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憂鬱な転生【カノンの場合】
6.苦手なひと 3
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――夢を見た。
狭い水槽のなかを、ひとりで泳ぐ夢。
私の手と足は、鮮やかな魚のそれになって、生ぬるい水をかいた。
そうやって水槽の端から端まで泳いでみても、ガラス張りのそのなかは、自分の身を映すばかりで、外の世界のことは何も見えない。
私はしょうがないか、と思う。もう不満を感じることもない。これはこれで大人しくしていればいいのだ。
でもいつの間にか、なんだか息が苦しい。気が付くと、いつの間にか私が漂っていた透き通った水は白く濁ってきてしまっていた。
――そう気が付いた時には遅かった。
力が抜けた身体は、もう泳ぐことすらできない。水槽の底にその身を横たえて涙を流す。
あぁどうしてこんなことに。ここから出たい。
どうしてここから出ようとしなかったのだろう。水槽から飛び出して、たとえそこで干からびてしまったとしても、このままここでゆっくりと死ぬよりはましなはずだったのに。
ここから出たい。お母さんごめんなさい、どうかここから出して。
なにもいらないから、ここから出られるだけでいい。ごめんなさい、どうか、どうか――。
◇◇◇◇◇
「……へ?」
「だから、予鈴だよ。鳴ったよ?」
「いや、あの、そうじゃなくって? え??」
何が起こっているか分からず、瞬いた。たっぷり数秒そうした後、状況を飲みこむまえに、まず頬に朱が走るのを感じた。熱い頬を押さえ、城野院を見あげる。
教科書を眺めていたはずなのに、気が付けば傍らにいつの間にかいた城野院。
そして何故かその肩に何故かもたれるようにして眠っていたことにやっと脳の理解が追い付いた。
「ええええ! な、な、なんでですか!? ……って、すみません!」
――城野院先輩の肩口に涎のあとー!?
どれだけ熟睡していたっていうのだろう。もう羞恥を通り越して、絶望が襲ってくる。
先ほどまで赤くなっていた顔を、今度は青くした。
どうしていいか分からなくておろおろするカノンの様子を、面白そうに目を細めて城野院は言った。
「世界に通じる音楽家の条件として、『いつでもどこでも眠れること、なんでも食べられること、あとは少しの才能があればいい』なんて言ったピアニストがいるって知っているかい?
少なくとも君は、どこでも眠れるということはクリアしているようだよ。よかったじゃないか」
そう言って城野院は、口元をハンカチでぬぐってくれた。
紺色のハンカチからは、ふわりと彼がまとっている白檀の香りがする。
そうして立ち上がった城野院は、白地の制服の埃をパンパンと叩く仕草をした。そんななんでもない動作ですら、流れるように美しい。
肩口からさらさらと零れるように、落ちる髪、床に向けて伏した長いまつ毛が、ゾクッとするほど綺麗だった。
「えぇ……?」
思わず見惚れてしまい、気の抜けた返事を返すことしかできなかった。もう考えなければならないことが多すぎて、処理しきれない。頭がどうでもいいことを考えては空転を続ける。
――食べる、食事、よだれ…? え、私はいったい……?
「ふふ、なんでも食べるはクリアできているかは知らないけどね?……あまり根を詰めすぎないようにね。まずは身体が大事だから」
「え……、あ、はい……」
「君のレベルなら、勉強は然程力を入れなくとも余裕があるように思うけどね?
せっかくこの学園に入学したんだ。恵まれた環境で、時を忘れて音楽に没頭できるのは素晴らしいことだよ。
……何かあったら、いつでも相談して? ――君に、興味があるんだ」
「きょう、み……」
口の中で呟いてみたけれど、その意味は響かなかった。
なんでそんなものを持たれるのか意味がわからない。前回の初対面以来、顔も合わせていなかったのに。
――興味……、そうか興味をもたれる理由なんて、ヒロインだから、しか考えられないか。
そう考えると改めてすごいな、ヒロインの力……。
「……あっ! ハンカチ…! 洗って返します! すみません!」
「うん? いや、結構――、いや……。うん、そうだね。じゃあお願いしようかな?」
にっこりと微笑んで、城野院がハンカチを差し出した。慌てて立ち上がり、城野院の手からハンカチを半ば強引に受け取る。
あらためて城野院に近づくと、その整った顔の造形に、息をのんだ。
男性に対してする形容じゃないのは分かっているけど、まるで女神のように整って美しい顔が目前にある。
――うっわ……、本当に綺麗……。
思わずカノンであることを忘れて、間近にあるその顔の美しさに時を忘れて見入ってしまった。
「――君は……」
「え……?」
その紫の瞳に見つめられて、時が止まったかのように感じた時、キーンコーンカーン…と本鈴が響いた。
「本鈴…!! 城野院先輩すみませんでした! 今度お返ししますっ!」
荷物をまとめてバタバタと急いで立ち去るカノンの姿を、城野院は手を振って見送った。
◇◇◇◇◇
――はぁあ、何をやってるんだろ、私……。
昨日の城野院とのことをひきずったまま翌日を迎えた。そして今日の授業もずっと悶々とした気持ちを抱えて過ごした。今ようやっと放課後を迎え、重い気持ちをため息にして吐き出した。
鞄のなかの、昨日すぐ洗濯したハンカチに目をやると、自己嫌悪にもう一度息を吐いた。
――城野院とは関わらないようにしたかったのに。
いやでもしかし、あそこで自分の涎のついたハンカチを持って帰らせるだなんて、それも出来るはずがない。
屋上のあの場所は、日陰になっているし、ゲームの中ではあそこにモブキャラも含めてキャラクターがいたところではないから、安心していたのだけれど。
――実際は目につく場所なのかもしれない。……でも、ただでさえ屋上にくる人は少ないし、これまであそこで誰かに会ったことなんてなかったのに……。
ただの偶然かもしれない、そう思うことにした。気の抜けない学園のなか、一人で過ごす場所を失くすのは惜しい。
「おぅ舞宮。待ったか?」
「――ううん、時雨くんわざわざありがとう」
時雨の声に、アトリウムに置いてある歓談用の椅子から立ち上がってこたえる。
「ちょっとね、神宮寺先生の課題でわからないことがあって……、きっと図書室に資料があるのかな? 時雨くんなら学園の先輩だから詳しいかなって思って」
「あぁ神宮寺の課題か……。あいつのやつめんどくせぇんだよな。 まぁそれくらい分かるから一緒に探してやってもいいけどよ。
でもお前……、俺なんかより他に仲良くしたいやついるんじゃねぇの?」
「えぇ? そんな人いないよー。学園の授業についていくのに精いっぱいだし」
カノンは時雨の問いに苦笑でこたえた。
そんな当たり障りのない会話にも、本当に神経を使う。
田村時雨はぶっきらぼうにしているけど、本当は優しい。他人を滅多なことでは突き放したりできない人だ。……そう知っているから、本来の自分ではできないくらい気安く接することができていた。
最初から内面を知っているだなんて実際の関係ではありえないから、ズルしているみたいだな、と薄く苦笑した。
狭い水槽のなかを、ひとりで泳ぐ夢。
私の手と足は、鮮やかな魚のそれになって、生ぬるい水をかいた。
そうやって水槽の端から端まで泳いでみても、ガラス張りのそのなかは、自分の身を映すばかりで、外の世界のことは何も見えない。
私はしょうがないか、と思う。もう不満を感じることもない。これはこれで大人しくしていればいいのだ。
でもいつの間にか、なんだか息が苦しい。気が付くと、いつの間にか私が漂っていた透き通った水は白く濁ってきてしまっていた。
――そう気が付いた時には遅かった。
力が抜けた身体は、もう泳ぐことすらできない。水槽の底にその身を横たえて涙を流す。
あぁどうしてこんなことに。ここから出たい。
どうしてここから出ようとしなかったのだろう。水槽から飛び出して、たとえそこで干からびてしまったとしても、このままここでゆっくりと死ぬよりはましなはずだったのに。
ここから出たい。お母さんごめんなさい、どうかここから出して。
なにもいらないから、ここから出られるだけでいい。ごめんなさい、どうか、どうか――。
◇◇◇◇◇
「……へ?」
「だから、予鈴だよ。鳴ったよ?」
「いや、あの、そうじゃなくって? え??」
何が起こっているか分からず、瞬いた。たっぷり数秒そうした後、状況を飲みこむまえに、まず頬に朱が走るのを感じた。熱い頬を押さえ、城野院を見あげる。
教科書を眺めていたはずなのに、気が付けば傍らにいつの間にかいた城野院。
そして何故かその肩に何故かもたれるようにして眠っていたことにやっと脳の理解が追い付いた。
「ええええ! な、な、なんでですか!? ……って、すみません!」
――城野院先輩の肩口に涎のあとー!?
どれだけ熟睡していたっていうのだろう。もう羞恥を通り越して、絶望が襲ってくる。
先ほどまで赤くなっていた顔を、今度は青くした。
どうしていいか分からなくておろおろするカノンの様子を、面白そうに目を細めて城野院は言った。
「世界に通じる音楽家の条件として、『いつでもどこでも眠れること、なんでも食べられること、あとは少しの才能があればいい』なんて言ったピアニストがいるって知っているかい?
少なくとも君は、どこでも眠れるということはクリアしているようだよ。よかったじゃないか」
そう言って城野院は、口元をハンカチでぬぐってくれた。
紺色のハンカチからは、ふわりと彼がまとっている白檀の香りがする。
そうして立ち上がった城野院は、白地の制服の埃をパンパンと叩く仕草をした。そんななんでもない動作ですら、流れるように美しい。
肩口からさらさらと零れるように、落ちる髪、床に向けて伏した長いまつ毛が、ゾクッとするほど綺麗だった。
「えぇ……?」
思わず見惚れてしまい、気の抜けた返事を返すことしかできなかった。もう考えなければならないことが多すぎて、処理しきれない。頭がどうでもいいことを考えては空転を続ける。
――食べる、食事、よだれ…? え、私はいったい……?
「ふふ、なんでも食べるはクリアできているかは知らないけどね?……あまり根を詰めすぎないようにね。まずは身体が大事だから」
「え……、あ、はい……」
「君のレベルなら、勉強は然程力を入れなくとも余裕があるように思うけどね?
せっかくこの学園に入学したんだ。恵まれた環境で、時を忘れて音楽に没頭できるのは素晴らしいことだよ。
……何かあったら、いつでも相談して? ――君に、興味があるんだ」
「きょう、み……」
口の中で呟いてみたけれど、その意味は響かなかった。
なんでそんなものを持たれるのか意味がわからない。前回の初対面以来、顔も合わせていなかったのに。
――興味……、そうか興味をもたれる理由なんて、ヒロインだから、しか考えられないか。
そう考えると改めてすごいな、ヒロインの力……。
「……あっ! ハンカチ…! 洗って返します! すみません!」
「うん? いや、結構――、いや……。うん、そうだね。じゃあお願いしようかな?」
にっこりと微笑んで、城野院がハンカチを差し出した。慌てて立ち上がり、城野院の手からハンカチを半ば強引に受け取る。
あらためて城野院に近づくと、その整った顔の造形に、息をのんだ。
男性に対してする形容じゃないのは分かっているけど、まるで女神のように整って美しい顔が目前にある。
――うっわ……、本当に綺麗……。
思わずカノンであることを忘れて、間近にあるその顔の美しさに時を忘れて見入ってしまった。
「――君は……」
「え……?」
その紫の瞳に見つめられて、時が止まったかのように感じた時、キーンコーンカーン…と本鈴が響いた。
「本鈴…!! 城野院先輩すみませんでした! 今度お返ししますっ!」
荷物をまとめてバタバタと急いで立ち去るカノンの姿を、城野院は手を振って見送った。
◇◇◇◇◇
――はぁあ、何をやってるんだろ、私……。
昨日の城野院とのことをひきずったまま翌日を迎えた。そして今日の授業もずっと悶々とした気持ちを抱えて過ごした。今ようやっと放課後を迎え、重い気持ちをため息にして吐き出した。
鞄のなかの、昨日すぐ洗濯したハンカチに目をやると、自己嫌悪にもう一度息を吐いた。
――城野院とは関わらないようにしたかったのに。
いやでもしかし、あそこで自分の涎のついたハンカチを持って帰らせるだなんて、それも出来るはずがない。
屋上のあの場所は、日陰になっているし、ゲームの中ではあそこにモブキャラも含めてキャラクターがいたところではないから、安心していたのだけれど。
――実際は目につく場所なのかもしれない。……でも、ただでさえ屋上にくる人は少ないし、これまであそこで誰かに会ったことなんてなかったのに……。
ただの偶然かもしれない、そう思うことにした。気の抜けない学園のなか、一人で過ごす場所を失くすのは惜しい。
「おぅ舞宮。待ったか?」
「――ううん、時雨くんわざわざありがとう」
時雨の声に、アトリウムに置いてある歓談用の椅子から立ち上がってこたえる。
「ちょっとね、神宮寺先生の課題でわからないことがあって……、きっと図書室に資料があるのかな? 時雨くんなら学園の先輩だから詳しいかなって思って」
「あぁ神宮寺の課題か……。あいつのやつめんどくせぇんだよな。 まぁそれくらい分かるから一緒に探してやってもいいけどよ。
でもお前……、俺なんかより他に仲良くしたいやついるんじゃねぇの?」
「えぇ? そんな人いないよー。学園の授業についていくのに精いっぱいだし」
カノンは時雨の問いに苦笑でこたえた。
そんな当たり障りのない会話にも、本当に神経を使う。
田村時雨はぶっきらぼうにしているけど、本当は優しい。他人を滅多なことでは突き放したりできない人だ。……そう知っているから、本来の自分ではできないくらい気安く接することができていた。
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