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8.獣人なんて
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「じゃ綾瀬、お疲れー」
「はーいお疲れ様」
ガチんと音をたてて、ジョッキを合わせると、琥珀色のビールを喉を鳴らして飲み下していく。
目の前でみるみるジョッキが空になっていくのは、見ていて爽快なものだ。
「ぷはー、うめぇ」
「ふふっ、相変わらずいい飲みっぷりだね」
「いやー今日1日これを楽しみに、水分全然とってなかったからな」
そう言って宮下くんは、おしぼりで手を拭いながら、嬉しそうに笑みを浮かべた。
一緒に本社で仕事をしていた頃と変わらず、人好きのする笑顔。
一見厳ついんだけど、笑うとクシャっとなるところが、魅力だなぁと思う。
今日耳に入ってきた彼の噂話では、営業成績もかなり良いらしい。
確かに、あの頃に僅かに残っていた学生臭さも消え、今の彼は立派な営業マンの面持ちをしている。
桃田さんが狙っているみたいだけど、きっと社内・取引先問わず、宮下くんならモテてるんだろうな。
「今日他のメンバーつかまらなかったんだね?」
「んー。今回の出張も突然だったからな。結局、オレ綾瀬しか誘ってないんだよね。これフクオカのお土産だよ、どうぞ」
「そうなの? あ、ありがとう。ってこのぬいぐるみ、フクぽんじゃん! 可愛い!」
「あー、前に好きだって言ってたなって思って」
宮下くんが手渡してきた空港のお土産物屋さんの紙袋には、お菓子等と共に私の好きなキャラのぬいぐるみが入っていた。
可愛い見た目にそぐわず、赤い鋭い目つきの猫のぬいぐるみ。
ちょっと癖のあるご当地ゆるキャラで、唯一話す台詞は「ですとろーい!」。
そんなところにハマってるって、そういえば前に話したことがあったかもしれない。
再度お礼を言ったけれど、芋焼酎も入ってるし、随分買い込んできてくれたんだなぁ。今度なにかお礼しなきゃ。
今日はてっきり同期の何人かで飲むのかと思っていたら、指定された店に現れたのは宮下くんだけだった。
結局お店のセレクトは、居酒屋ではなく個室の焼肉屋さん。
いつもの食べ放題とかあるようなお店じゃなくて、ちょっと高級な感じ。
(ふたりきりか……。まぁ、でも仕事仲間だし)
かつてのエルと付き合ってる時だったら、仕事といえど男性とふたりで食事なんて許さなかっただろうな。
──今でもダメかな、でも何もないただの同僚だし、ふたりきりなのは不可抗力だし……。
そんなことが脳裏を掠めない訳ではなかったけれど、とりあえずビール片手にメニューを眺める。
(とりあえず食事だけ。あんまりお酒は飲まないでおこう)
一通りのオーダーを済ませ、お通しをつまもうとした時、ふと彼の視線を感じて顔をあげた。
「なに? なんか他にも頼む?」
「あ、いや。……いやー、綾瀬すごい綺麗になったよな」
「えぇえ? 何を突然」
「いや、今日会社で見かけた時から思ってたんだって。前に会ったの半年前だっけ? すげー変わったなって」
私は思わず苦笑した。今朝そういえば桃田さんから、同じようなことを言われたっけ。
綺麗云々は微妙だけれど、まさか変わったとしたら元彼の栄養管理のおかげです、とも言えず、私は曖昧な返事をかえした。
元彼、いや……多分イマ彼なんだろうけど。
「別にそんな変わんないよ。最近髪切ったからじゃない?」
「いやー……、全然違うよ。なんつーか光ってて、目を離せない感じ」
「ふはっ、何それ」
店員さんから皿を受け取り、鉄板の上に肉をのせていく。
食欲をそそる匂いとともに、ジュウジュウと焼ける肉にしばし無言になる。
その間も、宮下くんの視線は私に向けられたままだ。
「食べないと焦げるよ?」
「……綾瀬ってもしかして、彼氏、とかできた感じ、だったり?」
「えぇー、それはどうでしょうねぇ」
「いや、マジで」
真剣みを帯びた声に、私も貼り付けていた曖昧な笑みをひそめる。
別にエルとのことを隠したい訳ではない。
でも今日、エルから贈られたリングを嵌められなかったように、なんとなく後ろめたい気持ちがあるのだ。
──それはきっと、私はまだエルに気持ちを伝えてないから。
彼の想いの深さを受け止めそこねているから、だ。
すごくズルいとは分かっているんだけれど、今のエルとの関係が心地よくて……、いや言い訳だな。
私は苦笑いを浮かべた。
「うーんと……、昔の彼と、ヨリ戻そうかなって感じ」
「え!? それって前に話してた学生時代の?」
「話したことあったっけ? ほら焦げちゃうからお皿のせるよ」
「それって束縛すごかったって言ってなかったか? そんな奴と大丈夫なのか?」
「うーん……たぶん?」
「なんだよそれ」
なんだろ、宮下くん随分と突っかかってくるな。
私は居心地の悪さを感じながらも、彼の追求を交わしつつ、鉄板に肉をのせ続けた。
そんな私をよそに宮下くんは、酒杯を重ねるごとに、根掘り葉掘りと私とエルのことを尋ねてくる。
久しぶりに会ったけれど、こんなにプライベートなことを訊いてくるひとだったっけ。
尋問とまではいかないけれど、徐々に居心地の悪さを感じてしまう。
「そいつ大丈夫なのか? 信用できなくない?」
「信用……うーん」
「また行動制限されて雁字搦めにされそうじゃない? モラハラっつーの? だって前は誰と何してたか全部報告させられてたんだろー? 絶対またやらされるって。無理じゃない?」
「……それは、多分」
私は、大丈夫という言葉をビールと共に吞み込んだ。
焼肉大好きなのに、なんかよく味がわかんないな。そんな私に追い打ちをかけるように「今はよくてもまた束縛されるんじゃないの」の言葉が投げかけられる。
うん、まぁ、それは、うん。
『エルは私のこと何もわかってくれてない!』
あの頃感じていた閉塞感をかき消すように、グラスをまた傾ける。
──大丈夫、エルは私のことを今度こそ尊重するって言ってくれてたから、だから。
「綾瀬、久しぶりの再会で流されちゃったとかじゃないの?」
「ッ、もう、言い過ぎだから」
「いや、マジで。本当にいま綾瀬はそいつのことが好きなわけ?」
「もうやめてよ。宮下くんに関係ないでしょ! ……あ、ごめん」
苛立ちに任せて、つい大きな声を出してしまった。
私は周囲をチラリと見回して、少し肩を縮ませた。個室の扉は暖簾で隔てられていて、店員さんがこちらの様子を窺う様子はなかった。
それにしても、なんでこんなにも干渉してくるのか。
今日はもうお開きにした方がいいのかもしれない。そう思い、手元のビールを飲み干そうとした私の耳に、彼の呟きが耳に入った。
「──き、なんだ」
「え?」
「俺、ずっと綾瀬のこと好きだったんだよ」
「え……?」
思わず聞き返してしまった私に、彼は「本気で」と付け加えた。
しばしの間ふたりの間に沈黙が訪れ、鉄板の上で肉が焦げていく音と、微かに店内の喧騒だけが耳に響く。
誰が、誰を? 宮下くんが、私を?
からかってるんでしょう? そう返そうとして、飲み込んだ。
彼が、とても真剣な眼差しで私を見つめていたからだ。
ふたりだけの飲み会、たくさんのお土産。
思えば、これまでも彼が出張で本社に来るたびに、誘われていた。
同期の皆でパートナーも連れて大勢でキャンプしたときは、彼女とか気になるひととか連れてこないの? っていう問いに『俺はここにいるからいいんだよ』って言って、皆をざわつかせたこともあったっけ。
あの時は誰なのかわからなかったけれど、え、いつから? まさかあの頃から?
「気付いてなかった?」
「……」
「俺、すげぇストレートだったと思うんだけどな」
「ごめん……全然気付いてなかった……です」
「謝んなよ」
固まってしまった私に、好意を寄せている内に転勤が決まってしまったこと。私が遠距離恋愛は二度としたくないと言っていたから、思いを告げるのは諦めていたこと。
そして、この春からまた本社に異動が決まったことを告げた。
「なぁ、俺って綾瀬のなかで全然なし?」
「……なしって、いうか」
「俺さ、全ッ然束縛とかしないよ? 浮気さえしなければ、もう本当全然何したっていいし。ひとりで旅行とか行かれたらちょっと淋しいけど、別にいいし。誰と何してても心が繋がってれば平気」
「……うん、いや……、まぁ」
「俺別にドラマとかに出てくる獣人じゃないけど、すげぇ一途だよ。異動前から綾瀬一筋だし、もう2年想ってた」
獣人、という単語にピクリと肩が揺れてしまった。
それに目ざとく気がついた宮下くんは、箸を握る私の手にその手を重ねてきた。
「宮下くん、ちょっと」
「──その元彼って、もしかして獣人なの?」
元彼というところに、力がこもってるのは、気のせいじゃない。
「あ、……うん。そう、だったみたい」
「それなら尚のこと、止めといた方がいいんじゃない?」
「え、」
「獣人が相手を選ぶのって、感情じゃなく本能みたいなもんなんだろ? 愛って言うより、もっと原始的なもんだって言うじゃん。そんなの口ではうまいこと言っても、制御なんて出来ないんじゃない? やめておいたほうがいいって。また綾瀬が一方的に囲われて、辛い目にあうだけだよ」
「はーいお疲れ様」
ガチんと音をたてて、ジョッキを合わせると、琥珀色のビールを喉を鳴らして飲み下していく。
目の前でみるみるジョッキが空になっていくのは、見ていて爽快なものだ。
「ぷはー、うめぇ」
「ふふっ、相変わらずいい飲みっぷりだね」
「いやー今日1日これを楽しみに、水分全然とってなかったからな」
そう言って宮下くんは、おしぼりで手を拭いながら、嬉しそうに笑みを浮かべた。
一緒に本社で仕事をしていた頃と変わらず、人好きのする笑顔。
一見厳ついんだけど、笑うとクシャっとなるところが、魅力だなぁと思う。
今日耳に入ってきた彼の噂話では、営業成績もかなり良いらしい。
確かに、あの頃に僅かに残っていた学生臭さも消え、今の彼は立派な営業マンの面持ちをしている。
桃田さんが狙っているみたいだけど、きっと社内・取引先問わず、宮下くんならモテてるんだろうな。
「今日他のメンバーつかまらなかったんだね?」
「んー。今回の出張も突然だったからな。結局、オレ綾瀬しか誘ってないんだよね。これフクオカのお土産だよ、どうぞ」
「そうなの? あ、ありがとう。ってこのぬいぐるみ、フクぽんじゃん! 可愛い!」
「あー、前に好きだって言ってたなって思って」
宮下くんが手渡してきた空港のお土産物屋さんの紙袋には、お菓子等と共に私の好きなキャラのぬいぐるみが入っていた。
可愛い見た目にそぐわず、赤い鋭い目つきの猫のぬいぐるみ。
ちょっと癖のあるご当地ゆるキャラで、唯一話す台詞は「ですとろーい!」。
そんなところにハマってるって、そういえば前に話したことがあったかもしれない。
再度お礼を言ったけれど、芋焼酎も入ってるし、随分買い込んできてくれたんだなぁ。今度なにかお礼しなきゃ。
今日はてっきり同期の何人かで飲むのかと思っていたら、指定された店に現れたのは宮下くんだけだった。
結局お店のセレクトは、居酒屋ではなく個室の焼肉屋さん。
いつもの食べ放題とかあるようなお店じゃなくて、ちょっと高級な感じ。
(ふたりきりか……。まぁ、でも仕事仲間だし)
かつてのエルと付き合ってる時だったら、仕事といえど男性とふたりで食事なんて許さなかっただろうな。
──今でもダメかな、でも何もないただの同僚だし、ふたりきりなのは不可抗力だし……。
そんなことが脳裏を掠めない訳ではなかったけれど、とりあえずビール片手にメニューを眺める。
(とりあえず食事だけ。あんまりお酒は飲まないでおこう)
一通りのオーダーを済ませ、お通しをつまもうとした時、ふと彼の視線を感じて顔をあげた。
「なに? なんか他にも頼む?」
「あ、いや。……いやー、綾瀬すごい綺麗になったよな」
「えぇえ? 何を突然」
「いや、今日会社で見かけた時から思ってたんだって。前に会ったの半年前だっけ? すげー変わったなって」
私は思わず苦笑した。今朝そういえば桃田さんから、同じようなことを言われたっけ。
綺麗云々は微妙だけれど、まさか変わったとしたら元彼の栄養管理のおかげです、とも言えず、私は曖昧な返事をかえした。
元彼、いや……多分イマ彼なんだろうけど。
「別にそんな変わんないよ。最近髪切ったからじゃない?」
「いやー……、全然違うよ。なんつーか光ってて、目を離せない感じ」
「ふはっ、何それ」
店員さんから皿を受け取り、鉄板の上に肉をのせていく。
食欲をそそる匂いとともに、ジュウジュウと焼ける肉にしばし無言になる。
その間も、宮下くんの視線は私に向けられたままだ。
「食べないと焦げるよ?」
「……綾瀬ってもしかして、彼氏、とかできた感じ、だったり?」
「えぇー、それはどうでしょうねぇ」
「いや、マジで」
真剣みを帯びた声に、私も貼り付けていた曖昧な笑みをひそめる。
別にエルとのことを隠したい訳ではない。
でも今日、エルから贈られたリングを嵌められなかったように、なんとなく後ろめたい気持ちがあるのだ。
──それはきっと、私はまだエルに気持ちを伝えてないから。
彼の想いの深さを受け止めそこねているから、だ。
すごくズルいとは分かっているんだけれど、今のエルとの関係が心地よくて……、いや言い訳だな。
私は苦笑いを浮かべた。
「うーんと……、昔の彼と、ヨリ戻そうかなって感じ」
「え!? それって前に話してた学生時代の?」
「話したことあったっけ? ほら焦げちゃうからお皿のせるよ」
「それって束縛すごかったって言ってなかったか? そんな奴と大丈夫なのか?」
「うーん……たぶん?」
「なんだよそれ」
なんだろ、宮下くん随分と突っかかってくるな。
私は居心地の悪さを感じながらも、彼の追求を交わしつつ、鉄板に肉をのせ続けた。
そんな私をよそに宮下くんは、酒杯を重ねるごとに、根掘り葉掘りと私とエルのことを尋ねてくる。
久しぶりに会ったけれど、こんなにプライベートなことを訊いてくるひとだったっけ。
尋問とまではいかないけれど、徐々に居心地の悪さを感じてしまう。
「そいつ大丈夫なのか? 信用できなくない?」
「信用……うーん」
「また行動制限されて雁字搦めにされそうじゃない? モラハラっつーの? だって前は誰と何してたか全部報告させられてたんだろー? 絶対またやらされるって。無理じゃない?」
「……それは、多分」
私は、大丈夫という言葉をビールと共に吞み込んだ。
焼肉大好きなのに、なんかよく味がわかんないな。そんな私に追い打ちをかけるように「今はよくてもまた束縛されるんじゃないの」の言葉が投げかけられる。
うん、まぁ、それは、うん。
『エルは私のこと何もわかってくれてない!』
あの頃感じていた閉塞感をかき消すように、グラスをまた傾ける。
──大丈夫、エルは私のことを今度こそ尊重するって言ってくれてたから、だから。
「綾瀬、久しぶりの再会で流されちゃったとかじゃないの?」
「ッ、もう、言い過ぎだから」
「いや、マジで。本当にいま綾瀬はそいつのことが好きなわけ?」
「もうやめてよ。宮下くんに関係ないでしょ! ……あ、ごめん」
苛立ちに任せて、つい大きな声を出してしまった。
私は周囲をチラリと見回して、少し肩を縮ませた。個室の扉は暖簾で隔てられていて、店員さんがこちらの様子を窺う様子はなかった。
それにしても、なんでこんなにも干渉してくるのか。
今日はもうお開きにした方がいいのかもしれない。そう思い、手元のビールを飲み干そうとした私の耳に、彼の呟きが耳に入った。
「──き、なんだ」
「え?」
「俺、ずっと綾瀬のこと好きだったんだよ」
「え……?」
思わず聞き返してしまった私に、彼は「本気で」と付け加えた。
しばしの間ふたりの間に沈黙が訪れ、鉄板の上で肉が焦げていく音と、微かに店内の喧騒だけが耳に響く。
誰が、誰を? 宮下くんが、私を?
からかってるんでしょう? そう返そうとして、飲み込んだ。
彼が、とても真剣な眼差しで私を見つめていたからだ。
ふたりだけの飲み会、たくさんのお土産。
思えば、これまでも彼が出張で本社に来るたびに、誘われていた。
同期の皆でパートナーも連れて大勢でキャンプしたときは、彼女とか気になるひととか連れてこないの? っていう問いに『俺はここにいるからいいんだよ』って言って、皆をざわつかせたこともあったっけ。
あの時は誰なのかわからなかったけれど、え、いつから? まさかあの頃から?
「気付いてなかった?」
「……」
「俺、すげぇストレートだったと思うんだけどな」
「ごめん……全然気付いてなかった……です」
「謝んなよ」
固まってしまった私に、好意を寄せている内に転勤が決まってしまったこと。私が遠距離恋愛は二度としたくないと言っていたから、思いを告げるのは諦めていたこと。
そして、この春からまた本社に異動が決まったことを告げた。
「なぁ、俺って綾瀬のなかで全然なし?」
「……なしって、いうか」
「俺さ、全ッ然束縛とかしないよ? 浮気さえしなければ、もう本当全然何したっていいし。ひとりで旅行とか行かれたらちょっと淋しいけど、別にいいし。誰と何してても心が繋がってれば平気」
「……うん、いや……、まぁ」
「俺別にドラマとかに出てくる獣人じゃないけど、すげぇ一途だよ。異動前から綾瀬一筋だし、もう2年想ってた」
獣人、という単語にピクリと肩が揺れてしまった。
それに目ざとく気がついた宮下くんは、箸を握る私の手にその手を重ねてきた。
「宮下くん、ちょっと」
「──その元彼って、もしかして獣人なの?」
元彼というところに、力がこもってるのは、気のせいじゃない。
「あ、……うん。そう、だったみたい」
「それなら尚のこと、止めといた方がいいんじゃない?」
「え、」
「獣人が相手を選ぶのって、感情じゃなく本能みたいなもんなんだろ? 愛って言うより、もっと原始的なもんだって言うじゃん。そんなの口ではうまいこと言っても、制御なんて出来ないんじゃない? やめておいたほうがいいって。また綾瀬が一方的に囲われて、辛い目にあうだけだよ」
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