理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界に転移しました

1日の終わり

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ある民家に住む祖母と孫の家に初の往診に赴いた俺は、そこで骨折がきっかけで寝たきりになった祖母に対してスキルを発動させて後遺症は取り除いたが、足のふらつきを祖母が訴えた為、リハビリメニューをメモで渡し、今現在俺がリハビリのレクチャーを孫にしており、孫は真剣に聞いていた。

「とりあえず、まずは簡単な歩行訓練から初めてください。しばらく自分は昼間には毎日訪問するので、それで様子を見ながらメニューの変更をしていきます」
「ありがとうございます、仕事が見つかって収入が入れば必ずお支払いします」

 孫が俺に強く呼びかけていると、兵士が孫に声をかける。

「明日もミヤシタ殿がこちらに訪問するならば、貴殿は明日に詰所に来るがよい、仕事の紹介をしてもらった方が良いだろう」
「あ、はい、ありがとうございます」
「今日のうちに貴殿の事は話しておくからな」
「ありがとうございます!」

 兵士と孫のやり取りが終えたのを見てから、俺は祖母と孫に帰りの挨拶をした。

「それじゃあ、今日の所はこれで失礼します。また明日もよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします、今日はありがとうございました」
「本当にありがとうございました!」

 2人からのお礼の言葉を受けて、俺と兵士は家をあとにした。

「それじゃあ、俺は診療所に戻って午後の診療の準備を始めないといけないので、これで失礼します」
「ミヤシタ殿、とりあえず今日の事はアレフ様に報告しておく、当分毎日、あの老婆のリハビリとやらの成果を見に兵士が付くだろうから、行く際には詰所に一度立ち寄ってくれ」
「はい、分かりました」

 俺の言葉を聞いた兵士はそのまま詰所に戻っていき、俺も診療所を目指し歩き出す。

 しばらく歩いて、ようやく診療所にたどり着き、扉の鍵が開いてるのを確認するとそのまま入り、診察室に行くとミミがいて、ミミから俺に声をかける。

「あ、お帰りなさいユーイチ様」
「ただいま、ミミ。ところで俺がいない間に変わったことがなかったか?」
「はい、大丈夫でしたよ」
「そうか、俺は……」

 そこから俺はミミに今日の出来事と明日以降の動きを話した。今日会った老婆にスキルを適用させたこと、診療時間外に当分毎日リハビリをする事を伝えた。

「そうだったんですか、おばあ様がお元気になって、お孫様が働けるといいですね」
「俺もそう思うよ、おばあさんが自分の身の回りの事ができる位回復すればいいんだけどな」

 今日会った、孫と祖母に思いを馳せつつも、俺はミミに呼びかける。

「さあ、そろそろ午後の診療準備を始めるぞ」
「はい!」

 こうして俺達は午後の診療準備を始め、扉にかけてるプレートをひっくり返して、午後の診療開始を外にアピールした。

 午前は母親と子供が診療所に多く来ていた印象だったが、午後は仕事終わりの為か男女問わず、様々な年齢層の人がやって来た。

 ただ、午後からの診療も特に俺のスキルが必要な人はおらず、午後からの診療も無事に終え、今日1日が無事に終了した。

「ふう、いい時間だし、そろそろ診療所を閉めるか」
「そうですね、今日はお疲れさまでした」
「ミミもお疲れ様、夕飯は……」
「診療初日ですし、どこかで食べませんか?今日は慣れないことだらけで疲れましたし」
「そうだな、今日の分の収入は申請しないと入らないが、まだ領主様からの報酬があるし、少しだけ贅沢するか」

 そういうわけで、俺達は少しばかりの贅沢をしに外食をする事とした。

 今日1日頑張った自分達を労う為に。そして明日以降の活力も養う為に。
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