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第一章 醜いあひるの子
18 どきどきの王宮行き
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「そろそろ、ジュリアを王宮に連れてきてよ」
緑に囲まれた王宮の離れで、ルーファス王子はセドリックに頼んだ。
「まだ、環境の激変に戸惑っているようなので、あと少し時間を置いた方が良いのでは無いでしょうか?」
ジュリアはシルビアと勉強部屋で食事をしているぐらいなのに、王宮へなど連れて来たらパニックになるのではと心配する。しかし、いつもは穏やかなサリンジャー師が、ルーファス王子の意見を後押しした。
「セドリックの言うこともわかりますが、いずれは精霊使いの修行の為に、王宮に来なくてはいけないのです。それに、ジュリアが一緒に修行する方が、ルーファス王子や貴方にとっても効果的だと思います」
セドリックはサリンジャー師に精霊を集めて貰わないと、姿を見るのも苦労しているので、確かにジュリアが居れば、次の段階に進み易いだろうと考えた。
「しかし、それではあまりにジュリア任せで、自分で精霊を呼び寄せないと駄目なのでは?」
サリンジャー師は微笑んで、初心者なのだから仕方ありませんよと慰める。
「それに、精霊と親しくしていると、彼方からも寄ってくるようになるのです。初めはジュリアに引き寄せられる精霊を見たり、その精霊に言うことを聞いて貰ったりしますが、そのうちルーファス王子やセドリックになつく精霊も出てきますよ」
サリンジャー師の近くに、精霊が呼び寄せもしなくても姿を現す場面に何度となく遭遇していたので、ルーファス王子はジュリアが居たら精霊が引き寄せられると喜んだ。
「なら、決まりだ! 昔から言うじゃないか、馬には乗ってみろ、人には添ってみろ? あれ? 少し意味が違うかな?」
それは縁談を勧める時の言葉ですと、二人は笑った。
セドリックも国王の精霊使いを育成したいとの意志を感じていたので、これ以上は日のべはできないと受け入れる。こうして、ジュリアは王宮の離れで、精霊使いの修行を始めることになった。
「ジュリア、明日から精霊使いの修行を始めよう」
若様に書斎で告げられて、ジュリアは真っ青になった。
「あのう、もう少し待って頂けないでしょうか?」
一緒に書斎に付いてきたミリアム先生が、まだ礼儀作法を教えている最中なのにと庇った。
「王宮と言っても、サリンジャー師が住んでおられるのは、離れだから宮廷人も近づいたりしないよ。精霊を呼び寄せるに相応しい、木々に囲まれた環境なのだから」
ミリアム先生は王宮にそんな場所があるのかしら? と首を捻ったが、王宮の本殿では無いのならと少し安心する。
「でも、ルーファス王子様と一緒だなんて……」
セドリック様の顔を見るだけで、どきどきして、へまをしないか緊張するのに、王子様と修行など無理だとジュリアは首を横に振る。
「ルーファス王子は優しいし、明るくて楽しい御方だよ。それに、ジュリアと一緒に精霊使いの修行をしたいと思っておられるから。というか、私もルーファス王子も精霊を集めて貰わないと見るのもなかなかなのだ。ジュリアの周りには、ほら、こんな風に精霊が集まるから、私にもよく見える! だから、私達の修行を助けると思って、来てくれないかな」
煌めく青い瞳で懇願されると、ジュリアは弱かった。
「私がお役に立てるのですか?」
ハンサムな若様に説得されたジュリアを、ミリアム先生は少し心配する。王宮には精霊使いの才能を持ったジュリアを誘惑しようとする者もいるはずだ。
『田舎育ちのジュリアはハンサムな貴族の甘い言葉に、ころっと騙されるかもしれないわ。シルビアお嬢様みたいに、幼い頃から称賛の言葉を受けてきたなら、免疫もあるだろうけど……』
後で、注意をしておかなければと、ミリアム先生は考えた。
ジュリア付きの侍女になったルーシーは、このビッグニュースに小躍りする。
「凄いチャンスですよね! セドリック様と一緒にルーファス王子様と修行するだなんて! それに、サリンジャー師も独身なのでしょ? 少し年上だけど、精霊使いって高収入だと聞いたわ」
明日から王宮で修行だと、緊張していたジュリアは、ルーシーの言葉に驚いた。
「精霊使いの修行に行くのよ? チャンスって、何?」
田舎娘のジュリアに、都会育ちのルーシーは呆れ返る。
「まだ13歳だからとのんびりしてては駄目ですよ。皆、良い結婚相手を探すのに必死なんだから! ジュリア様は精霊使いとして、ポイント高いから選びたい放題です」
さん付けから、王宮に行くと聞いて、様付けに変わったのにも気づかす、ルーシーの言葉に驚いた。
「選びたい放題? 私は美人じゃないから、精霊使いになって食べていけたら良いと思ってるの」
様付けに変えたけど、侍女としては馴れ馴れしくチッチッチと指を立てて注意する。
「美人じゃないなんて、自分で口にしては駄目よ! そりゃあ、シルビアお嬢様みたいに、生まれつき容姿に恵まれているわけでは無いけど、ジュリア様も美人に見せることはできるわ」
美人になれるのではなく、美人に見せると正直な意見に、ジュリアは苦笑したが、センスの良いルーシーに任せることにした。
緑に囲まれた王宮の離れで、ルーファス王子はセドリックに頼んだ。
「まだ、環境の激変に戸惑っているようなので、あと少し時間を置いた方が良いのでは無いでしょうか?」
ジュリアはシルビアと勉強部屋で食事をしているぐらいなのに、王宮へなど連れて来たらパニックになるのではと心配する。しかし、いつもは穏やかなサリンジャー師が、ルーファス王子の意見を後押しした。
「セドリックの言うこともわかりますが、いずれは精霊使いの修行の為に、王宮に来なくてはいけないのです。それに、ジュリアが一緒に修行する方が、ルーファス王子や貴方にとっても効果的だと思います」
セドリックはサリンジャー師に精霊を集めて貰わないと、姿を見るのも苦労しているので、確かにジュリアが居れば、次の段階に進み易いだろうと考えた。
「しかし、それではあまりにジュリア任せで、自分で精霊を呼び寄せないと駄目なのでは?」
サリンジャー師は微笑んで、初心者なのだから仕方ありませんよと慰める。
「それに、精霊と親しくしていると、彼方からも寄ってくるようになるのです。初めはジュリアに引き寄せられる精霊を見たり、その精霊に言うことを聞いて貰ったりしますが、そのうちルーファス王子やセドリックになつく精霊も出てきますよ」
サリンジャー師の近くに、精霊が呼び寄せもしなくても姿を現す場面に何度となく遭遇していたので、ルーファス王子はジュリアが居たら精霊が引き寄せられると喜んだ。
「なら、決まりだ! 昔から言うじゃないか、馬には乗ってみろ、人には添ってみろ? あれ? 少し意味が違うかな?」
それは縁談を勧める時の言葉ですと、二人は笑った。
セドリックも国王の精霊使いを育成したいとの意志を感じていたので、これ以上は日のべはできないと受け入れる。こうして、ジュリアは王宮の離れで、精霊使いの修行を始めることになった。
「ジュリア、明日から精霊使いの修行を始めよう」
若様に書斎で告げられて、ジュリアは真っ青になった。
「あのう、もう少し待って頂けないでしょうか?」
一緒に書斎に付いてきたミリアム先生が、まだ礼儀作法を教えている最中なのにと庇った。
「王宮と言っても、サリンジャー師が住んでおられるのは、離れだから宮廷人も近づいたりしないよ。精霊を呼び寄せるに相応しい、木々に囲まれた環境なのだから」
ミリアム先生は王宮にそんな場所があるのかしら? と首を捻ったが、王宮の本殿では無いのならと少し安心する。
「でも、ルーファス王子様と一緒だなんて……」
セドリック様の顔を見るだけで、どきどきして、へまをしないか緊張するのに、王子様と修行など無理だとジュリアは首を横に振る。
「ルーファス王子は優しいし、明るくて楽しい御方だよ。それに、ジュリアと一緒に精霊使いの修行をしたいと思っておられるから。というか、私もルーファス王子も精霊を集めて貰わないと見るのもなかなかなのだ。ジュリアの周りには、ほら、こんな風に精霊が集まるから、私にもよく見える! だから、私達の修行を助けると思って、来てくれないかな」
煌めく青い瞳で懇願されると、ジュリアは弱かった。
「私がお役に立てるのですか?」
ハンサムな若様に説得されたジュリアを、ミリアム先生は少し心配する。王宮には精霊使いの才能を持ったジュリアを誘惑しようとする者もいるはずだ。
『田舎育ちのジュリアはハンサムな貴族の甘い言葉に、ころっと騙されるかもしれないわ。シルビアお嬢様みたいに、幼い頃から称賛の言葉を受けてきたなら、免疫もあるだろうけど……』
後で、注意をしておかなければと、ミリアム先生は考えた。
ジュリア付きの侍女になったルーシーは、このビッグニュースに小躍りする。
「凄いチャンスですよね! セドリック様と一緒にルーファス王子様と修行するだなんて! それに、サリンジャー師も独身なのでしょ? 少し年上だけど、精霊使いって高収入だと聞いたわ」
明日から王宮で修行だと、緊張していたジュリアは、ルーシーの言葉に驚いた。
「精霊使いの修行に行くのよ? チャンスって、何?」
田舎娘のジュリアに、都会育ちのルーシーは呆れ返る。
「まだ13歳だからとのんびりしてては駄目ですよ。皆、良い結婚相手を探すのに必死なんだから! ジュリア様は精霊使いとして、ポイント高いから選びたい放題です」
さん付けから、王宮に行くと聞いて、様付けに変わったのにも気づかす、ルーシーの言葉に驚いた。
「選びたい放題? 私は美人じゃないから、精霊使いになって食べていけたら良いと思ってるの」
様付けに変えたけど、侍女としては馴れ馴れしくチッチッチと指を立てて注意する。
「美人じゃないなんて、自分で口にしては駄目よ! そりゃあ、シルビアお嬢様みたいに、生まれつき容姿に恵まれているわけでは無いけど、ジュリア様も美人に見せることはできるわ」
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