理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

人との協力

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 ミミよりお店で料理を提供する事も、リハビリの為の食事メニューを作る事も人を喜ばせる意味では同じなのかどうか聞かれたメルは過程は違うと話をした。

 店の料理は基本的にお客さんの好きなものを食べてもらうわけだが、リハビリ用の食事はこちらで指定したものを食べてもらうのでそこからして違ううえ、リハビリの結果はすぐにでるものではないから、食による満足度をはかるのには時間がかかると言うのだ。

 俺もスキルを活用してすぐにできた後遺症は取り除けるが、長期で付き合った後遺症は取り除いても筋力とかが弱っているからそのリハビリに根気よく付き合わなければいけない。

 メルも少しだがリハビリの大変さは理解しているようだな。

「それにお店はいつかは人も雇うけど、今の所私1人で回していっている状態なのよ。でもリハビリの食事メニュー作りはユーイチ君やミミちゃん達と協力する事になるからそこも違うわね」
「メルさんにとって、その、私達と協力しても良いって思った理由って聞いてもいですか?」

 ミミより質問をされて、メルは一度俺に確認を取った。

「ユーイチ君、もしかしてまだ私のお父ちゃんの事を話していないの?」
「ああ、そうだな、どうせ話すならメルの口から自分のタイミングで話すのがいいと思ってな」
「そうだったの、理由を話す前にまずは私のお父ちゃんの話をみんな聞いてくれる?」
「はい」

 ミミが返事をするとミーザやギベルトも頷き、メルは前に俺に話してくれた自分のお父さんが若い頃は傭兵をやっていて、そこでの炊き出しをきっかけに料理で人に喜んでもらう事を嬉しく思い、料理店を開店するきっかけになった事をミミ達に話した。

「メルさんのお父様がそのような事を」
「傭兵って大抵廃業したときにお店をやる人が多いけどメルのお父さんもそのクチだったんだ」
「すげえけど、それとあんたが俺達と協力してもいい理由は関係あるのか?」

 それぞれが反応を示す中、メルはお父さんの事を通して自分の気持ちを俺達に伝えた。

「まずね、お父ちゃんならきっとユーイチ君の提案にのりそうかなって思った事、そしてあなた達の輪に入りたいって思ったの」
「私達の輪、ですか?」
「うん、家族でお店をしてた時はとても大変だったけど、すごく充実してた。お店を追い出されてからはずっと1人だったし、誰かと同じ目標をもう一度持ちたいって思ったの」

 メルの話をみんなが真剣に聞いている。そしてこの後メルは以前俺の話した事に対して改めて返答をくれた。
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