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他愛もない話をしながらいつしか夜は更けて
「ふわぁ…」
「眠くなっちゃいました?」
「ん…」
「お部屋いきます?」
「ん。」
正直どうやって与えられた部屋に戻り休んだのか酒も入っていたのと疲労からなのかほとんど覚えていなかった。そしてどのようにして今のような状態になったのか…
「…動けない…」
俺は天華くんに抱き枕にされて眠っていた。俺よりも少しだけ体も大きくて手足が長い天華くんに抱きつかれていては動きようがない。少しだけ高い体温がまたもや睡魔を呼び寄せる…
「…六華さん…貴方に…会いたかった…」
そんな言葉が聞こえた気がしたけれど夢か現かわからない。ただ、とても懐かしく心地がよかったってことしかわからなかった
「…さん…っか…さ…六華さん。」
「んん…」
「おはようございます。朝ですよ。雪止みました」
「ん…あ!ほんとだ…」
「ご飯食べて支度していきましょうか」
「うん」
そうして昼過ぎになり天華くんの車で廃寺の麓まで行き天華くんに助けてもらいながら墓についた
「久しぶり…父さん…母さん…ずっとこれなくてごめんね」
寺の住職もいないのに墓はとても良く手入れされていた。
「誰かが…してくれたのか?お礼…ねぇ。天華くん。どなたかわかる?…わけないよね…」
「…知ってますよ。」
「そうなの?」
するとタイミング良く天華くんのスマホが音をたてた
「もしもし。じいちゃん。おはよ」
どうやらおじいさんのようだ
「うん。うん…ん?わかった…六華さん」
「ん?」
「六華さんに代わってくれって」
「え?」
訳もわからず電話に出る
『久しぶりだね。六華くん…といっても…君は覚えていないかな?そこの寺の住職をしていて会ったことがあるんだ。あの頃の君はまだ幼くてどうすることもできずにただそこに踞っていたね』
「え!?」
『手入れをできなくなった今もいつもご丁寧なお手紙をありがとう。すまないね…私が最後まで見たかったのだけど…できなくなってしまって…』
「え…あの…え?」
『はっはっはっ!!驚くだろうね。私は体を壊してしまい今はもう家から出られなくなってしまったんだ。君から手紙を貰っていたから行きたかったんだが…残念だ…墓を勝手に移すこともできず迷っていたのだが…天華が代わりに行ってくれるって言ってくれたんだ…雪だから大変だろうけれど天華と一緒なら大丈夫。ずっとね天華があそこを手入れしてくれていたんだよ』
突然告げられた真実に驚いて言葉が出ない
『…おや?聞いてなかったのかい?』
「昨日…たまたま助けてくれたのかと…」
『君は天華とも会ったことがあるんだよ。それももうかなり前のことだけど』
それからは何を話したかは覚えていないが俺よりも背の高い美丈夫をただ見上げてた
「ふわぁ…」
「眠くなっちゃいました?」
「ん…」
「お部屋いきます?」
「ん。」
正直どうやって与えられた部屋に戻り休んだのか酒も入っていたのと疲労からなのかほとんど覚えていなかった。そしてどのようにして今のような状態になったのか…
「…動けない…」
俺は天華くんに抱き枕にされて眠っていた。俺よりも少しだけ体も大きくて手足が長い天華くんに抱きつかれていては動きようがない。少しだけ高い体温がまたもや睡魔を呼び寄せる…
「…六華さん…貴方に…会いたかった…」
そんな言葉が聞こえた気がしたけれど夢か現かわからない。ただ、とても懐かしく心地がよかったってことしかわからなかった
「…さん…っか…さ…六華さん。」
「んん…」
「おはようございます。朝ですよ。雪止みました」
「ん…あ!ほんとだ…」
「ご飯食べて支度していきましょうか」
「うん」
そうして昼過ぎになり天華くんの車で廃寺の麓まで行き天華くんに助けてもらいながら墓についた
「久しぶり…父さん…母さん…ずっとこれなくてごめんね」
寺の住職もいないのに墓はとても良く手入れされていた。
「誰かが…してくれたのか?お礼…ねぇ。天華くん。どなたかわかる?…わけないよね…」
「…知ってますよ。」
「そうなの?」
するとタイミング良く天華くんのスマホが音をたてた
「もしもし。じいちゃん。おはよ」
どうやらおじいさんのようだ
「うん。うん…ん?わかった…六華さん」
「ん?」
「六華さんに代わってくれって」
「え?」
訳もわからず電話に出る
『久しぶりだね。六華くん…といっても…君は覚えていないかな?そこの寺の住職をしていて会ったことがあるんだ。あの頃の君はまだ幼くてどうすることもできずにただそこに踞っていたね』
「え!?」
『手入れをできなくなった今もいつもご丁寧なお手紙をありがとう。すまないね…私が最後まで見たかったのだけど…できなくなってしまって…』
「え…あの…え?」
『はっはっはっ!!驚くだろうね。私は体を壊してしまい今はもう家から出られなくなってしまったんだ。君から手紙を貰っていたから行きたかったんだが…残念だ…墓を勝手に移すこともできず迷っていたのだが…天華が代わりに行ってくれるって言ってくれたんだ…雪だから大変だろうけれど天華と一緒なら大丈夫。ずっとね天華があそこを手入れしてくれていたんだよ』
突然告げられた真実に驚いて言葉が出ない
『…おや?聞いてなかったのかい?』
「昨日…たまたま助けてくれたのかと…」
『君は天華とも会ったことがあるんだよ。それももうかなり前のことだけど』
それからは何を話したかは覚えていないが俺よりも背の高い美丈夫をただ見上げてた
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