補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu

文字の大きさ
21 / 192
冒険者デビュー

達成の喜び

しおりを挟む
 ニラダとミヨモは合同クエスト『ダンジョン探索』に挑み、全ての達成条件を満たす事に成功する。そこですかさずニラダがミヨモに呼びかける。

「よし、これでこのクエストの達成条件は満たした。もう長居は無用だし、ギルドに戻ろう」
「うん、でもいいの?少しでも探索してもう少しアイテムの回収をしたり、魔物をやっつけたりしなくて」
「今回のクエストはあくまで俺がどうしてもある冒険者達の鼻を明かしたくてこのクエストに挑みたいって頼んだんだ」
「そうなの?」

 ニラダは本来挑めないクエストに挑んだのは自分をバカにした冒険者達の鼻を明かしたい気持ちもあった事を打ち明けた。それを聞いてミヨモは少し戸惑いの表情を見せ、更にニラダは発言を続ける。

「最低限の達成条件は満たしたし、これ以上ミヨモにも無理はさせられないよ」
「……ニラダ君がそう言うなら私もこれ以上は無理はしないわ。でもこれだけは言わせて」
「あ、憂さ晴らしに巻き込んだことを怒っている?」
「ううん、このクエストに挑む事を決めたのは私だし、それは怒っていない。むしろ、私にも大きなクエストに挑むきっかけを与えてくれて感謝しているわ」

 ミヨモはニラダがクエストに挑んだ理由を聞いても特に怒る事はなく、むしろ感謝の気持ちを伝えた。

「とりあえず今は早くダンジョンを出ましょう、ギルドに戻ったら相談したい事があるから」
「相談?まあ戻ってからゆっくり聞くよ」

 ニラダがそう言うと、2人は来た道を戻り、遭遇した魔物もなぎ倒すと、どうにかダンジョンの脱出に成功する。

 ダンジョンの脱出に成功するとギルドに戻り、条件達成の為の階層まで降りたという証明のためにペンダントを受付に渡す。

「少し調べてまいりますので少々お待ちください」

 そう言って受付がペンダントの記録を調べる為に奥に向かった。

「ニラダ君、どうやって調べるのかな?」
「確か、そういう魔道具があるって聞いた事がある。それを使えば誰でも調べられるからな」

 ニラダとミヨモがペンダントの記録を調べる魔道具の話をしていると受付嬢が戻ってくると声をかけられる。

「確かに階層の条件は満たしていましたね、アイテムの回収と魔物の討伐数はいかがでしょうか?」

 受付嬢にそう言われるとニラダは魔石を取り出し、ミヨモはダンジョンで手に入れた杖を受付嬢に見せる。

「あ、それは『ライトワンド』でダンジョンアイテムですね、それから魔石の数も満たしているのでクエスト達成です。おめでとうございます」
「やったあ!」

 嬉しさのあまりニラダとミヨモは手を強く合わせる。合同ではあるが初のパーティークエストの達成の瞬間だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

湖畔の賢者

そらまめ
ファンタジー
 秋山透はソロキャンプに向かう途中で突然目の前に現れた次元の裂け目に呑まれ、歪んでゆく視界、そして自分の体までもが波打つように歪み、彼は自然と目を閉じた。目蓋に明るさを感じ、ゆっくりと目を開けると大樹の横で車はエンジンを止めて停まっていた。  ゆっくりと彼は車から降りて側にある大樹に触れた。そのまま上着のポケット中からスマホ取り出し確認すると圏外表示。縋るようにマップアプリで場所を確認するも……位置情報取得出来ずに不明と。  彼は大きく落胆し、大樹にもたれ掛かるように背を預け、そのまま力なく崩れ落ちた。 「あははは、まいったな。どこなんだ、ここは」  そう力なく呟き苦笑いしながら、不安から両手で顔を覆った。  楽しみにしていたキャンプから一転し、ほぼ絶望に近い状況に見舞われた。  目にしたことも聞いたこともない。空間の裂け目に呑まれ、知らない場所へ。  そんな突然の不幸に見舞われた秋山透の物語。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
 現実に疲れ果てた俺がたどり着いたのは、圧倒的な自由度を誇るVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。  選んだ職業は、幼い頃から密かに憧れていた“料理人”。しかし戦闘とは無縁のその職業は、目立つこともなく、ゲーム内でも完全に負け組。素材を集めては料理を作るだけの、地味で退屈な日々が続いていた。  だが、ある日突然――運命は動き出す。  フレンドに誘われて参加したレベル上げの最中、突如として現れたネームドモンスター「猛き猪」。本来なら三パーティ十八人で挑むべき強敵に対し、俺たちはたった六人。しかも、頼みの綱であるアタッカーたちはログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク・クマサン、ヒーラーのミコトさん、そして非戦闘職の俺だけ。  「逃げろ」と言われても、仲間を見捨てるわけにはいかない。  死を覚悟し、包丁を構えたその瞬間――料理スキルがまさかの効果を発揮し、常識外のダメージがモンスターに突き刺さる。  この予想外の一撃が、俺の運命を一変させた。  孤独だった俺がギルドを立ち上げ、仲間と出会い、ひょんなことからクマサンの意外すぎる正体を知り、ついにはVチューバーとしての活動まで始めることに。  リアルでは無職、ゲームでは負け組職業。  そんな俺が、仲間と共にゲームと現実の垣根を越えて奇跡を起こしていく物語が、いま始まる。

「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜

大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。 広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。 ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。 彼の名はレッド=カーマイン。 最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。 ※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

処理中です...