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第20話 取り越し苦労?
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「ふぁ……ぁぁ、ぐっすり眠れた気がする。こいつのおかげかな?」
翌朝の水曜日。いつもよりも気持ち、健やかに目覚めたような気がする。その原因だと思うものに目を向ける。
枕元には昨日彩美にもらったアロマディフューザーがあった。ベルガモットの香りだったか? なんとなく心が落ち着くような気がする。それでいてすっきり。リラックス&リチャージだな。
さすが百円ショップに並んでいた三百円商品なだけはあるな、高級感漂ってる。
この男臭い俺の部屋が浄化されてる感じ。気持ち女の子の部屋の匂いがするような、と思うのはさすがにちょっと変態的かも。いや、この香りに罪はないので言い訳するつもりはない。一つ確かなのは俺はやっぱり安上がり男だという事だろう。
さてと、いつまでもパジャマ姿でいないで着替えるとしよう。
今日の日差しは夏にしては優しいな、純粋に気持ちがいい。この時期の登校ってのは、うだるような暑さで普通はテンションがだだ下がりになるもんだが。
思えばもう水曜日、あと二日で一学期が終わる。今日みたいな気候で清々しく夏休みを迎えたいもんだ。
「ふぁ~……っと。思わず背伸びしてしまった。こんなに気分がいいのは彩美のお陰か。またデートしたいな」
はたして一時間買い物に付き合っただけでデートと呼べるのか?
疑問はあるが、世の中には女の子と二人で過ごす時間は全てデートと言う男もいるというし、細かいことは気にしても仕方ないか。
「おはよう良くん、今日はすっきりした顔してるね」
急に隣から話しかけてくる声。年頃の女の子のような高い声だが、この呼び方をする人間は一人しかいない。
「よぉ崇吾。昨日ちょっといいことがあってな。ふふふ、まあお前にもそのうち分かる時が来るさ」
「ご機嫌だね。何があったかは聞かないけど、あまり調子には乗らない方が……」
「おいおい水を差すなよ。人間、気分に任せた方がいい時ってもんがあるんだぜ? 今の俺がそう……あぁ!?」
「だから言ったのに。ちゃんと気をつけて歩かないから」
足元を見ていなかったせいで、何かを踏んづけてずるっと滑りかけた。
若干イラつきながらも靴の裏を見ると、そこそこ真新しい焦げ茶色の物体が……うわマジかよ!?
「やっぱり……」
「気づいてたなら言えよおい!?」
「一応忠告はしたじゃない。ま、ひとつ教訓になったと思えば悪くない経験かもしれないよ」
人事だと思いやがって……。
「あぁクソ! あ、クソって言ってしまった……。もう!!」
折角気分が良かったのにテンションが下がってしまった。
全く、きちんとした事後処理は飼い主の勤めじゃないのかよ。道端に放置しやがって!
落ちたテンションのまま、教室の自分の席に着く。とんだ一日の始まりだ。
一緒に登校した崇吾は一応慰めの言葉をかけてはくれたが、クスクスと小さく笑っていて明らかに状況を楽しんでいた。こいつ最近生意気になってきたな。
俺の背後の席に座った崇吾。そう、俺達は前後に席がある事もあって自然と会話するようになり友人となった経緯がある。俺もあの時は、なんで男子生徒の格好をしているんだと勘違いしていたな。
朝の授業が始まるまでの時間は、もっぱら二人で会話をして時間を潰すのが日課になっている。わざわざ他所の席の奴の所まで行って話し込むほどの時間がある訳でもないしな。
しかし崇吾の奴、急に何か考えるような顔をし始めた。一体何だ?
そう思った時、ちょうどよく崇吾の方から話を切り出してきた。
「う~ん……。今の君にはあまり聞かれたくない事だと思うんだけど」
「あん、何だよ? もったいぶるなよな。で、何が聞きたいんだよ?」
「うん。君の元カノさん、ちかりさんだっけ? 彼女の今の彼氏ってどんな見た目してるのかなって」
確かにあまり聞かれたくないことだ。朝にろくでもない目に遭ったのもあって、さらに気分が落ちる質問だが。仕方がない、答えてやるか。
「どんな見た目ってね。俺もじっくり見たわけじゃないし、野郎の体なんてじっくり見たくもないけどさ。一つはっきりしてるのは、あんまり運動が得意そうには見えないな。なんせ結構ヒョロく見えたし、筋肉があるそうにも見えない。身長は俺と同じぐらいだろうけど体重は間違いなく軽いだろうな」
「そう……。そっか、ありがとう」
疑問が晴れたのか、顔つきもいつも通りに戻った。しかしなんでそんなことを聞くんだ?
「ちょっと気になってね。単なる考え過ぎだったみたい、みたいな?」
「何だよそれ?」
「なんでもないよ。何でも結びつけるのは良くないかなって、そういう話」
いまいち何を言っているのか釈然としないが、チャイムが鳴ったので話を切り上げることにした。
にしても、今日はあの靴履いて帰らなきゃならないんだよな。外の水道で洗ってきたけど、やっぱ憂鬱だ。
翌朝の水曜日。いつもよりも気持ち、健やかに目覚めたような気がする。その原因だと思うものに目を向ける。
枕元には昨日彩美にもらったアロマディフューザーがあった。ベルガモットの香りだったか? なんとなく心が落ち着くような気がする。それでいてすっきり。リラックス&リチャージだな。
さすが百円ショップに並んでいた三百円商品なだけはあるな、高級感漂ってる。
この男臭い俺の部屋が浄化されてる感じ。気持ち女の子の部屋の匂いがするような、と思うのはさすがにちょっと変態的かも。いや、この香りに罪はないので言い訳するつもりはない。一つ確かなのは俺はやっぱり安上がり男だという事だろう。
さてと、いつまでもパジャマ姿でいないで着替えるとしよう。
今日の日差しは夏にしては優しいな、純粋に気持ちがいい。この時期の登校ってのは、うだるような暑さで普通はテンションがだだ下がりになるもんだが。
思えばもう水曜日、あと二日で一学期が終わる。今日みたいな気候で清々しく夏休みを迎えたいもんだ。
「ふぁ~……っと。思わず背伸びしてしまった。こんなに気分がいいのは彩美のお陰か。またデートしたいな」
はたして一時間買い物に付き合っただけでデートと呼べるのか?
疑問はあるが、世の中には女の子と二人で過ごす時間は全てデートと言う男もいるというし、細かいことは気にしても仕方ないか。
「おはよう良くん、今日はすっきりした顔してるね」
急に隣から話しかけてくる声。年頃の女の子のような高い声だが、この呼び方をする人間は一人しかいない。
「よぉ崇吾。昨日ちょっといいことがあってな。ふふふ、まあお前にもそのうち分かる時が来るさ」
「ご機嫌だね。何があったかは聞かないけど、あまり調子には乗らない方が……」
「おいおい水を差すなよ。人間、気分に任せた方がいい時ってもんがあるんだぜ? 今の俺がそう……あぁ!?」
「だから言ったのに。ちゃんと気をつけて歩かないから」
足元を見ていなかったせいで、何かを踏んづけてずるっと滑りかけた。
若干イラつきながらも靴の裏を見ると、そこそこ真新しい焦げ茶色の物体が……うわマジかよ!?
「やっぱり……」
「気づいてたなら言えよおい!?」
「一応忠告はしたじゃない。ま、ひとつ教訓になったと思えば悪くない経験かもしれないよ」
人事だと思いやがって……。
「あぁクソ! あ、クソって言ってしまった……。もう!!」
折角気分が良かったのにテンションが下がってしまった。
全く、きちんとした事後処理は飼い主の勤めじゃないのかよ。道端に放置しやがって!
落ちたテンションのまま、教室の自分の席に着く。とんだ一日の始まりだ。
一緒に登校した崇吾は一応慰めの言葉をかけてはくれたが、クスクスと小さく笑っていて明らかに状況を楽しんでいた。こいつ最近生意気になってきたな。
俺の背後の席に座った崇吾。そう、俺達は前後に席がある事もあって自然と会話するようになり友人となった経緯がある。俺もあの時は、なんで男子生徒の格好をしているんだと勘違いしていたな。
朝の授業が始まるまでの時間は、もっぱら二人で会話をして時間を潰すのが日課になっている。わざわざ他所の席の奴の所まで行って話し込むほどの時間がある訳でもないしな。
しかし崇吾の奴、急に何か考えるような顔をし始めた。一体何だ?
そう思った時、ちょうどよく崇吾の方から話を切り出してきた。
「う~ん……。今の君にはあまり聞かれたくない事だと思うんだけど」
「あん、何だよ? もったいぶるなよな。で、何が聞きたいんだよ?」
「うん。君の元カノさん、ちかりさんだっけ? 彼女の今の彼氏ってどんな見た目してるのかなって」
確かにあまり聞かれたくないことだ。朝にろくでもない目に遭ったのもあって、さらに気分が落ちる質問だが。仕方がない、答えてやるか。
「どんな見た目ってね。俺もじっくり見たわけじゃないし、野郎の体なんてじっくり見たくもないけどさ。一つはっきりしてるのは、あんまり運動が得意そうには見えないな。なんせ結構ヒョロく見えたし、筋肉があるそうにも見えない。身長は俺と同じぐらいだろうけど体重は間違いなく軽いだろうな」
「そう……。そっか、ありがとう」
疑問が晴れたのか、顔つきもいつも通りに戻った。しかしなんでそんなことを聞くんだ?
「ちょっと気になってね。単なる考え過ぎだったみたい、みたいな?」
「何だよそれ?」
「なんでもないよ。何でも結びつけるのは良くないかなって、そういう話」
いまいち何を言っているのか釈然としないが、チャイムが鳴ったので話を切り上げることにした。
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