【R18】傭兵閣下と青い血の乙女

七鳩

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7.リュヘムの涙※R18

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 エウリッタの頼みごとをたじろぐ表情で受けて、召使のベッキーは退室した。
 間もなく扉が叩かれる。はっきりした声音で入室の断りを入れて、一人の騎士が入室した。ジェレニー・ソロモン子爵だ。

「シャンティー城、近衛長、ジェレニー・ソロモンです。お招きは大変ありがたいのですが、騎士が勤務中に持ち場を離れるわけにもいきません。恐れながら、またの機会にご一緒させていただこうと思います」

 ジェレニーは、甲冑を鳴らして跪き、そう告げる。

「ソロモン卿……」

 面食らっているだろうに、動揺を出さず、はっきりと断るジェレニーに、エウリッタは胸を痛めた。真面目な人なのだろう。この誠実そうな男に、自分は何を頼もうとしているのか。

「ソロモン卿、先に謝ります。ごめんなさい。このポットの中一杯に媚薬が入っているんです。わたしとあなたで、これを全部飲みたいの」

「…………は?」さすがの近衛長も困惑げな声を上げた。

「全部飲まないと、お客人が許してくれません。わたし一人で飲めたらいいんですが、量が多すぎるんです」

「嘘を言ってはいけないよ」ジョナルダ伯爵が横やりをいれる。「リッタ、君が飲みたくないなら飲まなくていい。持って帰るだけだよ」

 エウリッタは、カウチの肘置きに爪をたてる。

「……申し訳ありませんでした。言いなおします。ソロモン卿、このポットが空にならなかったら、あとで、わたしの大切なひとが嫌々飲まされてしまうんです。助けてくださいますか」

 リヴの話までするつもりはなかった。大切な存在だからこっそり隠していたかった。けれど、話さないと、今度は、ジェレニーにフェアじゃない気がした。
 重い沈黙のあと、騎士が唸った。

「……何故私なんですか?」

「ごめんなさい。わたしが知っている中で、あなたが一番体格がいいんです。体が大きいと媚薬の効き目が鈍るかと思って。それに、女性用に調合されたものだから、男性の方が効きにくいんです」

「ジョナルダの家の遊びに招かれたんだ、君は光栄に思うべきだよ」伯爵が腹立たしい捕捉をする。

「遊びじゃありません」エウリッタは吐き捨てた。「先ほど言った事情で、真剣なお願いです」

 ジェレニーがまた考え込んだ。

「……つまり、奥方様と、もう一人誰かが絶対にそれを飲まないといけないんですね? 私が断れば、他の誰かを誘うことになる?」

 エウリッタは申し訳なくて目を伏せた。「そうなります」

「じゃあ、私がいただきましょう」

 ジェレニーが初めて顔を上げた。金髪が水のようにまっすぐ流れる奥、緊張に固まった表情がある。
 ここが戦場で、敵と向かい合って見せる決意の表情だったら、まだ救いがあっただろう。
 エウリッタは自ら給仕をしに立った。召使ベッキーも誰もこんな茶番に付き合わせたくなかった。
 
『夫が留守をしているときに、他の男性を訪ねるのはダメですよ』

 急にアグネスの怒った顔を思い出す。
 この城の人間は、エウリッタを大事にしてくれた。時々言われる小言も、厳しい言葉も、エウリッタの為を思ってこそだと感じられた。
 だからこそ、男と一緒に媚薬を飲むという状況はエウリッタに、彼らを裏切っている気持ちにさせて、切ない痛みが胸に走る。

「わりと重いですね。あとコップ何杯くらいですか?」

 ジェレニーが敬礼から立ち上がってワゴンに近づき、コップを受け取った。
 ポットをもう片方の手で持ち上げてそう聞くので、エウリッタは脳内で計算する。二人が同じ量飲む必要はない。ジョナルダ伯爵が先ほど告げた媚薬の量から、エウリッタ一人で飲める量を引いて、その残りだけをジェレニーに渡せばいい。

「今の物を合わせて2杯にしましょう。では」

 苦しみを長引かせることもない。エウリッタは性急にコップを傾けた。
 彼女が一息で飲み干したのを見て、決心が後押しされたらしく、ジェレニーが彼のコップを空ける。

「おいしいかな?」

 伯爵が声をかけてきた。エウリッタは無視して2杯目の茶を注ぐ。

「言い忘れたが、二人とも、2時間ほどこの部屋を出てはいけないよ。私ものんびりさせてもらおう」

 媚薬が効いてくる様子が見たいのだろう。
 よしんば、エウリッタとジェレニーが性行為に至ったら面白い……と考えているに違いない。
 伯爵は、ただの遊びで人をおもちゃのように扱うだけ。特に目的などない。ロドニスを貶めようという意図もない。
 けれど、今日は全く無関係の人間を巻き込んだ。

「ソロモン卿……」

 ワゴンの向こうに佇む男が、エウリッタが注いだコップを持ち上げた。

「ソロモン卿……ごめんなさい、……なんて、言ったらいいか……」

 申し訳なさと後悔で胸が張り裂けそうだ。肩を震わせるエウリッタをジェレニーが見つめる。

「乾杯、でいいんじゃないでしょうか」

「えっ」驚いてエウリッタは顔を上げる。そしてまた驚いた。

「私は出不精で、あまりお茶会に出たことがないんですが、酒屋では『乾杯』と言いますよ」

 どうでしょう、とジェレニーが微笑む。
 その優しさに触れて、涙が出かけて、エウリッタは慌てて笑顔をつくった。ジェレニーもそうしてくれている。

「じゃあ、……乾杯」

「乾杯」

 二人のコップが鳴りあう陰で、伯爵がこれ見よがしに欠伸をする。さっきよりその姿を無視しやすくなった。そうさせてくれている金色の髪の騎士に、エウリッタは感謝した。


 初めに感じたのは、眩暈だった。
 上手く立ってられなくなった。
 気持ち悪くはない。ほどよく酔ったときの高揚感に似ている。ひとつ違うのは、心臓のほかに、別の内臓が、どくどくと脈打っていることだ。
 
(……回るのが早いな。結婚前の7日は慣れてた。2週間以上経つから耐性が薄れたのか)

 甘く疼くところを足を擦りあわせて誤魔化しながら、エウリッタは熱い息を吐く。7日間で男娼たちに刻まれた快感を思い出して体の熱がさらにひどくなる。当初は辛い記憶だった。けれど同じ薬で今呼び覚まされるのは、苦痛ではなく、熱い欲望。

「……っふ」

 ギクリとエウリッタは顔をこわばらせた。
 出来るだけ見ないでいる方角から、男の艶めかしい息が聞こえたのだ。ジェレニーも同じようにエウリッタの方を見ないようにしているだろう。そうでもしないと、官能への誘惑が強すぎて、身を任せてしまいそうになる。ジェレニーが今そこまで切羽詰まっていることが、ときどき聞こえる、彼の掠れた声でエウリッタにも解った。

(どうして? 男だし、あのがたいなら、もう少し効き目は遅いかと思ったのに……)

「不甲斐ないね、ソロモン卿」

 不意に、向かいのカウチに腰掛ける伯爵が沈黙を破った。
 う、とジェレニーが呻く。伯爵の言葉に反応したのか、媚薬に侵された体を持て余して出た声だったのか。

「ごらん。私の娘はまだちゃんと座っている。君は虫のように絨毯の上で丸くなっている」

「ぅ、……っく」

「あまり苦しまれても退屈だ。ソロモン卿。自分で自分を慰めたらどうだね? 私が許そう」

 エウリッタは耳を疑った。

(何が許すだ。いったい誰のせいで……)

 鋭い視線を伯爵へ向ける。けれど、エウリッタ自身も、今やカウチの肘掛けを強く握っていなければジェレニーと同じに崩れ落ちてしまいそうになっている。

「っは」

 そして、聞こえる男の吐息に衣擦れの音が混じる。エウリッタはとうとう振り返ってしまった。そこには金の髪の野獣のような息遣いの男がいた。

「……エウリッタ様」

 名前を呼ばれて、ずくんと腹の奥が熱くなったのをエウリッタは必死に自制する。
 今までと一転して、ジェレニーはじっとりとエウリッタを見つめていた。火照った頬、今にも涙が落ちそうなほど潤んだ瞳。
 吐く息の熱さが空気に溶けるのが見えそうなほど壮絶な色気を纏いながら、ジェレニーは手にあてる甲冑をせわしく取った。がちゃん、かちゃんと金属の音がやけに大きく響く。

「見苦しいところを、……見せます。お許しください……」

 大きな手が向かったのは下布だ。前をくつろげると、男根が勢いよくまろび出た。
 すでに凶悪そうに天を向いて、先端の円みは、先走りにぬらぬらと濡れている。
 エウリッタは目を逸らした。間もなく、男が自分を慰める気配が聞こえ始めた。激しい衣擦れの音。ずちゅずちゅと手が男自身を強く握ってさする音。悩ましくて荒い息遣いがそこに混じる。

「見ないのかな? リッタ」

 見られるわけがない、とエウリッタは胸内で叫んだ。
 同じ部屋で、活力漲る、精悍な騎士が発情している。その音だけで、エウリッタの身の火照りは何倍にも差し迫っていた。
 耳を塞ぎたい。
 でも塞げばジェレニーにも見えるだろう。エウリッタは彼をこれ以上辱めたくなかった。

(わたしが見ないことも、ソロモン卿に恥ずかしいことをしていると感じさせているかもしれない。でも、怖い、見たら、……変になってしまったら……)

 思考が媚薬の熱に蕩けていく。
 そのことに恐怖しながら、恐怖すらも薄らいでいく。それが怖い。

(シャンティー卿)

 汗ではない雫がドレスの膝元に落ちた。

(旦那さま、旦那さま、ごめんなさい、……たすけて)

 この城で初めて優しくしてくれた人。
 たとえ、1日足らず一緒にいただけの夫でも、彼の不在がどんなに冷たく感じられても、本音では、彼の帰りを待ち焦がれている。
 どんなに頭が否定しても、エウリッタは、ロドニスに惹かれ始めている。
 こんなことがあっては、ロドニスはエウリッタを軽蔑するだろう。彼女との結婚を後悔するだろう。

「イケメンは得だね。ロドニス君もそうだが、下賤の生まれでも、些末な一子爵でも、まぁ顔がいいと絵になるものだ」

 葉巻の煙をのんびりと泳がせながら、伯爵が言う。

「私の娘は美しいだろう。妻との子ではないが、ジョナルダの高貴な色を私から引き継いだ。さあ、舐めるように見ているだけじゃなく、触ってみなさい。上品ぶったドレスをその手で破ってやりなさい」

「伯爵、……ソロモン卿を侮辱するのはやめてください」

「この女はおまえのものだよ。あと2時間は」

「伯爵、やめて、やめてください」

 エウリッタは震える声で抗った。
 よもや、ジェレニーが伯爵の言葉に煽られてしまったら、エウリッタは身を守る術がない。
 いや、エウリッタ自身も流されてしまうかもしれない。体は少なくとも期待している。
 けれど、それは決して超えてはならない一線だった。
 ジェレニーをと選んだのは、彼が、媚薬が効きにくいはずの男で、体が大きくて、そして、未婚だったからだ。城主の妻と二人で、媚薬を分け合うことで罪悪感が生まれるような関係を持たない男を選んだつもりだった。
 それでも、恋人はいるかもしれない。好きなひとはいるかもしれない。
 そんな男を、伯爵への生贄としてエウリッタは差し出したのだ。偽善的だが、ジェレニーにとっても最悪な結末となる、最後の一線だけはエウリッタは守り抜きたかった。

「エウリッタ様」

 だしぬけに、男の手が後ろ髪に触れた。
 ぞくりと危機感が走る。
 エウリッタはとっさに振り向いて両手を押し出した。
 突き飛ばされて、ジェレニーは盛大に尻もちをつく。
 運悪く窓際の花瓶にその大きな体がぶつかって、盛大な音をたててそれが床で割れた。

「ご、ごめんなさい!」

 ジェレニーが割れた破片で怪我をしないよう、エウリッタは彼の肩を掴んで、窓際から離れさせようとする。
 そのドレスの襟口を、男に掴まれた。

「えっ、や、やめっ」

「……エウリッタ様」

 あっという間に押し倒されて抵抗するエウリッタを、ジェレニーが上から覗き込んだ。
 目が合って、エウリッタは息を呑む。
 おかしい、と直感した。媚薬の効果にしては何かがおかしい。
 騎士の、青褪めた唇。額から流れる脂汗。

「あなたが私を選んでくださって、よかった、……他の男なら、あなたの美しさを前に、あなたを襲ったでしょう……」

 不規則な呼吸で、ジェレニーが絞り出した。

「ソロモン卿……?」

「よかった、ロドニス様の、留守に、なにもなくて……」

 何もないことはさらさら無いと思うが、エウリッタは自分の上に崩れ落ちた男を唖然として見下ろした。ジェレニーは重かった。まるで精魂尽きたかのように。

「リッタ、その男は極度のアレルギー症なんだよ」

 聞こえてきた伯爵の言葉に困惑して、エウリッタは振り返る。

「……え?」

「体に入れる物に対して過剰に反応する体質なのらしい。外へ行くときは、決して外食せず、食べ物と飲み物を自分の家から持っていくそうだ。間違った物を口に入れると、死ぬこともあるそうだよ」

 体の火照りが一気に引いた。ジェレニーの大きな体が震えるのがエウリッタにも伝染する。

「そんな、……ソロモン卿、今すぐお医者をお呼びします!」

「もう遅いかもしれないね」

「よくもそんなことを!」

「リッタ、……その男の体のことなど少し調べれば解った。君は嫁ぎ先のことなのに知らなかったのかね?」

 今すぐ医者を呼びたいのに、伯爵のその一言がエウリッタの心を抉り動きが止まった。息を呑んだ彼女を見て、伯爵は醒めた目で微笑む。

「どうせ平民どもと遊んでたんだろう? そろそろ貴族相手にも興味を持ってあげることだ、リッタ。君の周りの世界は貴族世界なのだから。でないと、君の貴族嫌いは周りのひとを殺すよ」

 そのとき、だしぬけに扉が叩かれた。
 エウリッタがハッと振り返ると、一人の女が室内の許しなく扉を開けて入ってきた。アグネスだった。
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