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第一話 和装美人の笑み
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「弥信!みーこーとぉ!」
「起きてるよー!」
安堂 弥信は鬱陶しそうに返すと、トントンと階段を降りていく音がした。カバンを掴み階段をおりた母親の背中を追うようにおりていき、リビングの扉を開いた。
「おはよう弥信」
「おはようお父さん」
「弥信、早く食べちゃいなさいよ?遅刻するわよ」
「はぁい」
短く母親に言うと弥信は自分がいつも座る席についた。母親から受け取った朝食を食べていると、ふとテレビのニュースが耳に入った。
「また行方不明事件です。行方不明になったのは『オカルトマニアチャンネルズ』のリーダーTAKKUさんこと広瀬 卓也さん 27歳で·····」
「怖いわねー。弥信も気をつけなさいよ」
「はぁい。行ってきます!」
「「行ってらっしゃい」」
そんな何気ない言葉に見送られて弥信は高校に向かった。
イヤホンで音楽を聴きながら美しい新緑の中、歩いていると道の真ん中に人が立っているのが見えた。顔などがわかる位置に来ると、その人影は和服を着た美しい女性だった。
(うわぁ、めちゃくちゃ美人。女優さんかな)
そう思いながら弥信が横を通り過ぎようとした時、女性と目が合った。
すると女性は弥信に艶っぽい微笑みを浮かべた。その笑みを見た瞬間、寒気がゾワゾワと背中を這っていった。
薄気味悪く思えた弥信は、女性を見ないよう俯きながら横を足早に通り過ぎ学校へ急いだ。
学校に着き上履きに替え自分のクラス2年3組に行くと弥信はため息をついた。そして、スタスタと自分の席に向かった。
「それでさぁ、最近うち蜘蛛がめちゃくちゃ出て嫌なんだけどー」
「うわぁ、最悪だね」
「あのさ」
弥信が低い声でぺちゃくちゃ話している女子に話しかけると、話を止め全員が弥信を見た。
「そこ私の席。どいて」
すると、座っていた女子たちはケタケタと笑いだした。
「はぁ?私たちが使ってるんだけど」
(ったく毎日毎日!お前なんか消えればいいのに)
そう思いぎゅっと拳を握った時。
「お前らさぁ、いい加減んなことやめたらどーだ?」
見ると呆れた様子でこちらに近づく男子がいた。すると、男子はダン!と弥信の机を叩いた。
「お前らやってことガキだぞ」
机を叩かれたこととドスをきかた声にビビった女子たちはすごすごと退散していった。
「ったく。悪いな安堂。机殴って」
申し訳なさそうにする男子に弥信は少し笑みを首を振った。
「うぅん。ありがとう原田くん」
原田義翔は二カっと笑うと自分の席に戻っていき友人と話はじめた。
キーンコーンカーンコーン。長かった1日を告げるチャイム。
ホームルームのあと、弥信はカバンを手に立ちあがった。
「今日も行くのー弥信ぉ?あんた大根役者なんだからやめちゃえばぁ?」
「あーはいはい」と思いながら無言で教室を出る背後で「うわぁ無視?最低ー」と声がした。
階段をおり食堂の前を通り、弥信が所属する演劇部の活動場所であるホールに向かった。
ホールの扉を開け舞台に向かう階段をトントントンとおりた。そこには、見知った部活仲間たちがすでに柔軟をはじめていた。
「すみません、遅くなりました」
弥信はカバンを座席に置くと舞台に上がった。
「大丈夫だよ。今、みんなはじめたところだから⋯いててて。もっと優しく押してよ、こう」
ニコニコと弥信に話しかけていた3年の有馬 悌希は背中を押している同学年の高松 考希に文句を言った。
「仕方ないだろ。お前、全然前に曲がらないんだから!」
そう言うと再びグイッと足を伸ばし座る悌希の背中を押した。
「うるさいぞ有馬。もっと運動しろ」
同じように前屈をしている3年の固城 智陽はペタリと体を床につけた。
「僕はともみたいに運動得意じゃないからなぁ」
「あら、だったらダンスが多めのシナリオを書いたら運動にもなりますね」
そう言いパタリと目を落としていた台本を閉じた2年の空華 礼夏はニコリと微笑んだ。
「わぁ!それ面白そう!早速、案を練ろうよ礼ちゃん」
キラキラと目を輝かせ2年の仲西 忠穂ノートを取り出した。
「なら、アクションシーンを入れてもかなり運動になりますよ」
「いいねー。なんなら階段を上り下りも加えるとか」
1年生の金城 結仁の案に原田 義翔がニヤニヤしながら付け加えた。
「もー!みんな話進めないでよー」
焦る悌希にその場にドッと笑いが起きた。
「よし!練習はじめるよ!」
パンと手を打ち部長の考希が言うと先程の和やかな雰囲気から少しピリッとしたしかし、どこか心地よい緊張感のある雰囲気に変わった。
そして全員が立ち位置についた。
「起きてるよー!」
安堂 弥信は鬱陶しそうに返すと、トントンと階段を降りていく音がした。カバンを掴み階段をおりた母親の背中を追うようにおりていき、リビングの扉を開いた。
「おはよう弥信」
「おはようお父さん」
「弥信、早く食べちゃいなさいよ?遅刻するわよ」
「はぁい」
短く母親に言うと弥信は自分がいつも座る席についた。母親から受け取った朝食を食べていると、ふとテレビのニュースが耳に入った。
「また行方不明事件です。行方不明になったのは『オカルトマニアチャンネルズ』のリーダーTAKKUさんこと広瀬 卓也さん 27歳で·····」
「怖いわねー。弥信も気をつけなさいよ」
「はぁい。行ってきます!」
「「行ってらっしゃい」」
そんな何気ない言葉に見送られて弥信は高校に向かった。
イヤホンで音楽を聴きながら美しい新緑の中、歩いていると道の真ん中に人が立っているのが見えた。顔などがわかる位置に来ると、その人影は和服を着た美しい女性だった。
(うわぁ、めちゃくちゃ美人。女優さんかな)
そう思いながら弥信が横を通り過ぎようとした時、女性と目が合った。
すると女性は弥信に艶っぽい微笑みを浮かべた。その笑みを見た瞬間、寒気がゾワゾワと背中を這っていった。
薄気味悪く思えた弥信は、女性を見ないよう俯きながら横を足早に通り過ぎ学校へ急いだ。
学校に着き上履きに替え自分のクラス2年3組に行くと弥信はため息をついた。そして、スタスタと自分の席に向かった。
「それでさぁ、最近うち蜘蛛がめちゃくちゃ出て嫌なんだけどー」
「うわぁ、最悪だね」
「あのさ」
弥信が低い声でぺちゃくちゃ話している女子に話しかけると、話を止め全員が弥信を見た。
「そこ私の席。どいて」
すると、座っていた女子たちはケタケタと笑いだした。
「はぁ?私たちが使ってるんだけど」
(ったく毎日毎日!お前なんか消えればいいのに)
そう思いぎゅっと拳を握った時。
「お前らさぁ、いい加減んなことやめたらどーだ?」
見ると呆れた様子でこちらに近づく男子がいた。すると、男子はダン!と弥信の机を叩いた。
「お前らやってことガキだぞ」
机を叩かれたこととドスをきかた声にビビった女子たちはすごすごと退散していった。
「ったく。悪いな安堂。机殴って」
申し訳なさそうにする男子に弥信は少し笑みを首を振った。
「うぅん。ありがとう原田くん」
原田義翔は二カっと笑うと自分の席に戻っていき友人と話はじめた。
キーンコーンカーンコーン。長かった1日を告げるチャイム。
ホームルームのあと、弥信はカバンを手に立ちあがった。
「今日も行くのー弥信ぉ?あんた大根役者なんだからやめちゃえばぁ?」
「あーはいはい」と思いながら無言で教室を出る背後で「うわぁ無視?最低ー」と声がした。
階段をおり食堂の前を通り、弥信が所属する演劇部の活動場所であるホールに向かった。
ホールの扉を開け舞台に向かう階段をトントントンとおりた。そこには、見知った部活仲間たちがすでに柔軟をはじめていた。
「すみません、遅くなりました」
弥信はカバンを座席に置くと舞台に上がった。
「大丈夫だよ。今、みんなはじめたところだから⋯いててて。もっと優しく押してよ、こう」
ニコニコと弥信に話しかけていた3年の有馬 悌希は背中を押している同学年の高松 考希に文句を言った。
「仕方ないだろ。お前、全然前に曲がらないんだから!」
そう言うと再びグイッと足を伸ばし座る悌希の背中を押した。
「うるさいぞ有馬。もっと運動しろ」
同じように前屈をしている3年の固城 智陽はペタリと体を床につけた。
「僕はともみたいに運動得意じゃないからなぁ」
「あら、だったらダンスが多めのシナリオを書いたら運動にもなりますね」
そう言いパタリと目を落としていた台本を閉じた2年の空華 礼夏はニコリと微笑んだ。
「わぁ!それ面白そう!早速、案を練ろうよ礼ちゃん」
キラキラと目を輝かせ2年の仲西 忠穂ノートを取り出した。
「なら、アクションシーンを入れてもかなり運動になりますよ」
「いいねー。なんなら階段を上り下りも加えるとか」
1年生の金城 結仁の案に原田 義翔がニヤニヤしながら付け加えた。
「もー!みんな話進めないでよー」
焦る悌希にその場にドッと笑いが起きた。
「よし!練習はじめるよ!」
パンと手を打ち部長の考希が言うと先程の和やかな雰囲気から少しピリッとしたしかし、どこか心地よい緊張感のある雰囲気に変わった。
そして全員が立ち位置についた。
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