世界最強です。問題ありますか?

桐ヶ谷明日奈

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2章

強すぎる猫

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順調に更新できてなによりです。
バイト先で指ケガしてしまって打ちにくいのが仕方がない。
頑張って更新します


☆☆☆☆☆☆☆☆



再び彼女は外へ出た。
今度は人数が先ほどとは違う。
先ほどは一対一。公平な試合と呼べるだろう。
しかし、今の状況は違う。彼女の周りを取り囲むようにして20人近くの男が囲っているからだ。

そんな状況だというのに、彼女は脅えた表情一つ出さない。
彼女は始終ニコニコしながら、先ほどとは違う杖を取り出した。
杖は先ほどと同じ色で銀色。ただ、先端についている石は蒼ではなく赤だった。
それも血のように赤い赤。

「ガウルさんの敵、取らせてもらうぜ!!!」
そういって男たちが襲おうとするが、彼女は動かない。

「ちょっと人数が多いから、手加減できなかったらごめんね?」
そういった瞬間、彼女の影から一匹の狼が姿を現した。
白銀の狼。
体長は2メートルくらいだろう。
紅い瞳が印象的で、先走って攻撃した男を一瞬にて昏睡させる。


「こいつ召喚士だ!!!!!」



召喚士。
異界から幻獣や、魔獣を召喚して戦う使い手のことである。
使い手自身の魔力によって召喚できる魔獣などは違い、その格差はピンからキリまである。
基本的には契約で縛り付けて、その契約の切れる限り魔獣などを使役するといわれている。


「ちょっと違うんだけどなぁ。まあ、いいや。10秒待ってあげる。今ならまだ間に合うよ。降参する?」



召喚士は数がものすごく少ない。
なんせ魔力の大半を随時、魔獣に食わせているようなものだ。
しかし、彼女はちょっと違うといった。
召喚士ではない。
ならば一体なんの力なのか?
俺はますます彼女に興味が沸いた。


そんなことを考えているうちに、10秒が経った。
しかし、誰も動こうとしない。
それどころか、仲間の敵という思いだけでとびかかろうとした。
死んだわけではないのだから、降参すればいいようなものを。
俺はそう思ったが、口には出さなかった。
ただこの戦いの行く末に興味があった。それだけだ。



だから次の瞬間に起こったことには目を疑った。



彼女は大きくため息をつき、杖を相手に向けた瞬間。
先ほどの狼が咆哮を上げた。




そして次に見た時は、相手はすべて氷漬けになっていたのだ。





氷漬けになった男たちは動かない。
それを見て、呆けていたガウルはようやく立ち上がった。



「イラン、ライジン、それにみんな、なぜこんなことになったんだ?」


ガウルは絶望にいた。
しかしもう彼女には遅いかかろうとはしない。
恐らく先ほどの戦闘で実力差がはっきりわかっているからだろう。

圧倒的な実力差を目の前にしてガウルは茫然としていた。
そこへギルドの中からギルドマスターが姿を現した。

「ほら、いい加減元に戻してやれ、エディシア。これ以上俺のギルドの前に氷の石像を作るな」
ギルドマスターに言われたためか「わかったわよ」といいながら杖を翳す。
すると、氷のようだった石像は一瞬にして元の人間に戻った。
彼女はガウルに向かって「喧嘩を売る相手の実力差くらい見抜けないと、次は死ぬわよ」
ガウルは必至に彼女に頭を下げながら「すみませんでした!!!!」といった。
その様子を見ていた、先ほどまで氷の石像だった者達は、なにがあったかわからないという感じだったが、ガウルの姿を見て一緒に頭を下げる。

彼女は気にしていないという感じでギルドの中に戻っていく。
先ほどまでいた銀色の狼は、サイズが少し小さくなっている気がする。
影に出入りできるくらいなのだがら、サイズを変えるなどたやすいのだろう。
狼に対して「マスターがきっとおいしいお肉おごってくれるわよ」と嬉しそうな顔をしてにっこり笑っている。
狼は鼻をふんと鳴らすと、すたすたと彼女の横をついていく。
どうやらまんざらでもないらしい。




ギルドの中へ入ると、再び先ほどの席に着いた。
俺は、彼女の声が聞こえる席へ場所を移動する。
彼女はマスターから先ほどの依頼書を受け取ると、先ほどからずっと続けている笑みを此方へ向けた。


「で、貴方が私とこの依頼を受けるロイドさん?」


どうやら彼女は俺の存在を知っていたようだ。
いや、疑問形だから知らなかったが、マスターとの話や俺の視線で気が付いたってことだろう。
俺は彼女に向き合って手を差し出した。
「初めましてエディシア。俺の名前はロイドだ。今回祈りのマリアから依頼を受けた一人だ。君は今回の依頼を受ける予定なのか?」

隠しても無駄。
彼女にはそれだけの力があることを、すでに先ほどの戦闘で嫌というほどわかっている。
分かっているから、聞いてみることにした。
彼女と戦うことは避けたいが、チームとしてだったら一緒に戦ってみたいと思ったからだ。
圧倒的魔法戦闘力。
召喚士ではないということなので、召喚はあくまで補助なのだろう。
だからこそその戦闘を近くで見たいと思ったのだ。


彼女は俺の問いには笑顔のまま答えない。
「受ける受けないは、依頼主に会ってから決めるわ」
そういってマスターに依頼主と連絡を取るよう伝える。
そしてそのままギルドをあとにしたのだ。



「希望はあるさ。気に入らなければその場で依頼書、いつも焼き切ってるから」
ギルドマスターはそういうと、俺にも明日の時間を教えた。



明日、朝10時 ギルド2階会議室。

明日この依頼書を出したマリア自身がやってくるのであろう。



この時、どれだけこの依頼を断っていればよかったなんて、あとから後悔してももう遅かったんだ。
縁は結ばれてしまった。
あとはもう突き進むだけだ。




☆☆☆☆☆☆☆


世間一般三連休。
だけど私は仕事三昧。一日10時間労働ってなにさと思う今日この頃。
仕事の合間にカキカキ書き込み。








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