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「お待たせしました。こちらがチッチキ鳥のソテーになります。熱いのでお気をつけください。」
可愛らしい店員さんが持ってきてくれた料理は、とても良い匂い。今更ながらに、何も食べていなかったと思い出しお腹がグーっと鳴る。
見た目は……アホヅラの鳥の丸焼き。ちょっと笑ってしまう。
「いただきます。」
外見はあれだけど、食欲をそそる匂いには勝てない。フォークとナイフを持ち、ブスリと鳥を刺すと「チッチキーーーー!!」と叫び生き絶えた。ビクゥっとするもエマがクックと笑っているのが見えた。
ーーーー確信犯だな。エマ、覚えていろよ。
心の中で悪態をつくも顔に出ていたのか、「ごめんごめん、本当に何も覚えてないのね~この鳥は、最後の断末魔を上げたら食べれるのよ。ほら、こうすれば食べやすいゎよ」
カチャカチャとチッチキ鳥を手際よく、一口サイズに切ってくれる。その動作が美しく、女性にしか見えない。
グーーっと鳴るお腹を抑えながら口に運ぶ。
「ありがとう、ーーーうん。柔らかい、味はテリヤキソースに似てる。薄味だけど、食べれなくは無いかな。」
お腹が空いていたので、ペロリと平らげてしまった。
お米が無いのが残念。
「どう?満足した?」
エマが口元を拭きながら、ニコニコしてる。
「はい、ありがとうございます。」
「本題に入るけど、つばきちゃんはこれからどうするの?寝泊まりは?」
確かに、泊まる所。さっき、チラッとみたら無限空間の中に【ハウス】ってあったんだよね。これは家って事かな?
「当てはあるんですが、場所がーーー空き地ってありますか?」
「それなら、俺の家に来たらいい。使っていない庭があるんだ」
ヌッと話に割り込んで来たのはジャイロだった。
ーーえっ?まじでストーカー??何でいるの、普通に怖いんですけど。
ジト目で見ると、ジャイロは顔を赤くしながら隣に座る。
「あら?ジャイロじゃない。こんな所で油を売ってないで仕事しなさいよ、隊長も暇なのね~」
エマと顔見知りな様で、茶化しながらも楽しそうだ。
「今日は、非番なんだ!つばき!俺の所に来い。街からも近いから安全だぞ?」
えっとーーー告白にしか聞こえないんですが。でも、知らない人に借りるよりはいいかな?
エマも知ってる様だし。ウルもいるから、大丈夫かな?
「では、しばらくの間。庭をお借りします」
よし!!っとガッツポーズするジャイロ。ーーあれ、まずかったかな。と不安になりながら、エマを見るとニコニコしてる。
「ここは、俺が払う。すぐに行こう!!」
店員を呼び、チャリーンと代金をテーブルに置くジャイロ。
浮かれているのが目に見えるぐらい、ニッコニッコしている。怖い。
ジャイロの差し出された手を見て見ぬ振りをして、エマにくっついて歩く。(まだ、オカマさんの方がマシ)
そんな失礼な事を考えながら、道案内されながら街中を歩いていく。
◇◇◇◇◇◇
えっとーーー、街から離れているような……それに周りの家がゴージャスになってきてますけど。
怖いなーーー。しがみつく腕に力が入ってしまう。
「大丈夫?」
心配そうに声をかけてくれるエマにコクンと頷く。
御構い無しにずんずん進むジャイロが立ち止まり、振り返ると満面の笑みで「着いたぞ!ようこそ!我が家へ」っと両手を空高く上げて教えてくれた。
ドン引きしながらも、家を見るとギョッとした。
何故かと言うと周りの家よりも断然広いその敷地。手入れされた庭が目に飛び込んでくる。その先に見える家は、とても立派。
「凄っっえっ?ジャイロってもしかして、凄い人?ストーカーじゃないの?」
「ストーカー?何だそれは?」
「特定の人に異常なまでに執着して、付け回す人」
冷静に答えると、真っ赤にして怒るが気にしない。
エマは。ツボに入ったのか、ケラケラ笑っている。
「俺は違うぞ!そんな頭のおかしな奴では無いからな!」
「はいはい。それはそうと、こんな凄い所の庭何て借りれないよ。」
余りの迫力ある庭に尻込みしてしまう。
「つばきちゃん!なら、私の所にくる?ここよりは手狭だけど、気にいるわよ?」
エマの思いもよらない誘いに即答する。
「えぇ!是非!私には立派な場所は似合わないゎ。ジャイロ、案内してくれてありがと!じゃね!」
手をひらひらさせながら、来た道を戻って行く。
「えっ?おいおい、まだ中も見てないじゃないかーーー」
後ろでボヤいているジャイロ。ガックリと項垂れる姿は少し可哀想だ。
「お店の裏が自宅になっているのよ~~隣が空き地になってるから、そこを使ったらどうかしら?土地は私のだから、気にしなくていいのよ~」
「そうなんですね!助かりますー」
エマにこの街の事など色々と話をしながら、歩いて行く。
可愛らしい店員さんが持ってきてくれた料理は、とても良い匂い。今更ながらに、何も食べていなかったと思い出しお腹がグーっと鳴る。
見た目は……アホヅラの鳥の丸焼き。ちょっと笑ってしまう。
「いただきます。」
外見はあれだけど、食欲をそそる匂いには勝てない。フォークとナイフを持ち、ブスリと鳥を刺すと「チッチキーーーー!!」と叫び生き絶えた。ビクゥっとするもエマがクックと笑っているのが見えた。
ーーーー確信犯だな。エマ、覚えていろよ。
心の中で悪態をつくも顔に出ていたのか、「ごめんごめん、本当に何も覚えてないのね~この鳥は、最後の断末魔を上げたら食べれるのよ。ほら、こうすれば食べやすいゎよ」
カチャカチャとチッチキ鳥を手際よく、一口サイズに切ってくれる。その動作が美しく、女性にしか見えない。
グーーっと鳴るお腹を抑えながら口に運ぶ。
「ありがとう、ーーーうん。柔らかい、味はテリヤキソースに似てる。薄味だけど、食べれなくは無いかな。」
お腹が空いていたので、ペロリと平らげてしまった。
お米が無いのが残念。
「どう?満足した?」
エマが口元を拭きながら、ニコニコしてる。
「はい、ありがとうございます。」
「本題に入るけど、つばきちゃんはこれからどうするの?寝泊まりは?」
確かに、泊まる所。さっき、チラッとみたら無限空間の中に【ハウス】ってあったんだよね。これは家って事かな?
「当てはあるんですが、場所がーーー空き地ってありますか?」
「それなら、俺の家に来たらいい。使っていない庭があるんだ」
ヌッと話に割り込んで来たのはジャイロだった。
ーーえっ?まじでストーカー??何でいるの、普通に怖いんですけど。
ジト目で見ると、ジャイロは顔を赤くしながら隣に座る。
「あら?ジャイロじゃない。こんな所で油を売ってないで仕事しなさいよ、隊長も暇なのね~」
エマと顔見知りな様で、茶化しながらも楽しそうだ。
「今日は、非番なんだ!つばき!俺の所に来い。街からも近いから安全だぞ?」
えっとーーー告白にしか聞こえないんですが。でも、知らない人に借りるよりはいいかな?
エマも知ってる様だし。ウルもいるから、大丈夫かな?
「では、しばらくの間。庭をお借りします」
よし!!っとガッツポーズするジャイロ。ーーあれ、まずかったかな。と不安になりながら、エマを見るとニコニコしてる。
「ここは、俺が払う。すぐに行こう!!」
店員を呼び、チャリーンと代金をテーブルに置くジャイロ。
浮かれているのが目に見えるぐらい、ニッコニッコしている。怖い。
ジャイロの差し出された手を見て見ぬ振りをして、エマにくっついて歩く。(まだ、オカマさんの方がマシ)
そんな失礼な事を考えながら、道案内されながら街中を歩いていく。
◇◇◇◇◇◇
えっとーーー、街から離れているような……それに周りの家がゴージャスになってきてますけど。
怖いなーーー。しがみつく腕に力が入ってしまう。
「大丈夫?」
心配そうに声をかけてくれるエマにコクンと頷く。
御構い無しにずんずん進むジャイロが立ち止まり、振り返ると満面の笑みで「着いたぞ!ようこそ!我が家へ」っと両手を空高く上げて教えてくれた。
ドン引きしながらも、家を見るとギョッとした。
何故かと言うと周りの家よりも断然広いその敷地。手入れされた庭が目に飛び込んでくる。その先に見える家は、とても立派。
「凄っっえっ?ジャイロってもしかして、凄い人?ストーカーじゃないの?」
「ストーカー?何だそれは?」
「特定の人に異常なまでに執着して、付け回す人」
冷静に答えると、真っ赤にして怒るが気にしない。
エマは。ツボに入ったのか、ケラケラ笑っている。
「俺は違うぞ!そんな頭のおかしな奴では無いからな!」
「はいはい。それはそうと、こんな凄い所の庭何て借りれないよ。」
余りの迫力ある庭に尻込みしてしまう。
「つばきちゃん!なら、私の所にくる?ここよりは手狭だけど、気にいるわよ?」
エマの思いもよらない誘いに即答する。
「えぇ!是非!私には立派な場所は似合わないゎ。ジャイロ、案内してくれてありがと!じゃね!」
手をひらひらさせながら、来た道を戻って行く。
「えっ?おいおい、まだ中も見てないじゃないかーーー」
後ろでボヤいているジャイロ。ガックリと項垂れる姿は少し可哀想だ。
「お店の裏が自宅になっているのよ~~隣が空き地になってるから、そこを使ったらどうかしら?土地は私のだから、気にしなくていいのよ~」
「そうなんですね!助かりますー」
エマにこの街の事など色々と話をしながら、歩いて行く。
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