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反撃2
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「時間がないんでな。すぐに終わらせる」
帝国兵は銃を構えサヴェロに発砲するが、これを跳躍して躱すサヴェロ。帝国兵はそれに反応し銃口を上に向けて追撃を試みるも、サヴェロは木の幹を蹴って移動する。そして、また別の木を蹴る、蹴る、蹴る……これを繰り返しまるでピンボールのように防風林の中を飛び跳ね回る。
帝国兵は高速で木々の間を移動するサヴェロに照準が合わず、銃口を左右に振る。そうしている間に、死角から帝国兵に襲い掛かり、アイオスで一人二人と戦闘不能にしていく。
「クソッ! 速ェ!」
帝国兵はサヴェロが飛び回る空中に向け銃を乱射する。しかし、どれも見当はずれな方向に飛んでいき当たらない。仮に当たったとしてもサヴェロが体の周りに展開している水の膜によって方向を変えられてしまっていた。
サヴェロは主にアイオスを使って攻撃を行うが、離れた場所にいる相手には最初の二人のように水の珠を高速で撃ち出し攻撃していた。水といえども、高速でぶつかればその硬度は金属と変わらない。たった数百グラムの水でもその衝撃は人一人を倒すには十分といえる。
ついに最後の一人となった帝国兵もアイオスの一振りによって地面に倒れた。
瞬きも出来ないほどのあっという間に、銃を持った兵士十人を難なく倒したサヴェロはふーっと大きく息を吐き、その後母ジェリーにもとに駆け寄った。
「来るのが遅くなってホントに悪ぃ。大丈夫?」
「大丈夫よ。撃たれる前にアンタが守ってくれたから。ありがとね」
ジェリーの無事を確認したサヴェロは、ジェリーを連れメリダの所に戻った。
「サヴェロって強いんだね。何あれ? 何であんなに速く動けるの? っていうか、水? みたいなの浮かせてなかった?」
何も知らない者なら当然、目の前で起きた(起こした)現象を不思議がるのも無理はないだろう。しかし、そんなメリダの質問にサヴェロは首を傾げる。
「あれ? メリダはウィスを使えるんじゃないのか?」
「え? 私、あんな事出来ないよ」
『確かに、メリダ様には特殊な力が備わってはいますが、その力を自在に操れる技術はありません』
あまり進展しないであろう二人の会話にアイオスが割って入った。
『詳しいお話は後でしましょう。まだ、完全に逃げ切った訳ではありません。急いでここを離れましょう』
「おお、そうだった。とにかくここを離れよう」
追われている最中である事を忘れていたサヴェロ一行は、帝国兵の乗ってきた車に乗り込むとエンジンをかけ発進した。運転はジェリーが、サヴェロとメリダは後部座席に乗り込んだ。アイオスはナビゲーションをする為に助手席に置くことになった。
『まだ、周りに多くの追手がいます。大きく迂回してからこの防風林を抜けましょう』
「了解」
アイオスのナビゲーションに従い、ジェリーは車を運転する。暗い防風林の中を安全に、しかし迅速に抜けていった。
帝国兵は銃を構えサヴェロに発砲するが、これを跳躍して躱すサヴェロ。帝国兵はそれに反応し銃口を上に向けて追撃を試みるも、サヴェロは木の幹を蹴って移動する。そして、また別の木を蹴る、蹴る、蹴る……これを繰り返しまるでピンボールのように防風林の中を飛び跳ね回る。
帝国兵は高速で木々の間を移動するサヴェロに照準が合わず、銃口を左右に振る。そうしている間に、死角から帝国兵に襲い掛かり、アイオスで一人二人と戦闘不能にしていく。
「クソッ! 速ェ!」
帝国兵はサヴェロが飛び回る空中に向け銃を乱射する。しかし、どれも見当はずれな方向に飛んでいき当たらない。仮に当たったとしてもサヴェロが体の周りに展開している水の膜によって方向を変えられてしまっていた。
サヴェロは主にアイオスを使って攻撃を行うが、離れた場所にいる相手には最初の二人のように水の珠を高速で撃ち出し攻撃していた。水といえども、高速でぶつかればその硬度は金属と変わらない。たった数百グラムの水でもその衝撃は人一人を倒すには十分といえる。
ついに最後の一人となった帝国兵もアイオスの一振りによって地面に倒れた。
瞬きも出来ないほどのあっという間に、銃を持った兵士十人を難なく倒したサヴェロはふーっと大きく息を吐き、その後母ジェリーにもとに駆け寄った。
「来るのが遅くなってホントに悪ぃ。大丈夫?」
「大丈夫よ。撃たれる前にアンタが守ってくれたから。ありがとね」
ジェリーの無事を確認したサヴェロは、ジェリーを連れメリダの所に戻った。
「サヴェロって強いんだね。何あれ? 何であんなに速く動けるの? っていうか、水? みたいなの浮かせてなかった?」
何も知らない者なら当然、目の前で起きた(起こした)現象を不思議がるのも無理はないだろう。しかし、そんなメリダの質問にサヴェロは首を傾げる。
「あれ? メリダはウィスを使えるんじゃないのか?」
「え? 私、あんな事出来ないよ」
『確かに、メリダ様には特殊な力が備わってはいますが、その力を自在に操れる技術はありません』
あまり進展しないであろう二人の会話にアイオスが割って入った。
『詳しいお話は後でしましょう。まだ、完全に逃げ切った訳ではありません。急いでここを離れましょう』
「おお、そうだった。とにかくここを離れよう」
追われている最中である事を忘れていたサヴェロ一行は、帝国兵の乗ってきた車に乗り込むとエンジンをかけ発進した。運転はジェリーが、サヴェロとメリダは後部座席に乗り込んだ。アイオスはナビゲーションをする為に助手席に置くことになった。
『まだ、周りに多くの追手がいます。大きく迂回してからこの防風林を抜けましょう』
「了解」
アイオスのナビゲーションに従い、ジェリーは車を運転する。暗い防風林の中を安全に、しかし迅速に抜けていった。
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