理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界に転移しました

お礼をされて

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 キッコの街に到着した俺は聖女見習いとして活動するミミにその手伝いをさせて欲しいと懇願し、ミミは了承してくれた。

 ミミが怪我や病気を治療し、後遺症があれば俺がその最適化リハビリのスキルで後遺症を取り除くことを考えている。

 少し、この世界での暮らしにわずかな見通しが立った事を考えているとダンカンさんが俺達に話しかけてくる。

「おーーい、2人共!そろそろ俺ん家にいくぞ!」
「あ、はい」

 ダンカンさんに促されて俺達は後ろをついていき、ダンカンさん宅に到着する。

「帰ったぞーーーー!」
「あ、お帰りなさい。その方達は」
「俺の、いや俺達の恩人だ。礼をしたくてな」

 おい!ちょっと待て!こんないかついオッサンの奥さんがこんな美人だなんて、世の中、異世界だが一体どうなっているんだ⁉

「パパお帰りーーー!あれーーー!誰この人達?」
「リン、この人達はパパを助けてくれたんだ。だからお礼をしようと思って連れてきたんだ」

 なんと娘登場!このオッサンの子供とは思えない位可愛いな。多分奥さんの遺伝子が相当強いんだろう。

「お2人共とりあえずこちらのテーブルにどうぞ」
「あ、はい」
「失礼します」

 奥さんに促されて俺とミミはテーブルに座り、奥さんがどうやら料理をふるまってくれるようなのでしばらく待つこととした。

 そして奥さんの料理が完成するとテーブルに運ばれてダンカンさんや娘のリンちゃんもテーブルに座ってみんなで食事をする事になった。

「すごい、奥さん美味しいですよ!」
「まあ、お上手ですね」
「当たり前だろ!ミランダの料理はこの国1だぞ」
「もう、あなたったらほめ過ぎよ」

 え、ちょっと待って!ダンカンさん、俺達にお礼する為にこの家に呼んだんだよね。奥さんとのイチャイチャを見せつけたかったのあんた?

「そういえばあんちゃん達、怪我の治療をする仕事をするって言ってたな」
「そうですね、これから俺とミミは空いている建物を探してみますし、なければ最低限雨をしのげるような場所さえあれば……」
「待ってくれ、確か俺が今は使っていない倉庫があるからそこを使うってのはどうだ?もちろん使用料はいらねえ」
「いいんですか?」

 俺が問いかけるとダンカンさんが返答をする。

「構わねえよ、2人がいなけりゃ、俺は働くこともできなかったし。そうなりゃあミランダとリンは路頭に迷っていただろうし、これくらいさせてくれ。いいだろうミランダ?」
「もちろんよ。私達家族にとってあなたは恩人なのですから」

 ミランダさんのこの口ぶりからダンカンさんから俺達が何をしたのか聞いていそうだな。

 それにしても料理だけじゃなく、場所まで提供してくれるとは、ダンカンさん顔は怖いがあんたいい人だよ。
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