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第12話 唐突な幼馴染
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店を出て崇吾と別れて一人街中を歩く俺だったが、実のところ、ある考えに頭の中が支配されていた。
いや、考えというよりはとある女の子についてだ。
崇吾との会話の中で、ふと思い出した身近な女の子。十年振りに再開した幼馴染の山司彩美だ。
久しぶりに会ったらギャルになっていたその女の子が、今の俺の頭の中に居座って離れないのだ。
新しい恋人――その候補として思いついた彼女だったが、条件に見事合致しているのだ。
一緒に居て飽きない陽キャの女性、そして、何よりも幼馴染という関係性が素晴らしい。……かもしれない。
しかし懸念がいくつかある。
一つはギャルという今まで接点の無かった存在と上手くやっていけるのか? ギャルとの付き合い方なんて、正直わからん。
今まで付き合っていた彼女との反動で正反対のタイプに行くなんてありきたりだな、という気持ちもある。
それに、そもそも彩美が今フリーかどうかすら知らないんだ。この間会った時は彼氏でも作って、なんて言ってしまったけれども、あいつ自身は今彼氏がいないとは言ってないんだよな。
それに、なんせあいつはギャルだ、久しぶりに会った俺にすらあんなにフレンドリーに接してたんだから、きっと誰に対してもあんな感じなんだろう。だからこそその様子でフリーかどうかがわからない。
もし彩美に男がいるなら恋人以前の問題なわけで。
いや、そもそもだ。俺は本当にあいつと付き合いたいのだろうか?
俺たちは幼馴染と言ってもここ十年間会っていなかったし、再開してからも大して話をしたわけでもない。
今更こんなことを思うのはどうなんだって話だが、相手の事もよく知らずに手近な所で済ませようなんて浅ましいのでは? 俺は本当に恋人が欲しいのか? そもそも人生とは? 世界平和とは?
……………………。
「はっ!?」
気づけば太陽が大きく傾いている。慌ててスマホを見ると、時間は午後五時十分を回っていた。
「往来で何をやってるんだ俺……」
己の愚かさに呆然とする俺だったが、それでもやはり彩美の事が頭から離れないでいた。
いやだってさ、十年ぶりに偶然再開した幼馴染がだぞ? しかも俺に気さくに話しかけてきてさ!
なんとなくこう、運命的なものを感じてしまっても仕方がないのでは? という考え方はもしかして気持ちが悪いのでは? 俺は本当に恋人が欲しいのか? そもそも人生とは? 世界平和と――。
「あれ? 良ちんじゃん! どったんこんなトコで?」
またしても思考の海に船を漕ぎ出そうとしていた俺だったが、急に話しかけられた事で現実に戻される。
振り向いた先に立っていたのは、ニコニコ顔の金髪の褐色女――件のギャルこと彩美だった。
「ど、どうしてここに!?」
思わずそう口に出すのも無理はない。まさかこのタイミングで出会うとは思わなかったからだ。
心の準備が出来てないぞ!?
「どうしてって、ウチさ今からガッコだし? ほら、あそこのビル。あそこが我が母校なワケなんです!」
誇らしげに胸を張りながら指をさすその向こう、そこには一見何の変哲もない商社ビルが建っていた。
そういえば夜間学校に通ってるんだったっけか? 見た目ただのビルだから、まさか学校だなんて言われなきゃ分からないな。
こいつにとっては今から登校なんだな。でも……。
「お前制服とかは?」
「ああ、そういうのは無いカンジ。ウチの学校、私服登校だから」
「そ、そう」
「そそ! でもちょっぴりそういうのに憧れてたり、なんて!」
なるほどだからか。こいつの今の格好はどう見たって制服じゃない、こないだ見たのとは違うがギャルファッションだ。いや、俺ギャルファッションとか知らないから断定とか出来んのだけれど。
でもなんかいいな! それになんだ香水か? いい匂いがしてくる。とかさりげなく考えてしまった俺は変態じゃないだろうか?
「良ちんはさ、学校帰り?」
彩美が小首をかしげながら聞いてくる。その仕草だけで俺の心臓を跳ねさせるには十分だった。
いや落ち着け俺、そんなのにいちいち反応してたらそれこそ変態だそうだろ。
そう、俺はただ単に昔馴染みの女の子とカジュアルに話をすればいいのだ。たったそれだけのこと、何をそわそわすることがある? ……ふ、ふう。
「お……おうそんな感じだろうか!」
「良ちん? な、なんか変……」
「え!? そうだろうか?!」
何をそわそわすることがある、そうだろう? だから声をうわずらせるのをやめろ俺! …………ふぅ。
いや、考えというよりはとある女の子についてだ。
崇吾との会話の中で、ふと思い出した身近な女の子。十年振りに再開した幼馴染の山司彩美だ。
久しぶりに会ったらギャルになっていたその女の子が、今の俺の頭の中に居座って離れないのだ。
新しい恋人――その候補として思いついた彼女だったが、条件に見事合致しているのだ。
一緒に居て飽きない陽キャの女性、そして、何よりも幼馴染という関係性が素晴らしい。……かもしれない。
しかし懸念がいくつかある。
一つはギャルという今まで接点の無かった存在と上手くやっていけるのか? ギャルとの付き合い方なんて、正直わからん。
今まで付き合っていた彼女との反動で正反対のタイプに行くなんてありきたりだな、という気持ちもある。
それに、そもそも彩美が今フリーかどうかすら知らないんだ。この間会った時は彼氏でも作って、なんて言ってしまったけれども、あいつ自身は今彼氏がいないとは言ってないんだよな。
それに、なんせあいつはギャルだ、久しぶりに会った俺にすらあんなにフレンドリーに接してたんだから、きっと誰に対してもあんな感じなんだろう。だからこそその様子でフリーかどうかがわからない。
もし彩美に男がいるなら恋人以前の問題なわけで。
いや、そもそもだ。俺は本当にあいつと付き合いたいのだろうか?
俺たちは幼馴染と言ってもここ十年間会っていなかったし、再開してからも大して話をしたわけでもない。
今更こんなことを思うのはどうなんだって話だが、相手の事もよく知らずに手近な所で済ませようなんて浅ましいのでは? 俺は本当に恋人が欲しいのか? そもそも人生とは? 世界平和とは?
……………………。
「はっ!?」
気づけば太陽が大きく傾いている。慌ててスマホを見ると、時間は午後五時十分を回っていた。
「往来で何をやってるんだ俺……」
己の愚かさに呆然とする俺だったが、それでもやはり彩美の事が頭から離れないでいた。
いやだってさ、十年ぶりに偶然再開した幼馴染がだぞ? しかも俺に気さくに話しかけてきてさ!
なんとなくこう、運命的なものを感じてしまっても仕方がないのでは? という考え方はもしかして気持ちが悪いのでは? 俺は本当に恋人が欲しいのか? そもそも人生とは? 世界平和と――。
「あれ? 良ちんじゃん! どったんこんなトコで?」
またしても思考の海に船を漕ぎ出そうとしていた俺だったが、急に話しかけられた事で現実に戻される。
振り向いた先に立っていたのは、ニコニコ顔の金髪の褐色女――件のギャルこと彩美だった。
「ど、どうしてここに!?」
思わずそう口に出すのも無理はない。まさかこのタイミングで出会うとは思わなかったからだ。
心の準備が出来てないぞ!?
「どうしてって、ウチさ今からガッコだし? ほら、あそこのビル。あそこが我が母校なワケなんです!」
誇らしげに胸を張りながら指をさすその向こう、そこには一見何の変哲もない商社ビルが建っていた。
そういえば夜間学校に通ってるんだったっけか? 見た目ただのビルだから、まさか学校だなんて言われなきゃ分からないな。
こいつにとっては今から登校なんだな。でも……。
「お前制服とかは?」
「ああ、そういうのは無いカンジ。ウチの学校、私服登校だから」
「そ、そう」
「そそ! でもちょっぴりそういうのに憧れてたり、なんて!」
なるほどだからか。こいつの今の格好はどう見たって制服じゃない、こないだ見たのとは違うがギャルファッションだ。いや、俺ギャルファッションとか知らないから断定とか出来んのだけれど。
でもなんかいいな! それになんだ香水か? いい匂いがしてくる。とかさりげなく考えてしまった俺は変態じゃないだろうか?
「良ちんはさ、学校帰り?」
彩美が小首をかしげながら聞いてくる。その仕草だけで俺の心臓を跳ねさせるには十分だった。
いや落ち着け俺、そんなのにいちいち反応してたらそれこそ変態だそうだろ。
そう、俺はただ単に昔馴染みの女の子とカジュアルに話をすればいいのだ。たったそれだけのこと、何をそわそわすることがある? ……ふ、ふう。
「お……おうそんな感じだろうか!」
「良ちん? な、なんか変……」
「え!? そうだろうか?!」
何をそわそわすることがある、そうだろう? だから声をうわずらせるのをやめろ俺! …………ふぅ。
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