29 / 273
異世界に転移しました
初往診
しおりを挟む
自宅から診療所まで自力で移動できない人の為に俺は往診という形で訪問すべく、アレフさんへの相談の為、詰所に赴き、そこでアレフさんよりそういう人がいるという情報をもらい、兵士の人と一緒にそのお宅に訪問する事とした。
アレフさんに教えられたお宅に赴き、到着すると兵士の人が俺に声をかける。
「ミヤシタ殿、まずは自分が先に様子を見てくるから、ここで待たれよ」
「あ、はい」
そう言うと兵士の人はその家の扉の前に立ち、中の住人に呼びかける。
「詰所より参った!すまぬが中に入れてはもらえぬか!」
兵士がそう呼びかけると中から若い男が出てきた。
「あのーー、何か御用でしょうか?」
「こちらのお宅では確か老婆が自力では動けず、若い貴殿が世話をしていると聞いてな」
「祖母のことでしょうか?確かに以前祖母は骨折をしてから僕がずっと1人で看ています」
「こちらにいるユーイチ・ミヤシタ殿ならその状態を治せるかもしれないのでお連れした次第だ」
兵士は俺を若い男に紹介して、俺も自己紹介をする事にした。
「どうも、ユーイチ・ミヤシタです。実は今日より診療所を開設したんですが、自力で動けない方の為に往診もすることにしたんです」
「診療所?往診?まあとりあえず中に入って下さい」
若い男に促され、俺達は家の中に入り、更に男により祖母の寝床まで案内される。
寝床につくと、そこにはベッドで横になっている老婆がいて、男は祖母の現在の状態について話し始める。
「祖母は以前買い物中に骨折してしまい、その際に治療を受けたのですが、自力での歩行が難しくなってずっとあんな感じなんです」
「面倒を見ているのはあなた1人ですか?他のご家族の方は?」
「父も母も僕が幼い時に死んで、祖母が僕を育ててくれたんですが、こうなって働きに出るのも難しくて」
なるほど、こういう問題は俺の暮らしていた日本でもよくあったな。見たところこの異世界には治療以降の事を担う施設がなさそうだし、日本以上に大変そうだな。
あの二コラ君は子供、ダンカンさんは働き盛りだったから比較的スキルの効果も早く出たが、老人にもどれ程効くかは未知数だな。
ん?そうだ!
「すいません少し外に出ます!確かめたい事があるので!」
「え!あ!はい!」
そう言った俺は家の外に出てスマホを起動させ、スキルページを確認するとやはり俺の思った機能があった。
この機能を活かさない手はないな。
この機能は音声認識の為俺が直接スマホに向け声を出す。
「質問だ!このスキルの効果が年齢により差があるかを教えてくれ?」
検索中と液晶に出たが、果たしてその回答とは?
アレフさんに教えられたお宅に赴き、到着すると兵士の人が俺に声をかける。
「ミヤシタ殿、まずは自分が先に様子を見てくるから、ここで待たれよ」
「あ、はい」
そう言うと兵士の人はその家の扉の前に立ち、中の住人に呼びかける。
「詰所より参った!すまぬが中に入れてはもらえぬか!」
兵士がそう呼びかけると中から若い男が出てきた。
「あのーー、何か御用でしょうか?」
「こちらのお宅では確か老婆が自力では動けず、若い貴殿が世話をしていると聞いてな」
「祖母のことでしょうか?確かに以前祖母は骨折をしてから僕がずっと1人で看ています」
「こちらにいるユーイチ・ミヤシタ殿ならその状態を治せるかもしれないのでお連れした次第だ」
兵士は俺を若い男に紹介して、俺も自己紹介をする事にした。
「どうも、ユーイチ・ミヤシタです。実は今日より診療所を開設したんですが、自力で動けない方の為に往診もすることにしたんです」
「診療所?往診?まあとりあえず中に入って下さい」
若い男に促され、俺達は家の中に入り、更に男により祖母の寝床まで案内される。
寝床につくと、そこにはベッドで横になっている老婆がいて、男は祖母の現在の状態について話し始める。
「祖母は以前買い物中に骨折してしまい、その際に治療を受けたのですが、自力での歩行が難しくなってずっとあんな感じなんです」
「面倒を見ているのはあなた1人ですか?他のご家族の方は?」
「父も母も僕が幼い時に死んで、祖母が僕を育ててくれたんですが、こうなって働きに出るのも難しくて」
なるほど、こういう問題は俺の暮らしていた日本でもよくあったな。見たところこの異世界には治療以降の事を担う施設がなさそうだし、日本以上に大変そうだな。
あの二コラ君は子供、ダンカンさんは働き盛りだったから比較的スキルの効果も早く出たが、老人にもどれ程効くかは未知数だな。
ん?そうだ!
「すいません少し外に出ます!確かめたい事があるので!」
「え!あ!はい!」
そう言った俺は家の外に出てスマホを起動させ、スキルページを確認するとやはり俺の思った機能があった。
この機能を活かさない手はないな。
この機能は音声認識の為俺が直接スマホに向け声を出す。
「質問だ!このスキルの効果が年齢により差があるかを教えてくれ?」
検索中と液晶に出たが、果たしてその回答とは?
0
あなたにおすすめの小説
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる