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帰って荷物をまとめた。その間に天華くんは自室に戻り着替えている。
まさかあの天ちゃんが…あんな美丈夫になるなんて…トクッとまた胸が鳴る…あぁ…きっと俺もあの頃から…でも…
「お待たせしました」
「っ…」
「どうしました?」
「スーツ…カッコいいね」
「好きな人に言われると照れちゃいますね…」
ポリポリと指で頬をかいてはにかむ姿にまた大きく胸が鳴る
「行きましょうか」
そういうと自然と俺の腰を抱きエスコートしてくれる。ドキドキと鼓動は早くなっていく。
「ふふ…そんな顔されちゃったら俺勘違いしちゃいますよ」
そういうと俺の頬に唇を落とした
「ちょ…天華くん…」
「顔真っ赤です…可愛い…あぁ…このまま閉じ込めて帰したくないな…」
不穏な言葉が聞こえた声がしたけれど聞き取れなかった
天華くんの車の後に続き出発し旅館に到着した。老舗の純和風な旅館だ。
「俺あっちから入るんで」
裏口があるのか玄関前で六華くんと別れた
足を踏み入れるとどこかに紛れ込んだみたいに別世界。着物の仲居さんに迎えられて手続きをして部屋に通された。
「うわー…すげ…」
部屋はとても広く落ち着いていて奥には露天風呂が二つついていた。予約をしたときにわかってはいたけど思った以上に凄かった
暫くして部屋の扉がノックされた。あとで支配人が挨拶に来ると言っていたのでその人なのだろう。
扉を開けるとそこには
「…天華くん?」
「驚きました?」
うんうんと無言で頷くしかなかった
「ここ、母方の祖母の旅館なんです。寺の方は父方なんですけど」
「…」
「六華さん。変な顔してますよ…そんな隙見せられちゃったら我慢できない…」
部屋の扉が閉まると天華くんが俺を抱き締めた
「はぁ…俺…やっぱダメですね。無理強いしないと言いながらこれじゃあ…でも…離したくないんです…好きだ…」
「あの…えと…」
「ごめんなさい。もう少しだけ…もう少しだけだから…」
天華くんの鼓動がダイレクトに聞こえる。トクトクトクと速い鼓動が天華くんの想いを代弁してくれているようだ。こんなに…俺を…
「六華さん。ごめんなさい…。」
そういって俺を離すと一旦息をはいて再度俺を見た。もうその表情は支配人の顔だったことが少し寂しい
「本日は当旅館、雪花をお選び頂きありがとうございます。昨日の雪は大変だったでしょう。ごゆっくりお過ごしくださいね
本日の夕食はお部屋にお持ちしますがお時間はどのようにいたしましょうか」
「…19時頃で」
「かしこまりました。オプションに俺をつけます?」
「へっ?」
びっくりして顔を見ると意地悪そうな笑顔。
「ふふ…可愛い…」
また昨日今日の天華くんに戻ってた
「でも…お仕事でしょ?」
「…実は俺貴方が泊まっている間休みとってるんです」
「どうして…」
「貴方と…少しでも一緒に過ごせたらって思って…予約の入った時点で休み取ったんです…貴方は俺のことは忘れてるって思ってたけど…あわよくば…と…」
「え?でも…今日…スーツ…」
「昨日の雪でバタバタで色んな処理があったので来たんです。流石に仕事するのに私服じゃね。だからそれが終わればまた休みなんです。なので今から早急に終わらせます。貴方がよければ貴方と過ごしたいんです。だめですよね?」
そんな子犬のような目で見られちゃうと断れるわけない
「じゃあ…待ってるから…終わらせてきて?」
「はい!」
まさかあの天ちゃんが…あんな美丈夫になるなんて…トクッとまた胸が鳴る…あぁ…きっと俺もあの頃から…でも…
「お待たせしました」
「っ…」
「どうしました?」
「スーツ…カッコいいね」
「好きな人に言われると照れちゃいますね…」
ポリポリと指で頬をかいてはにかむ姿にまた大きく胸が鳴る
「行きましょうか」
そういうと自然と俺の腰を抱きエスコートしてくれる。ドキドキと鼓動は早くなっていく。
「ふふ…そんな顔されちゃったら俺勘違いしちゃいますよ」
そういうと俺の頬に唇を落とした
「ちょ…天華くん…」
「顔真っ赤です…可愛い…あぁ…このまま閉じ込めて帰したくないな…」
不穏な言葉が聞こえた声がしたけれど聞き取れなかった
天華くんの車の後に続き出発し旅館に到着した。老舗の純和風な旅館だ。
「俺あっちから入るんで」
裏口があるのか玄関前で六華くんと別れた
足を踏み入れるとどこかに紛れ込んだみたいに別世界。着物の仲居さんに迎えられて手続きをして部屋に通された。
「うわー…すげ…」
部屋はとても広く落ち着いていて奥には露天風呂が二つついていた。予約をしたときにわかってはいたけど思った以上に凄かった
暫くして部屋の扉がノックされた。あとで支配人が挨拶に来ると言っていたのでその人なのだろう。
扉を開けるとそこには
「…天華くん?」
「驚きました?」
うんうんと無言で頷くしかなかった
「ここ、母方の祖母の旅館なんです。寺の方は父方なんですけど」
「…」
「六華さん。変な顔してますよ…そんな隙見せられちゃったら我慢できない…」
部屋の扉が閉まると天華くんが俺を抱き締めた
「はぁ…俺…やっぱダメですね。無理強いしないと言いながらこれじゃあ…でも…離したくないんです…好きだ…」
「あの…えと…」
「ごめんなさい。もう少しだけ…もう少しだけだから…」
天華くんの鼓動がダイレクトに聞こえる。トクトクトクと速い鼓動が天華くんの想いを代弁してくれているようだ。こんなに…俺を…
「六華さん。ごめんなさい…。」
そういって俺を離すと一旦息をはいて再度俺を見た。もうその表情は支配人の顔だったことが少し寂しい
「本日は当旅館、雪花をお選び頂きありがとうございます。昨日の雪は大変だったでしょう。ごゆっくりお過ごしくださいね
本日の夕食はお部屋にお持ちしますがお時間はどのようにいたしましょうか」
「…19時頃で」
「かしこまりました。オプションに俺をつけます?」
「へっ?」
びっくりして顔を見ると意地悪そうな笑顔。
「ふふ…可愛い…」
また昨日今日の天華くんに戻ってた
「でも…お仕事でしょ?」
「…実は俺貴方が泊まっている間休みとってるんです」
「どうして…」
「貴方と…少しでも一緒に過ごせたらって思って…予約の入った時点で休み取ったんです…貴方は俺のことは忘れてるって思ってたけど…あわよくば…と…」
「え?でも…今日…スーツ…」
「昨日の雪でバタバタで色んな処理があったので来たんです。流石に仕事するのに私服じゃね。だからそれが終わればまた休みなんです。なので今から早急に終わらせます。貴方がよければ貴方と過ごしたいんです。だめですよね?」
そんな子犬のような目で見られちゃうと断れるわけない
「じゃあ…待ってるから…終わらせてきて?」
「はい!」
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