補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

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冒険者デビュー

ミヨモの魔法

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 ダンジョン内の宝箱から杖を手に入れたニラダとミヨモはミヨモにとってとてもしっくりくるという感想が述べられた為、ミヨモが装備する事になり、そんな中、自分達に接近する魔物に気付き、ニラダはミヨモに魔法で迎撃するよう指示を出す。

「でもニラダ君、私実戦で魔法使うの初めてだし、大丈夫かな?」
「それを確かめる為のものでもあるんだ。もし魔物を仕留めそこなったら俺が接近戦で奴らを倒すからミヨモの全力を見せてくれ」
「分かった、私頑張る」

 そう言ってミヨモはまだ距離のある事を利用して呪文の詠唱を始める。

「我に宿りし火の力よ、我が敵を焼き給へ!ファイヤーボルト!」

 そうミヨモが呪文を詠唱すると無数の火の矢がミニゴブリン達に放たれて一瞬で魔物達を焼き尽くし、すぐさま魔石化するのであった。

「すごい!一瞬であの魔物達を!やったなミヨモ」
「う、うん。ニラダ君が全力でって言ったからやってみたけどこんなに威力があったなんて」
「本当にすごいよ、冒険者になりたてでこんな強い魔法が使えるなんて」
「う、うん、あ、早く魔石を回収して移動しよう。次の階の階段も探さないと」

 ミヨモの言葉に従い、ニラダは魔石を回収してその場から移動を開始する。

 そして次の階に向かう為の階段を探している途中でミヨモから謝罪の言葉がニラダに対して放たれた。

「ニラダ君、ごめんね……」
「どうして急に謝るんだ?ミヨモが魔物を倒してくれたし、感謝しかないよ」
「でも私がやりすぎてミニゴブリンの素材になる部位が手に入らなかったし、なんか悪いと思って」
「何かと思えばそんな事か、さっきのはミヨモの魔法がどれくらい強いか知りたくてああいう風に言ったし、ミヨモが気にする事じゃないよ」

 ニラダはあくまでもミヨモの魔法の威力を確かめる事が目的だと主張し、ミヨモに気にしないよう述べる。

「まあ、さすがに俺の想像を超えてはいたけどね」
「でもやっぱり強い武器や防具を得る為には素材が必要だし、私もったいない事しちゃったのかなって思うよ」
「ミヨモ、確かに冒険者には強い装備が必要だけど、まずは生き残ってクエストを達成する方が大事だと思う。変に手加減して強い魔物だったら全滅しちゃうしね」

 ニラダは生き残ってクエストの達成を目指す事が最も大事な事だと主張し、更に自分の考えを話す。

「合同クエストで一時的かもしれないけど、一緒にパーティーを組む人の全力はやっぱり知っておく必要があるとも思うしね、だから確信したよ」
「確信?」
「ああ、俺達2人ならこのクエストは達成できる、そう信じて進もう!」

 ミヨモの魔法を見て、このクエストが達成できると強い言葉を放つニラダ、ミヨモの心にはどう響いたのか?
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