66 / 499
第3章 逆襲編
第3章ー⑱
しおりを挟む
「はっはっはっはっはあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「…」
勇者とダークボルトの一騎打ち。始まってからまだ一分程しか経っていないが、あまりの次元の違う戦いを見せられ、自分達は唖然とするしかなかった。
目で追いかけきれないレベルの猛スピードの攻防戦。勇者の剣裁きといいダークボルトの槍裁きといい動きが全く見えない。それをほぼゼロ距離でやり合っているのだ。お互い反応速度が半端じゃない。
「へっ、これじゃあ埒が明かねぇな。それじゃあ…」
しかし、暫く経ってダークボルトが突然後ろに下がった。今の状況では決着が着かないと判断したようだ。
「こっからは魔法ありでいかせて貰うぜぇぇぇぇぇっ!!!」
「ッ!?」
そのダークボルトは、再び黒い雷のオーラを放つ。しかし、今までの威嚇用の奴とは違う。魔法を使う気だ。
「【疾風迅雷・黒死《こくし》】!」
ダークボルトが魔法を唱えた瞬間、奴の姿が目の前から消えた。疾風迅雷、聞き馴染みのある単語。その意味は風や雷のように速い。つまり、消えたのではなく…
「おらあぁっ!!」
「つっ!?」
消えたと錯覚してしまう程の速さで移動していた。ダークボルトは黒い雷を纏いながらとてつもない速さで勇者の横っぱら目掛けて突進。しかも、勇者が剣を握っている右手側からではなく、その逆の左側から。そのせいか、勇者は防御に一瞬遅れてしまい、紅天画撃の槍先が勇者の左脇腹を掠めた。
「へっ、俺の本気の速度の前じゃあ、その魔力感知も役に立たねぇみてぇだなぁ」
「…」
勇者に傷を負わせたダークボルトは意気揚々。奴の笑みは既に勝ちを確信しているように見えた。たしかに、あの速度に勇者もギリギリ付いていけてなかった。
「…勇者さん…」
ミオが不安そうな表情で勇者を見ている。無理もない。今の一撃は軽傷ではあるものの、自分達から見たらある意味致命傷の一撃である。それほどまでに重い一撃だった。
「ふっ」
「んん?」
しかし、勇者はなぜか笑っていた。この絶望的な状況にも関わらず。
「どうした? 絶望的すぎて頭可笑しくなっちまったかぁ?」
勇者の意味深な笑いにダークボルトは煽り出した。奴が煽るのも無理はない。不利な状況で急に笑い出したら普通は頭がおかしくなったと思ってしまう。
「いや、お前がかすり傷程度ではしゃいでいるのが面白くってな」
「あ゛あ゛っ?」
しかし、勇者は決しておかしくなってはいなかった。寧ろ勇者の方が余裕そうな表情を浮かべており、ダークボルトは怒った表情に変わっていた。
「もういっぺん来てみろよ。今度はきっちり反応してやるよ」
「…んだとぉ?」
逆に勇者に煽り返されたダークボルトは後ろに下がり再び距離を取る。さっきの攻撃をまたやるつもりだ。
「お望み通りやってやるよぉ! 今度はてめぇの身体を内臓ごと串刺しにしてやる!! 【疾風迅雷・黒死】ぃ!!」
鼻息を荒くしたダークボルトは再び疾風迅雷・黒死を使用。また一瞬にして姿が見えなくなった。目で追いきれないうえ、勇者の高度な魔力感知ですら対応に間に合わなかった。一体勇者はどう対応するつもりなのだろうか。
「…上か」
「ッ!?」
先程となにも変わっていなかった。魔法を使う様子もなかった。一歩も動くどころか顔すら動かそうともしていなかった。にも関わらず、勇者は上に居ると言い放った。
「なにっ?!」
勇者の言う通り、ダークボルトは上空から勇者の頭上目掛けて紅天画撃を構えていた。
「くうっ!?」
しかし、勇者は頭上に剣を構え、ダークボルトの攻撃を完璧に防いだ。
「言っただろ。今度はきっちり反応してやるって」
ダークボルトの攻撃を防いだ勇者は再び余裕の笑みを浮かべていた。
「…」
勇者とダークボルトの一騎打ち。始まってからまだ一分程しか経っていないが、あまりの次元の違う戦いを見せられ、自分達は唖然とするしかなかった。
目で追いかけきれないレベルの猛スピードの攻防戦。勇者の剣裁きといいダークボルトの槍裁きといい動きが全く見えない。それをほぼゼロ距離でやり合っているのだ。お互い反応速度が半端じゃない。
「へっ、これじゃあ埒が明かねぇな。それじゃあ…」
しかし、暫く経ってダークボルトが突然後ろに下がった。今の状況では決着が着かないと判断したようだ。
「こっからは魔法ありでいかせて貰うぜぇぇぇぇぇっ!!!」
「ッ!?」
そのダークボルトは、再び黒い雷のオーラを放つ。しかし、今までの威嚇用の奴とは違う。魔法を使う気だ。
「【疾風迅雷・黒死《こくし》】!」
ダークボルトが魔法を唱えた瞬間、奴の姿が目の前から消えた。疾風迅雷、聞き馴染みのある単語。その意味は風や雷のように速い。つまり、消えたのではなく…
「おらあぁっ!!」
「つっ!?」
消えたと錯覚してしまう程の速さで移動していた。ダークボルトは黒い雷を纏いながらとてつもない速さで勇者の横っぱら目掛けて突進。しかも、勇者が剣を握っている右手側からではなく、その逆の左側から。そのせいか、勇者は防御に一瞬遅れてしまい、紅天画撃の槍先が勇者の左脇腹を掠めた。
「へっ、俺の本気の速度の前じゃあ、その魔力感知も役に立たねぇみてぇだなぁ」
「…」
勇者に傷を負わせたダークボルトは意気揚々。奴の笑みは既に勝ちを確信しているように見えた。たしかに、あの速度に勇者もギリギリ付いていけてなかった。
「…勇者さん…」
ミオが不安そうな表情で勇者を見ている。無理もない。今の一撃は軽傷ではあるものの、自分達から見たらある意味致命傷の一撃である。それほどまでに重い一撃だった。
「ふっ」
「んん?」
しかし、勇者はなぜか笑っていた。この絶望的な状況にも関わらず。
「どうした? 絶望的すぎて頭可笑しくなっちまったかぁ?」
勇者の意味深な笑いにダークボルトは煽り出した。奴が煽るのも無理はない。不利な状況で急に笑い出したら普通は頭がおかしくなったと思ってしまう。
「いや、お前がかすり傷程度ではしゃいでいるのが面白くってな」
「あ゛あ゛っ?」
しかし、勇者は決しておかしくなってはいなかった。寧ろ勇者の方が余裕そうな表情を浮かべており、ダークボルトは怒った表情に変わっていた。
「もういっぺん来てみろよ。今度はきっちり反応してやるよ」
「…んだとぉ?」
逆に勇者に煽り返されたダークボルトは後ろに下がり再び距離を取る。さっきの攻撃をまたやるつもりだ。
「お望み通りやってやるよぉ! 今度はてめぇの身体を内臓ごと串刺しにしてやる!! 【疾風迅雷・黒死】ぃ!!」
鼻息を荒くしたダークボルトは再び疾風迅雷・黒死を使用。また一瞬にして姿が見えなくなった。目で追いきれないうえ、勇者の高度な魔力感知ですら対応に間に合わなかった。一体勇者はどう対応するつもりなのだろうか。
「…上か」
「ッ!?」
先程となにも変わっていなかった。魔法を使う様子もなかった。一歩も動くどころか顔すら動かそうともしていなかった。にも関わらず、勇者は上に居ると言い放った。
「なにっ?!」
勇者の言う通り、ダークボルトは上空から勇者の頭上目掛けて紅天画撃を構えていた。
「くうっ!?」
しかし、勇者は頭上に剣を構え、ダークボルトの攻撃を完璧に防いだ。
「言っただろ。今度はきっちり反応してやるって」
ダークボルトの攻撃を防いだ勇者は再び余裕の笑みを浮かべていた。
0
あなたにおすすめの小説
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する
鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。
突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。
しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。
魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。
英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる