理学療法士だった俺、異世界で見習い聖女と診療所を開きました

burazu

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異世界で仲間が増えました

信じる事に

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 ソフィアさんよりアレフさんが詰所に来て欲しいという伝言を聞き、俺はまさに診療所を出ようとしたところ、同じく詰所に呼ばれていたメルがやって来て、話しながら行こうというのだ。まあ、待つのも待たすのもなんだかなと思ったし、一緒に行くのもいいな。

「おお、行こうか」
「そうこなくっちゃ、あ、ミミちゃん、ミーザちゃん、ユーイチ君をしばらくお借りしまーす」

 お借りしますって、俺は結構不安も入り混じっているのにメルは結構明るいな。

「お気をつけてください」
「なんなら診療所が休みの日はお店を手伝ってもらってもいいよ」

 そこは自分も手伝うじゃなく、俺だけを手伝わすのか、なんて奴だ、形式上とはいえ俺はミーザの雇用主だというのに。

「うーーーん!働き手の募集でも集まらなかったら、少し考えようかな」

 冗談だよな、冗談だよな!お願いです、どなたかメルさんのお店で働いてください。

「何てこと言ってる場合じゃなかった、ユーイチ君早く行きましょう」
「いや、メルが変な事を言ったからおかしい事になったんだけどな」
「ええーーー、そうなの?ま、とりあえず早く行きましょう」

 こいつ、サラッと流しやがった。まあいい急がないとはいけないしな。

 診療所を出てしばらく歩くと、メルから口を開いた。

「ユーイチ君、もしかして緊張している?」
「当たり前だろう、こういう事は診療所を開くときから何度も経験しているがいまだに慣れないな」
「何度もね、すごいわね」
「そうなのか、結構思い付きの部分もあるし、それに俺だけじゃ無理な事も多いしな」

 俺が新しい事を診療所の事業としてアレフさん達に提案する時は大概、協力してくれる人が現れてからだ。

 ギベルトしかり、メルしかり、今にして思えば教本づくりもミーザが加わって多少は人手に余裕ができた事もきっかけだったかな。

「でもさ、ユーイチ君が今回のリハビリ中の料理もそうだけど、何か新しい事を始める時って、それが患者さんに必要だと思ったからなんでしょう?」
「確かにそうだが……」
「私もそうだけど、それを一緒にやりたいって人がいて、アレフさんも良いと思ったから今まで認めてもらったのよね。だからさ上手くいくって信じようよ」
「メル、そうだな、ありがとな」

 メルも俺の考えている事がいいと思ったからこそ、協力してくれたんだよな。だからメルを信じる事にするよ。

「まあ、もしダメだったら私は時々お弁当をみんなに届けてあげるし、ユーイチ君も時々はお店を手伝ってね」

 やっぱりこいつ信じて大丈夫なのか?
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