理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

作成!リハビリ器具

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 俺に礼がしたいからとギベルトさんは診療所を訪れたので、俺は礼代わりにリハビリ器具の作成を依頼しようと思い、以前ゴルさんが描いてくれたハンドグリップのイラストをギベルトさんに見せる。

「これがリハビリ器具ってやつなのか?」
「ええ、現物がないのでイラストという形でしか示せませんがいかがでしょうか?ちなみにそれはハンドグリップと言って……」

 とりあえず、ハンドグリップの構造と使用目的について話す。

「これはゴムを使うんだな、この絵を少し借りていいか?とりあえず作ってみる」
「ええ、大丈夫です。あと時々こちらから途中経過の確認の為に工房に行ってもいいですか?」
「おお、来てくれ!あんたはそのリハビリ器具ってやつに詳しいんだろう」
「はい、どんなできか確認させてもらいますね」

 俺がそう言うと、ギベルトさんは立ち上がって、帰りの挨拶をする。

「じゃあ、帰って早速とりかかるぜ!じゃあな」

 そう言ってギベルトさんは診療所をあとにし、自分の工房へと戻っていく。

「なんか、張り切っているね」
「あの人にとっては初めての挑戦のはずなのに、かなり前向きだな」
「それはユーイチ様があの方の苦しみを正面から受け止めて、その上で新しいスキルで鍛冶能力を戻したからだと私は思いますね」
「ありがとうなミミ」

 できたことができなくなる苦しみを俺も少しは分かっていたからこそ、ミミの言うように正面から受け止めたいと思ったんだ。

 それにしてもまさか作業療法の範囲に及ぶ事をスキルという形で習得する事になるとはな。

 発動条件は少し厳しいが、理に適ているのは間違いない。

 だがここで俺は少し疑問に感じた事がある。そもそも俺は作業療法は本来専門外にも関わらず、それに準ずるスキルを何故習得できたかって事だ。

 チーム医療で作業療法士と意見交換や引き継ぎとかはしてはいたが、がっつりと作業療法に関わっていたわけではないからな。

 最適化リハビリを習得した事といい、やっぱりザリアンさんの考えるように俺がこの世界に来た意味の1つなのか?応用化アプリケーションを習得した事も含めて、ならばこのスキルを活かして新しい事を始められないだろうか……。

 まあ、まずはリハビリ器具の完成を待つか。

 それから3日経ったある日、俺は一度様子見にギベルトさんの工房を訪れようと思ったが、その日に意外な出来事が起きた。

「それじゃあ、もうすぐ午前の診療が終わるし、休憩時間にギベルトさんの工房に行ってくるよ」
「そうですね、それがよろしいかと……」

 ミミとそう話していると診療所のドアが開き、そこにはギベルトさんがいた、しかも……。

「1度も様子見にこなかったけど、できたから直接見せに来たぜ」

 え?もう完成したのか、少し複雑だから時間がかかると思ったのに。
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