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第18話 もし、帰宅後に友人と打ち合わせをしたら
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「ただいま」
親父が単身赴任先から戻ってきてるわけじゃないのに、いつものように俺は挨拶をする。
一度ついた癖を抜けきれないな。
帰りにコンビニで買ってきたカップスープを食べるため、ポットのお湯を入れる。
俺の家では常にお湯を保温している、白湯としても飲めるし色々と便利だからだ。
キッチンタイマーをセットした俺は、荷物を置きに自分の部屋へと向かう。
楽しかったり憎かったり、ジェットコースターみたいな一日だったが収穫はあった。
ボイスレコーダーと自分のスマホを見る。
浮気の決定的な証拠を押さえたんだ。これで何の憂いもなく奴らを破滅に追い込める。これからは俺の時間だ。今まではずっと振り回されてきたんだ。
あいつらは他人の人生をめちゃくちゃにした。だから、当然の権利が俺にはある。……復讐する権利が。
スマホを起動し、登録されている名前をタッチ。
そうして数回のコールで繋がる電話。その相手は――。
『よお、どうした? もう日曜も終わりが近づいてきてるってのに、こんな時間にわざわざ電話なんかかけてきて』
俺の親友であり、復讐の最大の協力者である裕だ。
「また宿題もやらずにゲームでもやってたのか? それはすまなかったな。でもな、一つどうしてもお前に報告したいことがあった」
『わざわざ報告したいなんて言うんだ、だいたい察しはつくが……言ってみろよ』
「暇人だと思うかもしれないが、俺は半日程あの連中の後をついて回ってついにかなりの証拠を収めることができた。お前の貸してくれたボイスレコーダーに感謝して、しっかりと報告をしないと、と思ってな」
『なるほどな、よかったじゃねえか。わざわざ演劇部の連中から借りてきた甲斐があったぜ。あの部長、顔は怖いがいい人でな。俺が事情を話すとすぐに貸してくれたよ。まあ、あの部長はああ見えて結構な熱血漢だしな。それにしても、まさか本当にうまくいくとはなあ。俺はてっきりもう一週間ぐらいはかかるもんだと思ってな』
「それについては俺も同感だ。とっとと終わらせたいって言ったって、もう少し見積もりは長く採ってたんだ。殊の外、連中が間抜けで助かった。後はこのデータをどうやってうまく生かすかだけど……」
そのままストレートに突き出したって、あの木山の事だ。多少動揺はするだろうが、それでも日頃の信頼をうまく使って俺を悪者にしようなんてしてくるからかもしれない。ごまかしのきかない状況を作る必要がある。そのためには本人じゃなくて、周りをきっちり固めないと。
問題はそのための手段……効果的な方法だ。
『木山の汚職とあいつらの不貞の証拠をまとめたチラシでも作って学校中にばらまくか? それとも、学校新聞の一面に載せるか? でもちょっと弱いなぁ』
電話の向こうで裕が楽しそうに提案を持ちかけてきた。
でもあいつの言う通り、これだけで済ませるにはまだ足りない。
何故なら――。
「お前、木山のスマホからコピーしたデータを覚えてるよな?」
『当たり前だろう。大事な証拠だ、忘れるわけがない。今も手元にあるぜ』
「その中に入っていたあいつの連絡先を使ってな――片っ端からデータを送りつけてやるってのはどうだ?」
『……! ほう、あいつの知り合い全員にか?』
「そうだ。学校の人間、それこそ生徒や教師達だけじゃない。あいつの親や親戚、友達。果ては散々食い物にしてきた女達も全員巻き込んでやるんだよ。よくよく考えたら何も知らずに食われた女も大勢いるはずなんだ。ということは?」
『……仇討ちだな。いいぜぇお前! 気に入った! そうだよな、こういうことは俺達だけで終わらせるなんてもったいない。被害者全員の無念を背負ってやろうじゃないか!』
何故なら――被害者は俺だけじゃないからだ。
俺は今まで俺だけの復讐を考えていた。
考え直す切っ掛けは、芽亜里の本音を生で聞いたから。あれで頭が冷めた。
そしたら見えてきたものがある。よく考えたら、被害者は俺だけじゃない。女を取られた男は俺だけじゃないだろうし、独り身で騙されただけの可哀想な女だっているはずだ。あのクソ野郎を懲らしめるんだったら、このくらいは確かにしなきゃいけないな。
親の金と持ち前の顔と演技力。それらをフルに使って好き勝手他人を弄んできた報いを、俺達は受けさせなければならない。
親父が単身赴任先から戻ってきてるわけじゃないのに、いつものように俺は挨拶をする。
一度ついた癖を抜けきれないな。
帰りにコンビニで買ってきたカップスープを食べるため、ポットのお湯を入れる。
俺の家では常にお湯を保温している、白湯としても飲めるし色々と便利だからだ。
キッチンタイマーをセットした俺は、荷物を置きに自分の部屋へと向かう。
楽しかったり憎かったり、ジェットコースターみたいな一日だったが収穫はあった。
ボイスレコーダーと自分のスマホを見る。
浮気の決定的な証拠を押さえたんだ。これで何の憂いもなく奴らを破滅に追い込める。これからは俺の時間だ。今まではずっと振り回されてきたんだ。
あいつらは他人の人生をめちゃくちゃにした。だから、当然の権利が俺にはある。……復讐する権利が。
スマホを起動し、登録されている名前をタッチ。
そうして数回のコールで繋がる電話。その相手は――。
『よお、どうした? もう日曜も終わりが近づいてきてるってのに、こんな時間にわざわざ電話なんかかけてきて』
俺の親友であり、復讐の最大の協力者である裕だ。
「また宿題もやらずにゲームでもやってたのか? それはすまなかったな。でもな、一つどうしてもお前に報告したいことがあった」
『わざわざ報告したいなんて言うんだ、だいたい察しはつくが……言ってみろよ』
「暇人だと思うかもしれないが、俺は半日程あの連中の後をついて回ってついにかなりの証拠を収めることができた。お前の貸してくれたボイスレコーダーに感謝して、しっかりと報告をしないと、と思ってな」
『なるほどな、よかったじゃねえか。わざわざ演劇部の連中から借りてきた甲斐があったぜ。あの部長、顔は怖いがいい人でな。俺が事情を話すとすぐに貸してくれたよ。まあ、あの部長はああ見えて結構な熱血漢だしな。それにしても、まさか本当にうまくいくとはなあ。俺はてっきりもう一週間ぐらいはかかるもんだと思ってな』
「それについては俺も同感だ。とっとと終わらせたいって言ったって、もう少し見積もりは長く採ってたんだ。殊の外、連中が間抜けで助かった。後はこのデータをどうやってうまく生かすかだけど……」
そのままストレートに突き出したって、あの木山の事だ。多少動揺はするだろうが、それでも日頃の信頼をうまく使って俺を悪者にしようなんてしてくるからかもしれない。ごまかしのきかない状況を作る必要がある。そのためには本人じゃなくて、周りをきっちり固めないと。
問題はそのための手段……効果的な方法だ。
『木山の汚職とあいつらの不貞の証拠をまとめたチラシでも作って学校中にばらまくか? それとも、学校新聞の一面に載せるか? でもちょっと弱いなぁ』
電話の向こうで裕が楽しそうに提案を持ちかけてきた。
でもあいつの言う通り、これだけで済ませるにはまだ足りない。
何故なら――。
「お前、木山のスマホからコピーしたデータを覚えてるよな?」
『当たり前だろう。大事な証拠だ、忘れるわけがない。今も手元にあるぜ』
「その中に入っていたあいつの連絡先を使ってな――片っ端からデータを送りつけてやるってのはどうだ?」
『……! ほう、あいつの知り合い全員にか?』
「そうだ。学校の人間、それこそ生徒や教師達だけじゃない。あいつの親や親戚、友達。果ては散々食い物にしてきた女達も全員巻き込んでやるんだよ。よくよく考えたら何も知らずに食われた女も大勢いるはずなんだ。ということは?」
『……仇討ちだな。いいぜぇお前! 気に入った! そうだよな、こういうことは俺達だけで終わらせるなんてもったいない。被害者全員の無念を背負ってやろうじゃないか!』
何故なら――被害者は俺だけじゃないからだ。
俺は今まで俺だけの復讐を考えていた。
考え直す切っ掛けは、芽亜里の本音を生で聞いたから。あれで頭が冷めた。
そしたら見えてきたものがある。よく考えたら、被害者は俺だけじゃない。女を取られた男は俺だけじゃないだろうし、独り身で騙されただけの可哀想な女だっているはずだ。あのクソ野郎を懲らしめるんだったら、このくらいは確かにしなきゃいけないな。
親の金と持ち前の顔と演技力。それらをフルに使って好き勝手他人を弄んできた報いを、俺達は受けさせなければならない。
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