救援隊(レスキューパーティー)『黄金の鈴』出動します!~最強賢者パーティーはダンジョンで誰かの野望をレスキューする~

高村渚

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リーダー、無双します

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「あの……よいのか?」
「いい訳ないけど、いいのよ。
 王子様はなにも悪くないわ。
 すぐ悪ノリするあの馬鹿が悪いだけ。
 契約外のことばっかり手を出すんだから」

 アリエッタが数歩後ろでぶつぶつと文句を言い続けている。

「……そういうアリエッタさんも、ぺらぺら攻略情報垂れ流して、ギルドの商売邪魔してたような気がす」
「そこ、うるさいわよ!」
「イエッサー」

 直立不動となったシルヴァを、アリエッタとイシュアが追い越していく。ギヨームはにこにこと笑いながらアリエッタたちの後に続いた。

 グラータの街一番の大通りは、街を南から北へと真っ直ぐ貫き、迷宮入り口のある丘へと至る。
 東の山の端から春の太陽が昇り、暖かな日差しに街が包まれるこの時刻、大通りは迷宮へと向かう冒険者たちの活気で満ちあふれていた。

 イシュアはそわそわと落ち着かない、不思議な気持ちで周りを見渡す。

 前、この道をたどった時は、ただ迷宮へ降りるしかないと諦め、心を殺して足を動かすだけだった。
 でも今は違う。迷宮へ降りる、そう叫んだのは間違いなくイシュア自身だ。

「……だが、本当にいいのか?
 冒険者を雇うには、金貨一枚ではとうてい足りぬとギヨームも言っていたではないか。
 ぼくにはもうそんな手持ちはないぞ」

 金貨一枚といえば、普通の町家のものなら、贅沢をしなければ一家を一月の間じゅうぶんに養うことのできる大金だ。
 とはいえ、抜きん出た技倆うでを持つ剣士や魔導士を雇うには到底足りないことくらい、イシュアにだってわかる。
 少なくともあのとき見たシルヴァの癒しの技は、金貨を何枚積んでも足りないほどの価値があった。

 そのシルヴァはといえば、イシュアの心配をよそに、あくびをしながら最後尾をぽくぽくと付いてくる。
 通りをゆく魔導士たちのように杖を持ってはいない。まるでご近所に散歩に出かけるような風情だ。
 肩に陣取ったセトラも、日差しが気持ちよいのか、ぷこぷこと幸せそうに朝寝を満喫していた。

 シルヴァは後方から、陽気に声を飛ばす。
「なに言ってんだ王子、これは立派な契約内だぞ。
 王子が不屈の精神でもって、もいちど迷宮に降りる!
 魔物に襲われる!
 心配して近くで『待機』してたアリエッタがすかさず『救援』する!
 まだまだ王子は降りる!
 魔物に襲われる!
 もっと近くで『待機』してたアリエッタがすかさず『救援』する!
 まだまだまだ王子は降りる!
 魔物に襲」
「なんでわたししか働いてないのよ! あなたも働きなさいよ!」
「……そこなのか?」

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