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第4章 入学試験編
第4章ー㉑
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「ふぅー!」
馬車に乗って学園の宿舎から少し離れ、ソワレルの公衆浴場に来ていた。銭湯なんて今まで行った事あるかどうか怪しいぐらい無縁の生活を前世では送っていたのだが、まさか初の銭湯(多分)が異世界になるとは思わなかった。この世界でも滅多に見かけなかったしな。
初めての銭湯、どんなものかと好奇心と緊張が半々の状態で来てみたが、思っていたよりシンプルな造りで、勝手が分からないなんてことは特になく普通に入浴出来た。番台らしき場所に居る人に入浴料を支払い、男風呂の暖簾を潜り、適当に空いているロッカーに着替えと脱いだ服を入れ、あとは浴場に入るだけ。案外あっさりと行けるものなのだな。まあ、この世界と前世の世界が同じとは限らないからなんとも言えんが。
人は結構居る。恐らく自分と同じく受験者の人だと思われる。向こうに風呂が無い以上、風呂に入りたいならこういう場所に行かざるを得ないからな。仕方あるまい。きっとこの時期は儲かるんだろうな。
「はあー、銭湯も偶には、良さそうだなー」
ひとっ風呂浴びた自分は店内にあるベンチに座りながら、瓶の牛乳を片手にミオを待っていた。ぽかぽかした身体に冷たい牛乳が沁みて非常に気分が良い。贅沢を言えば、風呂上りにアイスを食べたい気持ちになっていたが、このあと夕飯を食いに行くから我慢我慢。
「あっ、サダメもう上がってたんだ?」
「おう」
暫くすると、風呂上りのミオが後ろから声を掛けて来た。濡れた髪と火照った顔がいつもより妙に色気づいていた。気のせいか、教会の風呂入った時よりも艶めかしく感じる。よっぽど気持ちよかったと見える。
「よし、時間もあんまりないし、メシ食いに行くか」
「うん」
風呂上りののんびりとする時間をもう少し味わいたい気分もあるが、既にもう日が沈んでいる。馬車もバスや電車同様最終便が存在する。それに間に合わなければ折角取った宿に戻れず、最悪野宿する羽目になるから、それまでには間に合わせておきたかった。
自分が所持している腕時計型の魔道具を確認する。時刻はデジタル文字で7時15分と表記されていた。最終便は九時だから、のんびり夕飯を堪能している時間もない。故に、スグに食べれそうな店を探さなければならない。急がなくては。
「ん?」
急いで銭湯を出ようとした矢先、ミオが手に持っていた手提げの籠からなにか落ちて来た。さっきからなにかはみ出していたように見えたが、それが落ちてしまったのだろう。
「…これは…」
落ちたものを手に取る。三角形の白い布地。ハンカチやバンダナの類ではない。これはもしかして…
「ミオー」
「ん?」
彼女を呼び止め、落ちていたものをすぐさま彼女に渡した。
「このパンツ。お前のだろう? 落っこちてたぞ?」
「…ッ!?」
ミオが落としたもの、形といい触り心地といい、間違いなくこれは下着である。多分、脱いだ服とか使ったタオルを適当にぶち込んだものだから、うっかりはみ出てしまったのだろう。正直最初はそんなわけないと思っていたが、手に取った時に確信に変わった。危なかった。幸いなことに誰にも見られていない。もし自分以外の誰かが拾ってしまったら、恥ずかしい思いをしていたかもしれない。仮に手に取った人が男だったら尚更だ。下手すれば、この下着は彼女の元へ帰らず、知らない男の性的欲求の道具として使われていた可能性も…
「んぐえっ!?」
あったかもしれない、なんて考えていたら、いきなりミオからボディーブローを思いっきり貰い、膝から崩れ落ちた。なんでいきなり殴られたのか分からず、蹲りながら頭が困惑していた。ミオの下着なんて、洗濯物干す時に何度も見ているから問題ないはずだが。なのになんで殴られたのだろうか。
「晩御飯、全部奢ってよね?! あと、明日の分も」
「…な、んで?」
蹲る自分を余所に、ミオはそそくさと店を後にした。そして、彼女がなぜ怒っているのかは分からないまま何故か食事代を奢らされる事となった。
―転生勇者が死ぬまで、残り4114日
馬車に乗って学園の宿舎から少し離れ、ソワレルの公衆浴場に来ていた。銭湯なんて今まで行った事あるかどうか怪しいぐらい無縁の生活を前世では送っていたのだが、まさか初の銭湯(多分)が異世界になるとは思わなかった。この世界でも滅多に見かけなかったしな。
初めての銭湯、どんなものかと好奇心と緊張が半々の状態で来てみたが、思っていたよりシンプルな造りで、勝手が分からないなんてことは特になく普通に入浴出来た。番台らしき場所に居る人に入浴料を支払い、男風呂の暖簾を潜り、適当に空いているロッカーに着替えと脱いだ服を入れ、あとは浴場に入るだけ。案外あっさりと行けるものなのだな。まあ、この世界と前世の世界が同じとは限らないからなんとも言えんが。
人は結構居る。恐らく自分と同じく受験者の人だと思われる。向こうに風呂が無い以上、風呂に入りたいならこういう場所に行かざるを得ないからな。仕方あるまい。きっとこの時期は儲かるんだろうな。
「はあー、銭湯も偶には、良さそうだなー」
ひとっ風呂浴びた自分は店内にあるベンチに座りながら、瓶の牛乳を片手にミオを待っていた。ぽかぽかした身体に冷たい牛乳が沁みて非常に気分が良い。贅沢を言えば、風呂上りにアイスを食べたい気持ちになっていたが、このあと夕飯を食いに行くから我慢我慢。
「あっ、サダメもう上がってたんだ?」
「おう」
暫くすると、風呂上りのミオが後ろから声を掛けて来た。濡れた髪と火照った顔がいつもより妙に色気づいていた。気のせいか、教会の風呂入った時よりも艶めかしく感じる。よっぽど気持ちよかったと見える。
「よし、時間もあんまりないし、メシ食いに行くか」
「うん」
風呂上りののんびりとする時間をもう少し味わいたい気分もあるが、既にもう日が沈んでいる。馬車もバスや電車同様最終便が存在する。それに間に合わなければ折角取った宿に戻れず、最悪野宿する羽目になるから、それまでには間に合わせておきたかった。
自分が所持している腕時計型の魔道具を確認する。時刻はデジタル文字で7時15分と表記されていた。最終便は九時だから、のんびり夕飯を堪能している時間もない。故に、スグに食べれそうな店を探さなければならない。急がなくては。
「ん?」
急いで銭湯を出ようとした矢先、ミオが手に持っていた手提げの籠からなにか落ちて来た。さっきからなにかはみ出していたように見えたが、それが落ちてしまったのだろう。
「…これは…」
落ちたものを手に取る。三角形の白い布地。ハンカチやバンダナの類ではない。これはもしかして…
「ミオー」
「ん?」
彼女を呼び止め、落ちていたものをすぐさま彼女に渡した。
「このパンツ。お前のだろう? 落っこちてたぞ?」
「…ッ!?」
ミオが落としたもの、形といい触り心地といい、間違いなくこれは下着である。多分、脱いだ服とか使ったタオルを適当にぶち込んだものだから、うっかりはみ出てしまったのだろう。正直最初はそんなわけないと思っていたが、手に取った時に確信に変わった。危なかった。幸いなことに誰にも見られていない。もし自分以外の誰かが拾ってしまったら、恥ずかしい思いをしていたかもしれない。仮に手に取った人が男だったら尚更だ。下手すれば、この下着は彼女の元へ帰らず、知らない男の性的欲求の道具として使われていた可能性も…
「んぐえっ!?」
あったかもしれない、なんて考えていたら、いきなりミオからボディーブローを思いっきり貰い、膝から崩れ落ちた。なんでいきなり殴られたのか分からず、蹲りながら頭が困惑していた。ミオの下着なんて、洗濯物干す時に何度も見ているから問題ないはずだが。なのになんで殴られたのだろうか。
「晩御飯、全部奢ってよね?! あと、明日の分も」
「…な、んで?」
蹲る自分を余所に、ミオはそそくさと店を後にした。そして、彼女がなぜ怒っているのかは分からないまま何故か食事代を奢らされる事となった。
―転生勇者が死ぬまで、残り4114日
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