理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

2人の言い分

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 詰所にてアレフさん立会いのもと、改めてギベルトと正式なリハビリ器具の作成の契約を結んだ俺は、更に貸し出しサービスの提案書と別途で用意した契約書をアレフさんに目を通してもらっていた。

 その時にアレフさんに器具使用による診療報酬の上乗せ分の1割を修理や整備が行われた際にギベルトに支払う理由を問われ、交換等が発生した場合の補償代わりと返答する。

「なるほど、君の患者に余計な負担をかけたくない気持ちは分かった。が、低収入者の診療報酬は以前より我々が補償しているが、今回に限りなぜ上乗せ分の一部をギベルト殿に支払うのだ?」
「彼は俺に腕を治してもらった恩もあり、格安で診療所のリハビリ器具の作成を請け負ってくれています。ですがやっぱりそれだけで良いのかなというのが俺の考えです」
「待てよユーイチ!気持ちはありがたいが、そこまでしてもらう必要はねえよ、俺は武器の開発も請け負ってその報酬だってきっちりもらっているんだからよ」
「数はどうなんだ?以前のような数をこなせているのか?」

 俺がギベルトに数をこなしているかを尋ねると、ギベルトは少し言いよどんでいる様子を俺に見せた。

「そ、それは……」
「その様子だと数をこなせていないようだな」

 ギベルトの様子から武器開発の数はそれほど多くなさそうだと俺は察し、アレフさんの方を向き直し改めて現状を訴える。

「アレフさん、聞いての通り彼は体力が落ちている事と診療所のリハビリ器具も請け負っている事で武器の開発の数自体は以前より落ちている事が推測されます」
「ユーイチ!」
「おまけにリハビリ器具の作成は格安で請け負ってくれています。だからせめて少しでも彼の技術と努力に報いたいと思ったんです」
「待てよ!お前がいなけりゃあ俺は鍛冶師を続ける事すらできなかったんだ、俺が少し調子を戻せば……」

 あくまでも俺の提案に遠慮しながらも吠えるギベルトだったが、次の瞬間アレフさんも叫ぶ。

「2人とも、少し落ち着け!これでは話がまとまらないではないか」
『す、すいません』

 俺達がそろって謝ると、アレフさんが状況から新しい案を出してくれた。

「2人の言い分は理解した、本来ならあまり事業への口出しは違法でない限りご法度だが、この街を預かるものとして言わせてもらう」
「はい」
「ミヤシタ殿、器具使用による診療報酬の上乗せは認めよう、ただしギベルト殿への支払いは認められない」

 ダメか、何かギベルトに報いたかったのに。

「それからギベルト殿、格安請負でなく適正価格で請け負いたまえ」
「え?」
「恩人に報いたいのは分かるが、職人があまり自分の腕を安く売るのもいかがとは思うぞ、今後も対等な関係でありたいのならなおさらだ」
「対等な関係……、はい、そうですね」

 何とか無事話しがまとまりそうだ、やっぱりアレフさんが間にいて良かった。
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