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異世界で仲間が増えました
器具レンタル開始の案
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ギベルトが俺達の診療所で扱うリハビリ器具の作成を請け負う約束をしたが、ギベルトの事は信用しているし、ギベルトも俺達の事を信用してくれていると思ってはいるが、何かしらのトラブルが起こる事も想定されるので、第三者としてアレフさんに立ち会ってもらい、現在、詰所で俺、ギベルト、アレフさんの3人で契約内容について話をしていた。
とりあえず契約内容がまとまりそうなのでアレフさんが最後に俺達に確認をする。
「ではミヤシタ殿もギベルト殿もこの契約内容で問題ないのだな?」
「はい」
「それで大丈夫です」
「では貴殿らも指印で構わぬから印をしてくれ、これが朱肉だ」
ああ、良かった騎士や兵士がいるような世界だから血判をしろと言われるかと思ったけど、痛い思いはせずにすんで少し安心している俺がいる。
「ミヤシタ殿、何か安心しきった顔をしているようだが、契約内容がまとまって気が抜けたのか?」
「あ、いえ、そういうわけではないのですが……」
「……まあいい、印を頼むぞ」
アレフさんに促されて俺達はそれぞれいわゆる契約書に指印を押した。これで俺達、ミヤシタ・リハビリ・クリニックとギベルトとの間にリハビリ器具の作成契約が成立した。
「アレフさん、今日はこのリハビリ器具についてもう1つお話を進めたいのでよろしいですか?」
「何だ?」
「実はこのリハビリ器具の貸し出しサービスを実施したいと思って、提案書ともう1つの契約書を用意しました」
「ほう、貸し出しサービスとな、どれ……」
アレフさんは無言で俺の提案書とギベルトとのリハビリ器具作成とは別で用意したもう1つの契約書にしっかりと目を通しており、読み終えると俺に対して提案書の内容について改めて確認する。
「ミヤシタ殿、このリハビリ器具の貸し出しが行われた際は診療報酬に上乗せをするという形は私も理解できる」
「はい」
「だが契約書にはさらに器具の修理や整備が行われる際には上乗せ分の1割をギベルト殿に支払うという事が書いているな」
「ユーイチお前!」
ギベルトが驚いている中、アレフさんは俺に契約書の内容について尋ねる。
「鍛冶師は道具を作成した時点で依頼を完了している。もし修理や整備が必要ならば患者自身に依頼してもらうのが筋ではないか」
「貸し出しとなると一定期間は患者さんの元で器具を管理する事にはなりますが、リハビリ器具は扱い等で破損もありえますし、患者さんに責任を負わさず、別途で代替品を用意する場合はこちらが負担をするのが筋なのでこういう形をとらせてもらいました」
もちろん、俺の考えはそれだけではなく、これはギベルトの為でもあるんだ。
とりあえず契約内容がまとまりそうなのでアレフさんが最後に俺達に確認をする。
「ではミヤシタ殿もギベルト殿もこの契約内容で問題ないのだな?」
「はい」
「それで大丈夫です」
「では貴殿らも指印で構わぬから印をしてくれ、これが朱肉だ」
ああ、良かった騎士や兵士がいるような世界だから血判をしろと言われるかと思ったけど、痛い思いはせずにすんで少し安心している俺がいる。
「ミヤシタ殿、何か安心しきった顔をしているようだが、契約内容がまとまって気が抜けたのか?」
「あ、いえ、そういうわけではないのですが……」
「……まあいい、印を頼むぞ」
アレフさんに促されて俺達はそれぞれいわゆる契約書に指印を押した。これで俺達、ミヤシタ・リハビリ・クリニックとギベルトとの間にリハビリ器具の作成契約が成立した。
「アレフさん、今日はこのリハビリ器具についてもう1つお話を進めたいのでよろしいですか?」
「何だ?」
「実はこのリハビリ器具の貸し出しサービスを実施したいと思って、提案書ともう1つの契約書を用意しました」
「ほう、貸し出しサービスとな、どれ……」
アレフさんは無言で俺の提案書とギベルトとのリハビリ器具作成とは別で用意したもう1つの契約書にしっかりと目を通しており、読み終えると俺に対して提案書の内容について改めて確認する。
「ミヤシタ殿、このリハビリ器具の貸し出しが行われた際は診療報酬に上乗せをするという形は私も理解できる」
「はい」
「だが契約書にはさらに器具の修理や整備が行われる際には上乗せ分の1割をギベルト殿に支払うという事が書いているな」
「ユーイチお前!」
ギベルトが驚いている中、アレフさんは俺に契約書の内容について尋ねる。
「鍛冶師は道具を作成した時点で依頼を完了している。もし修理や整備が必要ならば患者自身に依頼してもらうのが筋ではないか」
「貸し出しとなると一定期間は患者さんの元で器具を管理する事にはなりますが、リハビリ器具は扱い等で破損もありえますし、患者さんに責任を負わさず、別途で代替品を用意する場合はこちらが負担をするのが筋なのでこういう形をとらせてもらいました」
もちろん、俺の考えはそれだけではなく、これはギベルトの為でもあるんだ。
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