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話を戻され、サヴェロとメリダはどこか残念そうな表情になるが、サヴェロは差その先を促した。
「で、エターナルウィスシステムだっけ? それとメリダの力と何か関係があるの?」
『はい。今現在、エターナルウィスシステムは停止している状態にあります。それをまた動かすにはカーボニア王国の王族のウィスエネルギーが必要になります。つまり、メリダ様のウィスが無ければ起動する事が出来ません』
「なるほど、だから奴らはメリダを狙っているのか。それじゃあ、俺達が奴らより先にブーハに行って、エターナルウィスシステムを――」
『破壊します』
アイオスはサヴェロが言い切る前に、そう言った。自分が言おうとしていた事とは違う内容にサヴェロは「え?」と疑問の声を上げる。
「いや、俺達で起動して利用するんじゃないの?」
『いいえ。エターナルウィスシステムは我々の手で完全に破壊します。カーボニア王国亡き今、あれは無用の長物です。いえ、まだ無用の長物であった方が良いでしょう。あの力を残しておけば必ず今のこの世界を滅亡させます』
アイオスはいつも通り冷静な声で話すが、サヴェロにはどこか悲しそうな声にも聴こえた。そう話すアイオスにサヴェロは特に意見する事なく「わかった」と頷いた。
「帝国の奴らより先にブーハに辿り着いて、俺達でエターナルウィスシステムを壊そう」
『マスターのご協力誠に感謝します。正直、メリダ様と私だけではほぼ不可能な事だと思っていました。しかし、マスターがいてくだされば不可能ではありません』
「そんなに頼られてもなぁ……あっそうだ、大事なこと訊くの忘れてた。そのブーハって場所だけどどこにあるの? ここから結構遠い?」
『そうですね。とても遠いです。ですが、ここからよく見えますよ』
アイオスがよくわからない事を言い出し、怪訝な表情をするサヴェロ。
「どういう事? ここからよく見えるのに遠い場所って」
『マスター上を見てください。今日はブーハのある場所がよく見えます』
ますます困惑するサヴェロは言われた通り空を見上げた。そこには大きな満月が夜空に煌々と輝いていた。
「……噓でしょ? まさか、ブーハがある場所って……」
『はい。今我々の頭上で煌めいている月です』
最早リアクションすら取る事が出来なくなっていたサヴェロは、ただただ大きな口を開けて夜空の月を見上げていた。一方、隣にいたメリダは空を見上げ「確かに遠いね~」と呑気な感想を述べている。
「いやいやいや……月って、どうやって行くのよ」
『マスターの仰る通り、我々には月まで行く為の手段がありません。ですので、月に行く方法を見つけるのが我々の当面の目標になるでしょう』
「月に行く方法かぁ……」
サヴェロは夜空を仰ぎ、気の抜けた声で呟く。
『そこで、私は世界中にあるカーボニア文明の遺跡を探索する事を提案します』
「遺跡の探索? それってまさか……」
『はい。まだ見つかっていない遺跡、または発見されていても未探索の所には、我々が使っていた技術が残されているはずです』
「そっか、私やアイオスがいた時代なら月に行く技術があるかもってわけね」
そう言うメリダにアイオスは『左様です』と答える。
「それしかないか……よし! これから俺達は世界中に存在する遺跡の探索をして、月へ向かう手段を探すとする!」
サヴェロは急に立ち上がり、高らかにこれからの予定を宣言する。それを見ていたメリダはポカーンとしていたが、クスクスと笑い出した。
「アハハ。急にどうしたの? サヴェロ。何かリーダーみたいだよ」
「俺がリーダーじゃ嫌か?」
「ううん。私は賛成。アイオスは?」
『私も賛成です』
アイオスの意見を聞いたメリダは「それじゃあサヴェロがリーダーに決定!」と嬉しそうに言った。
「それじゃあ私達の事頼んだよリーダー」
「なーんかのせられてる感じがするけど、まあいいか。よーし! 今後の計画も決まった事だし少し休もうか」
「そうだね。何かいろいろあって私も疲れちゃった」
メリダは体の力を緩めると、船に備え付けられた椅子にもたれ掛かった。
「どうした? 作戦会議は終わったのか?」
すると、そこへサヴェロ達の様子を見に、ジロが顔を覗かせる。
「だったら今のうちに眠っとけ。リーピンに着くのは明け方だからな。船内に寝床があるから自由に使ってくれ」
「わかった。ありがとうジロさん。でも俺は甲板で寝るからいいや。船内はメリダが使ってくれ」
船室を譲ると言い出したサヴェロにメリダはムスッと頬を膨らます。
「リーダーその命令は聴けないであります。私を特別扱いしないで欲しいであります」
「……何だその喋り方は? いや、別に、特別扱いしてる訳じゃなくて……その、一緒の部屋で寝るのは、アレだし……」
「? 何ごにょごにょ言ってるの? とにかく、私はサヴェロと同じが良いの」
メリダはサヴェロに面と向かってそう言い放った。恥ずかしげもなく言い切ったメリダに対して、サヴェロは余計に動揺していた。
「ハッハッハッ! こりゃあ威勢の言い嬢ちゃんだ! ここまで言われたら男として退けないよな? サヴェロ」
「勘弁してよジロさん」
結局、メリダはサヴェロと同じ毛布にくるまり甲板の上で夜を明かす事となった。始め、サヴェロはなかなか寝付けなかったが、疲れからか、そのうち深い眠りへと落ちていった。
「で、エターナルウィスシステムだっけ? それとメリダの力と何か関係があるの?」
『はい。今現在、エターナルウィスシステムは停止している状態にあります。それをまた動かすにはカーボニア王国の王族のウィスエネルギーが必要になります。つまり、メリダ様のウィスが無ければ起動する事が出来ません』
「なるほど、だから奴らはメリダを狙っているのか。それじゃあ、俺達が奴らより先にブーハに行って、エターナルウィスシステムを――」
『破壊します』
アイオスはサヴェロが言い切る前に、そう言った。自分が言おうとしていた事とは違う内容にサヴェロは「え?」と疑問の声を上げる。
「いや、俺達で起動して利用するんじゃないの?」
『いいえ。エターナルウィスシステムは我々の手で完全に破壊します。カーボニア王国亡き今、あれは無用の長物です。いえ、まだ無用の長物であった方が良いでしょう。あの力を残しておけば必ず今のこの世界を滅亡させます』
アイオスはいつも通り冷静な声で話すが、サヴェロにはどこか悲しそうな声にも聴こえた。そう話すアイオスにサヴェロは特に意見する事なく「わかった」と頷いた。
「帝国の奴らより先にブーハに辿り着いて、俺達でエターナルウィスシステムを壊そう」
『マスターのご協力誠に感謝します。正直、メリダ様と私だけではほぼ不可能な事だと思っていました。しかし、マスターがいてくだされば不可能ではありません』
「そんなに頼られてもなぁ……あっそうだ、大事なこと訊くの忘れてた。そのブーハって場所だけどどこにあるの? ここから結構遠い?」
『そうですね。とても遠いです。ですが、ここからよく見えますよ』
アイオスがよくわからない事を言い出し、怪訝な表情をするサヴェロ。
「どういう事? ここからよく見えるのに遠い場所って」
『マスター上を見てください。今日はブーハのある場所がよく見えます』
ますます困惑するサヴェロは言われた通り空を見上げた。そこには大きな満月が夜空に煌々と輝いていた。
「……噓でしょ? まさか、ブーハがある場所って……」
『はい。今我々の頭上で煌めいている月です』
最早リアクションすら取る事が出来なくなっていたサヴェロは、ただただ大きな口を開けて夜空の月を見上げていた。一方、隣にいたメリダは空を見上げ「確かに遠いね~」と呑気な感想を述べている。
「いやいやいや……月って、どうやって行くのよ」
『マスターの仰る通り、我々には月まで行く為の手段がありません。ですので、月に行く方法を見つけるのが我々の当面の目標になるでしょう』
「月に行く方法かぁ……」
サヴェロは夜空を仰ぎ、気の抜けた声で呟く。
『そこで、私は世界中にあるカーボニア文明の遺跡を探索する事を提案します』
「遺跡の探索? それってまさか……」
『はい。まだ見つかっていない遺跡、または発見されていても未探索の所には、我々が使っていた技術が残されているはずです』
「そっか、私やアイオスがいた時代なら月に行く技術があるかもってわけね」
そう言うメリダにアイオスは『左様です』と答える。
「それしかないか……よし! これから俺達は世界中に存在する遺跡の探索をして、月へ向かう手段を探すとする!」
サヴェロは急に立ち上がり、高らかにこれからの予定を宣言する。それを見ていたメリダはポカーンとしていたが、クスクスと笑い出した。
「アハハ。急にどうしたの? サヴェロ。何かリーダーみたいだよ」
「俺がリーダーじゃ嫌か?」
「ううん。私は賛成。アイオスは?」
『私も賛成です』
アイオスの意見を聞いたメリダは「それじゃあサヴェロがリーダーに決定!」と嬉しそうに言った。
「それじゃあ私達の事頼んだよリーダー」
「なーんかのせられてる感じがするけど、まあいいか。よーし! 今後の計画も決まった事だし少し休もうか」
「そうだね。何かいろいろあって私も疲れちゃった」
メリダは体の力を緩めると、船に備え付けられた椅子にもたれ掛かった。
「どうした? 作戦会議は終わったのか?」
すると、そこへサヴェロ達の様子を見に、ジロが顔を覗かせる。
「だったら今のうちに眠っとけ。リーピンに着くのは明け方だからな。船内に寝床があるから自由に使ってくれ」
「わかった。ありがとうジロさん。でも俺は甲板で寝るからいいや。船内はメリダが使ってくれ」
船室を譲ると言い出したサヴェロにメリダはムスッと頬を膨らます。
「リーダーその命令は聴けないであります。私を特別扱いしないで欲しいであります」
「……何だその喋り方は? いや、別に、特別扱いしてる訳じゃなくて……その、一緒の部屋で寝るのは、アレだし……」
「? 何ごにょごにょ言ってるの? とにかく、私はサヴェロと同じが良いの」
メリダはサヴェロに面と向かってそう言い放った。恥ずかしげもなく言い切ったメリダに対して、サヴェロは余計に動揺していた。
「ハッハッハッ! こりゃあ威勢の言い嬢ちゃんだ! ここまで言われたら男として退けないよな? サヴェロ」
「勘弁してよジロさん」
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