赤いゼラニウム〜君がいるだけで幸せ〜

5 出会った

〈華〉
ある日私は叔父に頼まれ叔父の工場に書類を届けにきた。
工場に入るとお昼ごろで誰もいなかった。
社長室に行く途中別の部屋から怒鳴り声が聞こえ、少し会いていたドアから覗いてみると、自分より少し上の大きな男の人が上司みたいな30代の男の人数人に怒鳴られていた。
怒鳴っている内容は、仕事の内容とは全く異なり、ただの悪口だった。
そして、とうとう手が出ようとしたとき、手を出した相手を投げ飛ばし、
華「何をしようとしてたの～？」
と聞いたけど、怒鳴っていた数人は顔面蒼白で鯉みたいに口をぱくぱくしせるだけで答えてくれなかった。
私がこの工場の社長の姪で親会社の社長の娘だから自分が処分されるのではと思っているのかな？
それかこんな小娘に投げられた事に驚いているのかな？
なぜ投げ飛ばせたのかは、護身術を習っていた事に柔道を習っていてまた通っている学校は荒れているため自分にその気は無くても自分の身を守るためにも使っていたから。
処分とかは特に興味はないけど、叔父の顔に泥を塗るのは嫌だから一応知らせようか。
そう思い、社長室に向かおうとし、ふと視線を動かすと綺麗なラピスラズリの目と合った。
その瞬間動けなくなり、互いに見つめ合った。


この出会いが私にとってなくてはならない大切な存在になるとは思わなかった。


その後どのくらいの時間が経ったかわからないけど、どちら度もなく目を逸らし、私は社長室に向かった。


これが華と昴の出会いだった。










（華はとても強い設定です。）