理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界生活は大変です

本の話

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 話の流れからミーザにも俺が異世界からの転移者という事を話し、その流れに乗り、俺は昼間にアレフさんとしたもする事とした。

「ミミ、ミーザ、2人にも聞いて欲しい、いや話さなくてはいけない事がある」
「何でしょうか?」
「何?」

 2人が俺の発言に反応し、俺は本の話を順を追って話す事とする。

「実は今日アレフさんから聞いたんだけど、領主様が治癒士に俺の作ったリハビリメニューを公開するつもりらしいんだ」
「そんな話があったんですか?」
「それってユーイチにとってはいい事なの?」
「いい悪いの話し以前に、俺が領主様に渡したメニューはあくまで領主様の息子さんにしかあてはまらないケースだから、さすがにそれを広めるわけにはいかない」

 あくまで領主様の息子である二コラ君に合わせたケースであり、それを誰にでもあてはめるわけにはいかない事を強調すると共に俺は自分が考えている事を2人に伝える。

「だから俺は自分がリハビリの教本を書くから領主様にその本を買い取って欲しいと訴えてみたんだ」
「ユーイチ様が教本を書かれてそれを買い取っていただくおつもりなんですか?」
「そのリハビリってやつの知識はこの国の治癒士でも知らないんだろ、それを本にするなんてあんたすごいよ」
「それだけじゃない、もし治癒士の中で個人的に欲しい人がいたら依頼を受けて書こうとも思っている」

 俺が本を書こうと考えている事を聞いた2人の反応はかなり違っていた。

「すごいよ、ユーイチ!どうせなら少々でも高めに売ろうよ、あんたしか知らない事なんだから」
「でもユーイチ様、診療や往診でもお忙しいのに、お身体のほうは大丈夫なんですか?」
「印刷にいくらかかるか分からないし、そこは考慮してみるよ。それからミミ、俺のいた世界では知識を持った人がその手の本を執筆する事はさほど珍しくない事なんだ。まあ診療所が休みの日にたくさん書いてみるよ」

 2人に本の話をすると午後の診療の時間になっていたので、2人に呼びかける。

「さあ、2人共そろそろ午後の診療時間だそろそろ開くぞ」
「はい」
「うん」

 こうして午後からの診療が始まり、患者が訪れてくる。

 そして診療の合間に1人の女性が声を俺達にかけてくる。

「聞いたわよ、コソ泥を捕まえたんですってね」
「ええ、彼女が自分達が留守の間に捕まえてくれたんです」
「すごいわねお嬢さん」
「えへへ、まあ……」

 ミーザのおかげであの時の空き巣犯は捕まった。でもまだああいう輩は現れるだろうし、これからもミーザの力は必要だし、頼りにしてるぞ。
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