理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

骨のずれ

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 ギベルトさんの腕を新たに照射診断する事で腕の骨がずれていることが分かった俺は診療所に戻っていき、扉をノックする。

「ユーイチ様、お帰りなさいませ、それでギベルト様の腕のご様子はいかがでしたか?」
「その事だけど、午後の診断が終わったら話したい事があるけどいいか?」
「え?分かりました……」

 いきなりこんな言い方をすれば不安になるか。でも仕方ない、今話せば午後の診療時間に重なり、話が中途半端になるし、診療が終わってから予告なしにすればそれはそれで混乱するだろうし、前置きはしておいたほうがいいだろう。

 ミーザも俺達の話を聞いて少し不安そうにしているが、何とか午後の診療は何事もなく終了した。

 診察室の片付けが終了し、ミミにギベルトさんの状態を話そうとする時、ミーザが声をかける。

「ねえ、もしかしてあの鍛冶師の腕の状態って思ったより悪いの?」
「ミーザ?」
「だってさ、そうでないとわざわざあんな言い方しないじゃん」
「ミーザ、少し俺の思っていた事と違う事が分かったからこうやってミミに相談しようと思ったんだ」

 どうもミーザはギベルトさんの腕が相当悪いと思ったようだ。まあそれも間違いではないんだけどな。

「あたしも聞くよ、治療の役には立てないかもしれないけど。2人だけに考えさせるのも悪いからさ」
「いや、魔物や悪党との戦闘経験のあるミーザの意見も参考になるかもしれない」
「それっでどういう事?」
「まあ、2人共、まずはこれを見てくれ」

 そう言って俺はスマホで撮影したギベルトさんのレントゲン写真を2人に見せる。

「ユーイチ様、これは?」
「ギベルトさんの腕を照射診断したものだ。よく見てくれ。骨がずれているようにみえないか?」
「これが人の骨なんですね?確かに少しずれているようにも見えますね」
「ギベルトさんは筋力は戻ったと話しているが、鍛冶の鉄の打ち込みが上手くいかない原因はこれだと思っている」

 俺がレントゲンを見て思った自分の考えを話すとミーザが思い出したかのように話す。

「そう言えば、ボッズでも剣の腕のいい傭兵がいたけど、大ケガをして治ってから仕事復帰したけど、剣が思うように振れないって話をしていた奴がいたよ」
「それでその傭兵はどうしたんだ?」
「その鍛冶師の話と同じで重いものは持てたけど、剣の振るい方が上手くできなくて、結局廃業したんだけどね。本人は剣を握っていない期間が長すぎたって言ってたけど」

 その傭兵も多分、ギベルトさんと似たケースだな、さてまずは骨のずれだな。
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