上 下
9 / 9
2章

猫は世界最強だった

しおりを挟む
お気に入り登録30人突破!!!
ありがとうございます♪
じわじわと更新できてうれしいです。



☆☆☆☆☆☆



あのあとやはり彼女のことが気になって、少しくらい自分で調べてみるかとギルドマスターから、彼女のことをよく知る人物に心当たりはないか聞いてみた。
すると、彼女はあまり人との付き合いが薄いらしいが、このギルドの受付であるカナリアとは仲がいいという情報をもらった。
仲が良いとわかっている人に聞くのは少し聞き辛いが、致し方ない。
なんとか時間を貰い、カナリアの仕事が終わった後話、を聞く約束を取り付けた。



夕方6時頃、ギルドに人がまばらになったころ、他の職員と交代でカナリアは仕事を上がった。
「ごめんね、仕事待ってもらって。一応勤務時間、勤務以外の話を長時間するのは、禁止されているから」
ギルドの裏口から出てきた彼女は、謝りながらマグカップに入ったコーヒーを渡す。
それを俺は受け取ると、その場で飲みながらエディシアのことについて聞いてみた。

「本人にはさっきあったのよね?」
「ああ」
「どれくらいについて知ってるの?」
カナリアに先ほどギルド内であったことを話し、召喚であった狼についても話した。



「まあ、本人のいないところであれこれ言うと怒られちゃうから、あんまり話したくはないんだけどね。本人自身は隠してはいないようだし。エディシアはランクSSSの魔術師よ」

魔術師。
どうやら召喚士ではないらしい。


「さっき話にでていた狼。銀色だって話だから、おそらくは彼女の神獣でエディアね。シアは小さい頃親に捨てられて、育てたのがそのエディア」

エディシアは親に3歳の時に捨てられたらしい。そしてその捨てられた子供を拾ったのが、エディアだったという。

エディアのほかにも3匹の神獣、15の魔獣と契約していると聞いた。
さらに、本人自身は相当の魔法の使い手だということも。
主に破壊魔法系統が得意、さらには近接戦闘に関してはどの武器を持たせても一流だそう。

「私が知ってる神獣は2匹。さっき話にでたエディア。この子は氷を得意としていて、攻撃がすっごく早いの。大きさも自由に変えられるし、普段から異界ではなくて彼女の影に隠れているから、シアになにかあったときに真っ先にでてくるのはこの子ね」

確かにあの戦闘で、攻撃の速さは素晴らしかった。
おそらく影から攻撃して影に戻るってことすら、一瞬で行える速さだった。

「あと知っているのは、アリアっていう神獣よ。見た目はほぼ完全に人。黒髪黒目の女性の姿をしていたわ。前にギルドにすっごく重症の冒険者が運ばれたときに、傷を治していたのを見たことがあったわ」

回復系スキルの使える神獣。
神獣は魔獣と違って、世界に12匹しか存在しないとされている。
それは遥か昔からの物語にも記載がされており、中でも神獣の中で最も有名なのは、始まりの王とされている神獣だ。
この始まりの王と呼ばれる神獣は、ここ300年は姿を現してはいないというが。
そしてそれとは別に、神獣の中で希少とされているのが、回復系スキルを持つものだ。
12の神獣のうち、回復系スキルを使用できるものは2体。
そのうちの一体を彼女は使役しているという。

神獣4匹と契約していると聞いて、すでに化け物並みの魔力を持っているのだが、それにさらに魔獣まで契約しているという。
魔力がもはや桁違いだといえよう。


「まあ、エディシアが4年前。当時ギルドナンバー1だった隻眼のアラウディを、たった3秒で倒したっていうんだから、彼女は現在も世界最強だってことには変わらないわね」


5年前に開かれた世界最強を決める大会。
5年に1回、すべての大陸の兵どもが集められて試合をする大会がある。
その大会で優勝すると豪華な賞品と、名誉が与えられるという大会なのだが、その5年前に開かれた大会で優勝したのが、隻眼のアラウディだったのだ。
そしてその1年後、フラッと現れたエディシアに倒されたと聞いている。
その後もアラウディは何度か勝負を挑んだらしいが、結局はエディシアの圧勝。
その話はギルド内でも結構有名らしい。

「彼女は世界最強だったのか…」

いままで聞いた話の内容からしても、彼女との実力差は計り知れない。
俺はいまだにランクSだ。
ランクSSSになるためには、まだ実力が全然足りない。

世界共通にあるギルドには、冒険者のためにあるクエスト掲示板から、依頼を受けることができる。そのためにはランク登録をしなければならない。
下はランクG。一番上はランクSSSだ。
登録できる年齢は6歳から。
登録料金は500リルで、ランク登録の際に渡されるギルドカードが、街に入る際の通行証の代わりになっている。
ランクGはほとんど一般の人でも受けられるお使い程度の仕事。
何を買ってきてとか、この薬草を探しているとか戦闘とは一切無縁だ。
ランクFから上は、町中よりも町の外での仕事が増えてくる。
隣町までの輸送の手伝いや護衛。モンスターや野党の盗伐。薬草の入手など様々だ。
だが、ランクS以上となるといままでの依頼とは別に指名クエストと言われる仕事が入ってくる。

さらにランクSSSにもなると、国からの依頼や、凶暴な魔獣の討伐なども入ってくる。
そういった依頼を常に受けるのがランクSSSなのだ。
正直信じたくない。
なんせ先ほどみた見た目からして、12歳くらいだろう。
いくら実力があろうと、子供にやらせる仕事ではないはずだ。





「あ、言い忘れてたけどエディシアに対して、子供やガキ、小さいは禁句だから。彼女見た目はあれだけど、年は16歳だから」




小さな世界最強の称号を持つ少女は、どうやら堪忍袋の緒も世界最強の小ささらしい。




☆☆☆☆☆☆☆☆


はい、更新今日も午後6時当たり考えていたんですけど、やはり仕事終わらず、そのままエンドレス仕事でした;;;
眠気眼で打ってるので、変な文法あったらごめんなさい。

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...