理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界生活は大変です

いざボッズへ

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 あれから4日が過ぎ、ボッズの街に向かう日がやって来た。あらかじめ貸馬車は予約していたし、昨日までの診療記録も提出済みだ。とりあえず現金は持っていく。昨日のうちにミミにも半分渡した。食材はまあ少し残ったから、近所に配った。一応食べる事はできるからな。

 ミミの借家に行き、ミミを迎えに行かないとな。

 そう考え、ミミの借家の前に到着すると、俺は扉をノックし、ミミが出てくるのを待つ。

 しばらく待っていると既に身支度を終えたミミが出てきて、俺に朝の挨拶をする。

「おはようございます、ユーイチ様。もう私はいつでも大丈夫ですよ」
「おはよう、ミミ。それなら貸馬車の所に行くか」
「はい」

 俺とミミはそのまま貸馬車を予約した斡旋所に向かい、その途中で話をする。

「とりあえず貴重品は全て持っているが、それでもなかなか不安はぬぐえないな」
「途中でも野盗に襲われる事もあるかもしれませんしね、そこは私が魔法で追い払いますので」
「悪いな、手をわずらわす事になりそうで」
「仕方ありませんよ、ユーイチ様のスキルは戦闘用ではないですし、元の世界は平和で戦闘訓練も受けていないんですよね」

 確かにそうだ、この世界の人達との体力差を感じる事は多々あったし、本当にこのスキルがなければ生きていけなかったかもしれないな。

 そんな事を考えながら貸馬車の斡旋所にたどり着き、1人の男に声をかけられる。

「もしかして、ご予約されたお客様ですか?」
「はい、予約をしていたミヤシタと申します」
「ミヤシタ様ですね。本日は私が馬車を御させていただきます、さ、どうぞこちらへ」

 今日俺達が予約した貸馬車の御者さんの案内で、俺達は馬車を用意している街の外に案内される。

 街の外に着くと、そこには馬車が停車されており、馬車を見た瞬間にミミが俺に心配そうに声をかける。

「そういえば、ユーイチ様。前に馬車で酔われていましたよね、ボッズの街は領主様の館よりも遠いですし、大丈夫ですか?」
「ああ、だけどさすがに馬車を使わないわけにはいかないしな。もしまた馬車酔いしたら魔法で治してくれ」
「はい、時間もかかるので少しお休みしながら行くのもいいですよ。到着すれば私か御者様が起こしますから」
「そうだな、お言葉に甘えさせてもらうよ」

 俺達は馬車に乗り、御者さんが馬車を御し、遂に馬車は動き出した。

 やっぱりというか、この道もガタガタでとても寝る暇はなく、結局俺は馬車酔いでダウンし、結果的にはボッズ到着まで休めたのだ。
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