世界最強です。問題ありますか?

桐ヶ谷明日奈

文字の大きさ
7 / 9
2章

猫のような少女

しおりを挟む
はい、2章入りました。
実は章ごとに視点が少しずつ変わっていきます。そして節のタイトルも。
1章はエディシア 2章はロイド が担当していきます。

☆☆☆☆☆



俺は約二年前、他の大陸からやってきた冒険者だ。
この大陸に来てからは、基本的には一人でクエストをこなしている。
生まれた時からすでに俺は剣士だった。
祖父の言いつけを守り、双剣使いとして立派に成長している。

そんな俺に指名クエストが渡された。
依頼主は、この国で有名な祈りのマリアだ。
トーナメントバトルには正直興味が沸いた。
金も欲しかったし、なにより有名な魔法使いとともにチームを組めるということには、少しだけ興味があった。
しかしその依頼書の内容をみて、チームにはもう一人いることに気が付いた。
しかも全く知らない名前だ。




エディシア。



この大陸に来てから聞いたことのない名前だ。
ギルドにいてもそんな名前は聞かない。
そこでギルドマスターに話を聞いてみると、その子は別大陸に今いるということだ。
別大陸からこの大陸までは、最短の大陸でも10日はかかる。
なんせ海を越えなくてはならないからだ。
しかも、このエディシアという子はこの大陸に帰ってくる予定はいまのところはないらしい。
そしてこの大会の存在も知らないという。

そんなので戻ってくるのだろうかと考えていた。

しかし彼女はどうやら帰ってきたみたいだ。



ギルドマスターから聞いた通りの白銀の少女。
杖を三本持っているから、おそらくは魔法使いだろう。
しかし、少し違和感がある。
彼女の影が時々怪しげに揺らめくのだ。
まるでなにか別の生き物がいるみたいに。

まあ、見間違えだろう。ランプの明かりでそう見えるのだと無理やり納得させて観察していると、彼女は二階の奥の部屋へ、カナリアとともに入っていく。


すると、ギルドマスターがこちらへ近づいてきた。
「あいつだよ、エディシアは。じっくり観察して決めな、ロイド」
そういって声をかけてくれた。
「まだほんとにガキじゃないか。あんな子と俺は組まなくちゃいけないのか?」
「見た目はな。ただ、現在うちのギルドに登録している中ではあいつが一番最強だ。恐らくは話が終われば、喧嘩っ早い連中どもが一勝負申し込むだろうから、観察すればいいさ」

現在ギルドの酒場で飲んでいる中に、喧嘩っ早いので有名なガウルがいる。彼は確かAランクだ。
実力を見るには十分だろう。



そういって待っていると上から降りてきて、マスターから何かを受け取る。
その様子をじっと観察していると、一瞬にして持っていた封筒が燃えた。
恐らくは炎の精霊だろう。
しかし、よく表情がコロコロ変わるものだ。まるで猫のような少女だ。
彼女はもう一つの依頼書を眺めていると、やはりガウルが近づいていく。


「おい、こんなガキンチョが指名クエストの依頼書持ってるぜ」


予想通り絡んでいった。
ギルドマスターは苦笑いしながら、外を指さす。

争いならギルドの外で。
そして、売られた喧嘩は買うのが礼儀。
これが、このギルドの暗黙のルールだ。

少女もそれを知っているらしく、にやりと笑う、依頼書をマスターに渡して外へ出ていく。
それを見て、ギルドのほかのメンバーなどがゾロゾロと見学なのか外へ出る。
俺はギルドの窓から見学することにした。

窓の外を見ると、すでにもう戦闘態勢が整っていた。

「おめぇみたいなチビが来る場所じゃねえんだよ。さっさと帰んな」

そう言って大きな斧を構えるガウル。
斧の柄は赤くライオンの装飾が施されている。

一方、少女はニコニコしながら背中の杖を一本だけ取り出す。
白銀の柄の先端には蒼い大きな石がある。
見たことのない杖だ。おそらくオリジナル物なのだろう。


「いくぜ、せいぜい死なないようにガードはしろよ!!!」
ガウルが一気に間合いを詰めて、斧を振りかざした。
しかし次の瞬間、ガウルの動きは一瞬止まったかと思うと、次の瞬間にはパタリと倒れた。


早すぎて何が起こったのかわからなかった。
多くの見物人がそうだろう。
しかし、彼女はさも当然かというような顔でガウルの斧を回収している。
彼女が斧をアイテムボックスにしまうと、杖を背中に戻しギルドの扉の中に入ろうとする。
そして、彼女が指を鳴らすとガウルはゆっくりと目をさました。


ガウル自身もなにが起こったのかわからなかったのだろう。
彼は彼女に襲い掛かった。だが、次の瞬間自分は倒れて、斧を失っている。
ありえない。
いまだ呆けているガウルの代わりに、他のギルドのメンバーが彼女に話しかけ外に誘おうとする。

恐らくはガウルの代わりに勝って、斧を取り返そうと考えているのだろう。
ガウルは新人には厳しいが、自分の仲間だけはどんなことがあっても大切にする男だ。

彼女はため息交じりに再び外へでる。
またあの一瞬の技を使うかもしれない。
さっきは早すぎて分からなかった。実力も不明だ。
今度は絶対に見抜いてやる。


外へ出るとき、彼女がこっちを見て不適に笑ったのを俺は見逃していた。



☆☆☆☆☆☆☆


はい。初めてエディシア戦闘しましたね。
いやぁ、一瞬すぎて誰も分からなかったんですけど;;;
さて、次回もう一度戦闘します。
今度はロイドのために見せつけますよ。その強さ



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。

四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」 突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。

使い捨て聖女の反乱

あんど もあ
ファンタジー
聖女のアネットは、王子の婚約者となり、瘴気の浄化に忙しい日々だ。 やっと浄化を終えると、案の定アネットは聖女の地位をはく奪されて王都から出ていくよう命じられるが…。 ※タイトルが大げさですがコメディです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

思いを込めてあなたに贈る

あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。

教養が足りない、ですって

たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。

処理中です...