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ウィス
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「ねぇ、さっきの人達は死んじゃったの?」
その道中、メリダが隣にいるサヴェロに話しかけた。
「いや、殺してはいないよ。ちょっと眠ってもらっただけ」
「でも思いっきりアイオスで切ってなかった?」
「そこは大丈夫。アイオスは自分の意志で切れなくする事が出来るから。それともう一つアイオスの能力(ちから)を借りたからな」
「能力(ちから)? そう言えば、さっきからウィスとか何とか言ってるけど何なの? それに、さっきサヴェロが助けに来た時、アイオスと事前に話してたみたいだけど、そんな話してたっけ?」
メリダが矢継ぎ早にサヴェロへ質問を投げかける。サヴェロは「あー」っと頭の中でその答えを整理し、口を開いた。
「そうだな、まずウィスの事について話すか。家でアイオスがちょろっと説明したと思うけど、ウィスっていうのはあらゆる自然現象に干渉する事の出来る力で、俺は六年前にある人からウィスの使い方を教えてもらったんだ」
「へぇ、じゃああんなに早く動けるのも、水を操ってたのもそのウィスって力なの?」
「そういう事だな。ウィスを使えば身体能力を飛躍的に高める事が出来る。それと、俺のが発するウィスは水に強く作用するらしい。だから水を扱うのは得意なんだ」
サヴェロの説明を聞いて「ふーん」と納得するメリダ。
「そんで、さっき言ったアイオスの能力っていうのは……説明お願いできる? アイオス」
話を振られたアイオスは『了解しました』と返事をし、自身の能力について説明を始めた。
『私はウィスを用いてあらゆる「波」を操作する事が出来ます』
「波? 波ってそこの海岸に打ち寄せてくる波の事?」
『それも波の一つですが、私の言う波とは波動の事です。例えば、音も波の一つとして操る事が出来ます。先程からこうして皆様と会話しているのも、音波を直接皆様の耳に伝えているので、仮に第三者がいてもその方には私の声は聞こえません。そして、サヴェロ様と別れてからも、私はこの波の力を使い連絡を取り合っていました』
「え? そうだったの?」
「そうだよ。じゃなかったらこんなに早く正確に皆の所に辿り着けないって。まあ、そん時にアイオスの能力の事や俺の能力の事を話し合って、どうやって帝国兵を倒すか決めてたわけ」
「なるほどねぇ。それじゃあさっき家の周りにいた帝国兵の数や追手がどこから来るのか把握してたのも、レーダーみたいに電波を飛ばして、その反射波で確認してたわけね」
運転をしていたジェリーが話に混ざる。それにアイオスは『その通りです』と答えた。
『そしてこの波の力は攻撃にも使用できます。剣(わたし)に短い衝撃波を纏わせそれで叩く事で非常に強力な一撃となります』
「へぇ、ウィスって何でもできるんだね。私も修行すれば使えるようになるかな?」
『メリダ様には特異な力がありますから、それほど難しくはないと思いますが、ウィスの鍛錬は非常に厳しいものです。そこまでしても得たいものですか?』
「……うん。今回みたいに守られてばっかりじゃいけないし、自分の身くらいは自分で守らないと」
そうメリダが呟くと、車内に沈黙が訪れた。車は悪路を走っている為ガタガタと車全体が揺れる。と、そんな中、
「そんなに焦る必要もないでしょ?」とジェリーが沈黙を破った。
「追われている身だから先走っちゃう気持ちはわかるけど、いつも気張ってたら身が持たないよ? それに、その向上心があれば、メリダちゃんは大丈夫だからゆっくりいこう」
「……ありがとうございます。ジェリーさん」
「どういたしまして。さぁ、もう少しで目的地だから頑張ってね」
その道中、メリダが隣にいるサヴェロに話しかけた。
「いや、殺してはいないよ。ちょっと眠ってもらっただけ」
「でも思いっきりアイオスで切ってなかった?」
「そこは大丈夫。アイオスは自分の意志で切れなくする事が出来るから。それともう一つアイオスの能力(ちから)を借りたからな」
「能力(ちから)? そう言えば、さっきからウィスとか何とか言ってるけど何なの? それに、さっきサヴェロが助けに来た時、アイオスと事前に話してたみたいだけど、そんな話してたっけ?」
メリダが矢継ぎ早にサヴェロへ質問を投げかける。サヴェロは「あー」っと頭の中でその答えを整理し、口を開いた。
「そうだな、まずウィスの事について話すか。家でアイオスがちょろっと説明したと思うけど、ウィスっていうのはあらゆる自然現象に干渉する事の出来る力で、俺は六年前にある人からウィスの使い方を教えてもらったんだ」
「へぇ、じゃああんなに早く動けるのも、水を操ってたのもそのウィスって力なの?」
「そういう事だな。ウィスを使えば身体能力を飛躍的に高める事が出来る。それと、俺のが発するウィスは水に強く作用するらしい。だから水を扱うのは得意なんだ」
サヴェロの説明を聞いて「ふーん」と納得するメリダ。
「そんで、さっき言ったアイオスの能力っていうのは……説明お願いできる? アイオス」
話を振られたアイオスは『了解しました』と返事をし、自身の能力について説明を始めた。
『私はウィスを用いてあらゆる「波」を操作する事が出来ます』
「波? 波ってそこの海岸に打ち寄せてくる波の事?」
『それも波の一つですが、私の言う波とは波動の事です。例えば、音も波の一つとして操る事が出来ます。先程からこうして皆様と会話しているのも、音波を直接皆様の耳に伝えているので、仮に第三者がいてもその方には私の声は聞こえません。そして、サヴェロ様と別れてからも、私はこの波の力を使い連絡を取り合っていました』
「え? そうだったの?」
「そうだよ。じゃなかったらこんなに早く正確に皆の所に辿り着けないって。まあ、そん時にアイオスの能力の事や俺の能力の事を話し合って、どうやって帝国兵を倒すか決めてたわけ」
「なるほどねぇ。それじゃあさっき家の周りにいた帝国兵の数や追手がどこから来るのか把握してたのも、レーダーみたいに電波を飛ばして、その反射波で確認してたわけね」
運転をしていたジェリーが話に混ざる。それにアイオスは『その通りです』と答えた。
『そしてこの波の力は攻撃にも使用できます。剣(わたし)に短い衝撃波を纏わせそれで叩く事で非常に強力な一撃となります』
「へぇ、ウィスって何でもできるんだね。私も修行すれば使えるようになるかな?」
『メリダ様には特異な力がありますから、それほど難しくはないと思いますが、ウィスの鍛錬は非常に厳しいものです。そこまでしても得たいものですか?』
「……うん。今回みたいに守られてばっかりじゃいけないし、自分の身くらいは自分で守らないと」
そうメリダが呟くと、車内に沈黙が訪れた。車は悪路を走っている為ガタガタと車全体が揺れる。と、そんな中、
「そんなに焦る必要もないでしょ?」とジェリーが沈黙を破った。
「追われている身だから先走っちゃう気持ちはわかるけど、いつも気張ってたら身が持たないよ? それに、その向上心があれば、メリダちゃんは大丈夫だからゆっくりいこう」
「……ありがとうございます。ジェリーさん」
「どういたしまして。さぁ、もう少しで目的地だから頑張ってね」
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