テディベア

倉地秋穂

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テディベア

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テディベアに埋め込まれたカメラから送られた映像が、壁一面のスクリーンに映し出された。

リビングで両親とケーキを食べる彼女は、幸せそうに笑っている。


映像を映し出すスクリーンの前では、白衣を着た童顔の女がパソコンを操作していた。
近寄って来た別のスタッフに経過を報告する。


「両親役の新型アンドロイド、調子良さそうですよ」


「まぁ、家族団欒としては及第点」


経過を聞いたシルバーフレームの眼鏡をかけた男は、スクリーンを見ながら無愛想に言った。

男の反応を気にしていないのか、女は明るく続ける。


「未成年の重犯罪者監視プログラムはまだ試験段階ですから、監視継続ですね!」


作業に戻った女のデスク周りは、ファイルや資料など物で溢れていた。

書類の山からテディベアを見つけた男は、指先で摘み上げる。


「コレ、捨てないの?」


男の問いに、女は作業を止めて男を見つめた。


「私の宝物なんで」


にっこり笑って、女は右腕が取れて汚れたテディベアに手を伸ばした。
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