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第3章 逆襲編
第3章ー⑲
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「な…んでだ?」
攻撃を防がれ茫然とするダークボルト。さっきまで意気揚々としていたのがだいぶ前のことのように思えてしまう。
「簡単な話だ。どれだけ速くなろうとも、どこから来るか予測出来ればある程度対処は出来る」
「予測だと? んな馬鹿な。そんなこと出来るわけがねぇ」
勇者の言葉にダークボルトは納得しきれてい様子。正直自分も奴の意見に心の中で同意していた。いくらなんでも無理がある気がしたからだ。落雷の速度で襲って来るうえ、四方八方どこから来てもおかしくはなかった。それを予測するなんて不可能に近い。まだ運任せと言われた方が納得できる。
「出来るさ。お前の足元を見ればな」
「足元ぉ?!」
納得しきれていないダークボルトの足元を指さす勇者。どうやら奴の足元に攻略法があるようだが、自分もまだ理解するには至っていない。
「走る時っていうのは走る前にどっちかの足に力が入るもんだ。左に向かって走るなら左足、右なら右足だな。お前の魔法もそれと同様、どっちかに走るならそのどっちかの足に強い魔力を込めるはずだ。今回の場合、両足に魔力が込められてたから上にジャンプしたと判断したってわけだ」
「なっ!?」
勇者の話を聞き、ダークボルトはハッとするあまり思わず自分の足元を確認していた。意識的にやっていたのか、それとも無意識でやっていたのかは定かではないが、思い当たる節があるような顔をしている。
「あ、ありえねぇ。俺が前に突っ込んで来る可能性もあったろ?」
しかし、ダークボルトは反論。たしかに、そのまま前に突進してくる可能性もある。その場合、勇者はどうやって判断していたのだろうか。
「それはないな。さっきの接近戦でお前は埒が明かないと言っていた。つまり、真正面から戦うのは得策じゃないとお前は判断したんだ。真正面から行ったらまた対処される可能性が脳裏にチラついていた。だからお前は正面突撃は避けたんだ」
「ッ!?」
どうやら勇者は奴の心理まで読んでいたようだ。すごい。そこまで考えての判断だったのか。父が相手の事を知る事が大事だと言っていたが、強い人っていうのは短時間で相手の思考を読めてしまう領域にまで達してしまうのだろうか。それともこの人がただ者じゃないだけなのか。
「あとはタイミングの問題だった。俺の視界から消え、攻撃を入れてくるまでのタイミング。慣性の法則がある以上、どっかで止まるタイミングもあっただろうからな。それらも踏まえてタイミングを計る必要があった。だから敢えて一度お前の攻撃を受けた。まあ、一発でタイミングが掴めれば儲けもんぐらいには思ってたけどな」
「…」
勇者の余裕っぷりにダークボルトも黙り込んでしまった。本当にすごい。初見の技のはずなのにそこまで熟知してしまうとは。幾度もの戦闘経験から得た知識なのか、それとも純粋な戦闘センスからなのか、その両方の可能性もあり得るな。流石勇者と呼ばれるだけのことはある。
「…はははっ」
「ん?」
勇者の実力に圧倒されていると、ダークボルトが急に笑い始めた。勇者の強さに驚かされるあまり、逆に向こうの方がおかしくなってしまったのだろうか。
「んだーはっはっはっはっはぁぁぁっ!!!」
「ッ!?」
かと思いきや、ダークボルトの身体から三度黒い雷のオーラが溢れ出してくる。なんだこいつ、オーラを放つ魔力がどんどん上がってきている気がする。まだ本気じゃなかったということか。
「小手調べは終わったかぁ、勇者さんよぉ?」
「…」
ダークボルトはおかしくなってなどはいなかった。寧ろさっきより意気揚々としているように見える。
「その程度で勝てるだなんて思ってんなよ? こっからはそんなこと考えてる暇なんかねえぞ!!」
そう言いつつ、興奮気味のダークボルトの目は獲物を見つけた時の獣のような目をしていた。
攻撃を防がれ茫然とするダークボルト。さっきまで意気揚々としていたのがだいぶ前のことのように思えてしまう。
「簡単な話だ。どれだけ速くなろうとも、どこから来るか予測出来ればある程度対処は出来る」
「予測だと? んな馬鹿な。そんなこと出来るわけがねぇ」
勇者の言葉にダークボルトは納得しきれてい様子。正直自分も奴の意見に心の中で同意していた。いくらなんでも無理がある気がしたからだ。落雷の速度で襲って来るうえ、四方八方どこから来てもおかしくはなかった。それを予測するなんて不可能に近い。まだ運任せと言われた方が納得できる。
「出来るさ。お前の足元を見ればな」
「足元ぉ?!」
納得しきれていないダークボルトの足元を指さす勇者。どうやら奴の足元に攻略法があるようだが、自分もまだ理解するには至っていない。
「走る時っていうのは走る前にどっちかの足に力が入るもんだ。左に向かって走るなら左足、右なら右足だな。お前の魔法もそれと同様、どっちかに走るならそのどっちかの足に強い魔力を込めるはずだ。今回の場合、両足に魔力が込められてたから上にジャンプしたと判断したってわけだ」
「なっ!?」
勇者の話を聞き、ダークボルトはハッとするあまり思わず自分の足元を確認していた。意識的にやっていたのか、それとも無意識でやっていたのかは定かではないが、思い当たる節があるような顔をしている。
「あ、ありえねぇ。俺が前に突っ込んで来る可能性もあったろ?」
しかし、ダークボルトは反論。たしかに、そのまま前に突進してくる可能性もある。その場合、勇者はどうやって判断していたのだろうか。
「それはないな。さっきの接近戦でお前は埒が明かないと言っていた。つまり、真正面から戦うのは得策じゃないとお前は判断したんだ。真正面から行ったらまた対処される可能性が脳裏にチラついていた。だからお前は正面突撃は避けたんだ」
「ッ!?」
どうやら勇者は奴の心理まで読んでいたようだ。すごい。そこまで考えての判断だったのか。父が相手の事を知る事が大事だと言っていたが、強い人っていうのは短時間で相手の思考を読めてしまう領域にまで達してしまうのだろうか。それともこの人がただ者じゃないだけなのか。
「あとはタイミングの問題だった。俺の視界から消え、攻撃を入れてくるまでのタイミング。慣性の法則がある以上、どっかで止まるタイミングもあっただろうからな。それらも踏まえてタイミングを計る必要があった。だから敢えて一度お前の攻撃を受けた。まあ、一発でタイミングが掴めれば儲けもんぐらいには思ってたけどな」
「…」
勇者の余裕っぷりにダークボルトも黙り込んでしまった。本当にすごい。初見の技のはずなのにそこまで熟知してしまうとは。幾度もの戦闘経験から得た知識なのか、それとも純粋な戦闘センスからなのか、その両方の可能性もあり得るな。流石勇者と呼ばれるだけのことはある。
「…はははっ」
「ん?」
勇者の実力に圧倒されていると、ダークボルトが急に笑い始めた。勇者の強さに驚かされるあまり、逆に向こうの方がおかしくなってしまったのだろうか。
「んだーはっはっはっはっはぁぁぁっ!!!」
「ッ!?」
かと思いきや、ダークボルトの身体から三度黒い雷のオーラが溢れ出してくる。なんだこいつ、オーラを放つ魔力がどんどん上がってきている気がする。まだ本気じゃなかったということか。
「小手調べは終わったかぁ、勇者さんよぉ?」
「…」
ダークボルトはおかしくなってなどはいなかった。寧ろさっきより意気揚々としているように見える。
「その程度で勝てるだなんて思ってんなよ? こっからはそんなこと考えてる暇なんかねえぞ!!」
そう言いつつ、興奮気味のダークボルトの目は獲物を見つけた時の獣のような目をしていた。
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