つくもがみ図書館でお待ちしてます

佐々木ももんが

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第一章の11

ふたたびの図書館

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  目が覚めたら図書館にいた。
「あ、図書館。つくもがみ図書館だわ!」
 私は大よろこびで、知り合いの本を探した。
「みーくん、見つけた。三行半のみーくん」
 おなじみの資料をながめていると、後ろに人影が立った。
真名まな。なぜ戻ってきた」
 非常に怖い顔の文子ふみこ。と、もう一人。非情に冷ややかな顔の鏡子きょうこさん。
「どうして鏡子さんまでいるの?」
「そなたを元の世界に返すためだ」
 いやいやいや、絶対うそ。だって二人とも、目をひんむいて驚いていたもの。私が二度と戻って来ないものと思っていたはず。
「ここにいる危険がまだ分かっていないようだな」
 鏡子さんが虫けらを見るような目で私を見ている。
「私考えたんですけど、向こうとこっちを行ったり来たりしたらどうでしょう。見てのとおり、寝ればこっちに来られるみたいなので、昼間は人間界、夜は異界でちょうどいいと思うんです」
「まるで話にならん。そなたが帰れば何の問題もないことなのだ」
「話にならないのはそっちでしょ」
 私と鏡子さんが押し問答しているところに、お客さんが来た。突然現れた、という感じの唐突さでそこに立っていた。
「あのう、探している本があるんですけど」
 私と同じくらいの年の女の子だった。髪型はおかっぱで、粗末な服を着ている。
「はい。どんな本ですか?  ここにはあの世のほとんどの本がそろっています。あなたの一冊を探すお手伝いをしますよ」
 文子がいきいきとしゃべり出した。
 本を探しているということは、この子も死んだのだろうか。
「お名前は? どんな本ですか?」
「えっと、名前はまりこ。あの、実は、何を探しているのか、はっきりしなくて。なんだか頭がぼーっとして、」
 鏡子が突然意見を出した。
「ちょうどいい。この子の探し物を、真名だけの力で探し出せたら、ここの司書ししょとして認めやろう。役に立つということを証明できたら、ここにいてよし」
「はい! やります!」
「司書はあたしなんですけど。どうして鏡子さんが勝手な約束するんですか。別にかまいませんけど」
 文子のグチは無視された。やる気満々の私はまりこちゃんに向き直ると、探し物の手がかりを得ようとした。
「大きさは? 値段は? どんな外見の本かしら。縦長とかまるいとか」
「外見よりも中身だろう。どんな内容の本ですか? 小説? 日記?」
 二人がかりで質問攻めにされて、まりこちゃんは逆に黙り込んでしまった。
「あんたのせいよ」
「いや、おまえだろ」
「まあ、せいぜいがんばるといい。表面だけを見るのではなく、意図をくみ取って、本質を見ることだ」
 醜く争う私たちに捨てゼリフを残して、鏡子さんはどこかへ行ってしまった。
 困惑するまりこちゃんと、火花を散らす文子と私が残された。
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