞いてくれるなんて、あまりないから嬉しいなー。背後にいるから表情まではわからないけれど、きっと楽しいんだろうな。
だって私もこんなに楽しいから。うふふ。
「それで、ライのことは、当然入学する前から知ってたけど、絶対近づいちゃいけないって思ってたのよ。だからライのことはずっと避けてたの」
「ほぉ」
「だって、ライとうまくいくならいいけど、嫌われちゃったり、他のひとのルートに入ったりしたら、殺されちゃうかもしれないでしょ?」
「あぁ」
ライはそう相槌を打っているけど、本当にわかってるのかなぁ。このゲームをプレイしてもらうことが出来たらわかってもらえると思うのに。
本当に、ライは大好きで、格好良くて、そして怖いんだから。
「確かオーランドと逃げる時に、追ってくるのがライだったと思うのよねー。顔は隠してたけど金色の目が見えていたし」
「オーランドと……?」
「そう、オーランドと恋に落ちて逃げるルートもあったのよねぇ。割とオーランドは好きなルートだったなー。ライの次にオーランドの話が好きだったかなぁ、切なくて。それにオーランドはこう、あんまり変なことしないし、一途に甘い感じの話、で……?」
調子よく話していた私の背筋をゾクッと寒気が走った。
――ん? これは……?
突然感じた寒気に困惑していると、酔いの回った頭に、地の底から鳴るような低音の声が背後から響いた。
「ほぉ……、もっと聞かせてくれないか? セレーネ」
「……え……?」
――ナンカ怒ってらっしゃる?
恐る恐る背後を振り返りながら、そう気が付いた時には遅かった。僅かな灯を映して揺れる黄金の瞳は、確かに怒りの色を濃く揺らしていた。
「お前が、俺を避け、他の男と恋をした話を、もっと聞かせてくれないか、と言ったのだ」
そうして口元だけ笑んだ形を作ったその表情は、全く目が笑っていなかった。
そこで私の上気した頬から血の気が引くのをはっきりと感じた。
「……んー? なんだか、眠くなっちゃったカナー」
そう言って寝台から立ち上がろうとした腰を、ぐっと力強く抱き寄せられた。
「きゃっ……、あ、あ、あの……!」
「ほら、聞かせてみろ。まだ夜は長いだろう?」
「えぇっ!? いえいえ、その、ライも疲れてるでしょ? 私も眠いなー、なんて……。明日リンと約束もあるし……」
「眠気など感じてる暇があると思うか?」
そう言うや否や、吸血鬼が首筋に牙を立てるかのような力強さで、背後からガブリと首筋に噛みつかれた。
その突然の痛みに、勝手に筋肉がびくんっと収縮して身体が震えた。
「いた……ッ」
「ほら、聞かせてみろ、セラ……。オーランドと、なんだって?」
「えぇえ……」
――私は、ここに、ライの前では酔っぱらわないことを誓います。
ライのいう長い夜が、一晩で終わってくれることを願いながら、私は心の中でそう誓った。
10
あなたにおすすめの小説
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる